かつて小豆島は良質な花崗岩の産地だった火山帯の島。長い年月をかけて温泉となった自家源泉を持つ島宿を目指して。
高松空港から北へ30分ちょっとの高松港。フェリーに乗って約1時間の小豆島へ。高速船だと35分で行けるんだけど、今回はレンタカーごと乗るのでフェリーで。
目当ての島宿 真理は土庄港から東へ30分。たった30分の道のりだけど、道の駅でオリーブソフトを食べ、また別なジェラテリアで醤油とオリーブのジェラートを食べ、迷路の町を散歩しながら、と何時間もかかり、宿に着いたのは日が沈むぎりぎり。
醤油蔵が建ち並ぶ通りを抜け、ほんの少し山側に入ったところに真理はある。13時からチェックインできるなんて素晴らしい宿なのに、残念ながら日が沈む頃に到着。
なんとか間に合った部屋からのマジックアワー。夕焼けめちゃくちゃ綺麗だった。
築90余年の古民家を改装した母屋と2棟の離れを含む全8室の宿。2階のテラス付きの部屋からは、瀬戸内海も臨むことができる。
8室はそれぞれ趣きの異なる部屋で、全室温泉付き。桶や檜、石造りの湯船に温泉が引かれていて、源泉かけ流しのお湯を楽しめる。
『も』の部屋の湯船は檜。檜が好きなのと、部屋やお風呂から海が見えるから選んだ部屋。
敷地内にある自家源泉「里枝温泉」は無色透明無味無臭。美肌効果のあるメタけい酸を含む柔らかなお湯。
日本酒風呂でさらにしっとり肌にと、讃岐の酒蔵 川鶴酒造のお酒がお風呂用に置いてあったけど、使わず。
夕焼けの時間も良かったけど、朝の爽やかなこと。
お風呂に入ってるのに、ちょっと小高いところから小豆島の暮らしが見渡せる。
電線にとまる雀や、民家のベランダに干された洗濯物、瀬戸内海まで見えて、窓を開けて入るお風呂の長閑なことこの上ない。
湯温が20度弱しかなくて、溶存物質も少ないので泉質名は付かず、単純温泉とかアルカリ性単純温泉とも言えないんだけど、メタケイ酸が規定の50mg以上含まれているので、温泉法上の温泉に定義される。
なぜだか泡付きがあり、ふわつるの湯感触が気持ちいい。
大浴場は離れに、というか、離れに2つの貸切風呂があり、予約不要、無料で利用できる。2つとも露天風呂付きの内湯。時間は14時から朝の5時まで。
出入口の札を確認し「空いてます」を裏返し「入ってます」にして、浴室に向かう。
下駄に履き替え、石畳を右手に進んだところ。
竹の湯と石の湯。まずは竹の湯へ。
洗い場や露天風呂への階段が竹で出来てる。
ちょっと歩きづらいけど、竹踏みだと思えば。
露天風呂には入らなかったけど、内湯は41.5度くらい。循環なのに不思議と泡付きがあり、ふわつるの湯感触。
でも、消毒臭が少し気になる。
洗面台にあるアメニティは小豆島らしく井上誠耕園のオリーブオイル入りのもの。いいねー、こういうの。
もう一方は石の湯。
雰囲気のある暗めの照明で、脱衣所はゆったり。竹の湯と同じような作りで、手前にシャワーが二つ、内湯があり、引戸の向こうの階段を数段登ったところに露天風呂。
こちらも内湯しか入らなかった。夜はなんとなく暗い中を外に出るのが嫌で。
檜の湯船。
この2つが、朝の6時半から10時までは貸切風呂ではなく、男女別の利用となる。今までないパターンかも。ニーズにうまく応えてる気がする。
一晩中貸切で自由に入れるのは有り難いし、朝は男女別に気ままに身支度できていいと思う。
まぁ、循環、消毒されてるので、部屋のかけ流しに入るのがベストだけど。
宿のミニツアーで、小豆島霊場 第二番の碁石寺に参拝。島の夜景と満天の星を眺め、浪切不動明王に人生の荒波を切ってもらえる。素敵な夜ツアー。
果実酒がつけてあり、夜10時まで飲むことができる。素敵なサービス。
夕食もハイレベルだった。ちょうど新漬けオリーブの時期。
オリーブ牛のローストビーフは、好きな部位を切ってくれた。
島特産のお醤油にこだわった醤油懐石で、特別なお醤油を食べ比べ。
こんなに至れり尽くせりなのにリーズナブル。でも8室しかないから予約が難しい。5ヶ月前の予約開始日の朝は何十分もかけ続けた。
小豆島でおすすめの宿を尋ねられたら、迷わず島宿 真理。
小豆島温泉 島宿 真理
★★★
温泉法上の温泉(メタケイ酸を有する)
19.8度
pH 7.28
貸切2(内湯・露天風呂)、客室風呂8
加温あり 加水循環消毒なし(客室)
2019.11.2 宿泊
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