上越新幹線の長岡駅からも燕三条駅からも30分ほどの新潟県の寺泊温泉。日本海まで車で5分足らずの山あいに佇む一軒宿。
昭和3年に湯治場として創業した北新館は、2種類の源泉を持つ湯元。
1階の奥、自動ドアの先に大浴場の入り口。翌朝9時半まで一晩中利用できる。
日帰り入浴は15時まで。部屋数9室(7?)のこじんまりした宿なので、あまり混むこともなさそう。
夕方、女湯は独泉だったけど、男湯はタイミング悪く4人組と一緒だったそうでお気の毒。
脱衣所には籠が6つ。化粧水とドライヤーもあり。浴室にはクレンジングもあり。
むわっとすごい熱気の浴室。一部窓が開いて網戸になってるのに、蒸してて暑い。
大小2つの湯船が並んでる。
手前の洗い場にシャワーが4つ。
床には析出物が蓄積していて、お湯の濃さがうかがえる。
全く様相の異なる湯船。
縁にこびり付いてる析出物も別物。
右の大きな湯船は無色透明。
でも、縁を見てみると、
こってり析出物が付いてる。
手摺りにこれって結構なもん。
2段の滝みたいな湯口。湯口は38度で湯船は37.7度ほど。浴室がむわっとしてるので、ぬる湯に拍子抜けする。
こちらにも白とベージュの析出物がびっちり。pH 7.9の弱アルカリ性で、重曹のつるつる感より、じっとりした肌触り。
泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉。源泉温度14.8度の冷鉱泉で加温、循環利用。宿の裏手、地下約2mから湧出している源泉で掘削自噴。最近まで硫黄泉だったのに、地殻変動で成分が変わったのだそう。循環だし、硫化水素臭は感じず、ほんのり消毒臭のような匂いがする。
褐色に濁った小さな湯船。
こちらは宿の前方にある小さな山の地下1,000mから、ガスと共に自噴している源泉。片方は地下2mの掘削で、こちらは1,000mと差がすごい。
縁の析出物があまりにすごいので、かけ流しに見えるけど、入った分だけ溢れ出てるだけだと思う。
底にわさわさ湯の花が溜まっていて、
足をつけると舞い上がる。褐色の湯の花の塊。
湯口からは少しずつ少しずつ45度に加温された源泉が注がれてる。源泉は33度。湯船は37度割れ。こちらもぬるめ。
油臭と言われてるけど、海苔とか貝とかの潮の匂い。かなりしょっぱい。
皮膚がひりひり。加水もありぬるいのに、ぬるさを感じない。塩分が多過ぎて、溶存物質の成分総計が19,650mgもあるので、泉質名になってないけど、炭酸水素イオンを2816mgも含んでる。pH 7.6の弱アルカリ性で、じっとりした肌触り。
泉質は含よう素–ナトリウム–塩化物強塩温泉。ヨウ素か、と納得の匂い。殺菌効果があり、皮膚炎にも効く。同じく殺菌作用の強いメタホウ酸も142mgと多い。
大浴場は循環だけど、唯一かけ流しの湯船がある露天風呂付客室「のどか」。
総檜作りの半露天風呂。
さらさらと透明な源泉がかけ流されていて、見るからに気持ちいい。
湯口は38.5度、湯船が38度と最高な湯加減。
2本の源泉のうち、ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉の方。源泉温度14.8度なので加温はしてるけど、熱くし過ぎてなくて有難い。
湯口から精一杯匂ってみるけど、ほぼ無臭。
網戸がないのだけが残念で、夜は虫が恐ろしいので締め切るしかないけど、心地よい湯船。
寺泊温泉 北新館
★★
[年友1号井]
ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉
14.8度
pH 7.9
25ℓ/分(掘削自噴)
[年友2号井]
含よう素-ナトリウム-塩化物強塩温泉
33.2度
pH 7.6
28ℓ/分(掘削自噴)
内風呂(男2女2)
加水加温循環消毒あり
2023.8 宿泊
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