湖上に浮かぶ温泉地、風光明媚な湖畔に佇むはわい温泉。
ハワイみたいなので今まで気が引けてたのだけど、調べてみたら湖の底から温泉が湧き出ていて、源泉かけ流しで利用しているという素敵な温泉地だった。
はわいは、元々は羽合。東郷湖の羽を合わせたような形から名付けられた地名で、いまは合併により羽合町は湯梨浜町になっているけど。
漢字で記せば素敵な温泉名なのに。
鳥取空港から車で40分ほどの東郷湖。湖畔の西岸から湧いているのがはわい温泉、南岸に湧いている東郷温泉と合わせて、宿泊施設が13ヶ所ほどある。
はわい温泉の歴史は、江戸時代に地元の人が鳥取藩主へ湖中の泉源利用を願い出たのが始まり。
創業80周年の望湖楼。
湖に浮かぶ露天風呂は全国でもここだけだとか。温泉が湧く冬の湖は、湯けむりに包まれた幻想的な風景。
朱色の橋を渡って辿り着く湖上の露天風呂。左右の橋からぐるりと行ける。
橋には温泉卵が作れる‘たまごのお風呂’もある。ビールも一緒に無料サービスだけど、夕食前に余計なものは食べたくないので素通り。
「朝陽」「夕陽」と名付けられた湖上露天風呂は男女入れ替え制。夜は23時までで、翌朝は5時から9時まで。
チェックインから夜まで、夕陽が女湯。
あいにくの霙まじりの雨で、夕陽は見えないけど、ものすごい人。夕陽とか関係ない。
道後温泉の本館ぶりなくらい、すんごい人だった。脱衣所もぎゅうぎゅう、湯船もびっしり。浸かっている時も、出入りする人のしぶきがかかるレベル。
しかも、女性グループとか子どもたくさん連れとか、とにかくわちゃわちゃみんなが騒いでる。
きっとみんないなくなると信じて、端っこで息を潜めてたら、
18時くらいに、嘘みたいに誰もいなくなった。
湯船は2つ。脱衣所からは3ヶ所の出入口がある。真ん中の出入口から入ると右手が大きなL字型の湯船、左手に小さめの湯船。
露天風呂というか、全面窓の全開。冷たい風が入ってくる。湯船の温度は40度。故にみんなが長湯で混んでるのかも。
もうちょっと熱くてもいいのにね、とか、長く入れていいね、とか聞こえてくるほど、ぬる湯。
ぬるくて、風も気持ちいいけど、湖は真っ暗。
人が多過ぎたせいで、湯が減り、急にみんなあがっちゃったのでかけ流しにならないほど。
湯守さんが点検に来て湯をばぁーっと足し始めたら、四方から湯が溢れていく。おぉ、本来はこんなに気持ちのいいかけ流しなのね。
湯口から注がれるのは55度くらいの源泉そのもの。
ぬるめだったのが、ぐっと熱くなり、肩まで入っていられなくなった。
どちらの湯船も41度を目安にしているそう。
味はしないのだけど、いかにも塩なねっとりした肌触り。
湖上露天風呂を部屋から見るとこんなふうになってる。右の高い方が夕陽で、左の低いところにあるのが朝陽。
翌朝は朝陽が女湯に。
橋にうっすら雪。滑らないように用心しながら。
左手にあるの源泉かな。こういうのが湖の中にいくつもある。
こちらの方がこじんまりしてるらしい。脱衣所も小さい。でも、湯船はひとつだけだけど、結構大きい。
夕陽の開いてる窓は一面だけだったけど、こちらの朝陽は二面が開いてるので、開放感というか、湖上感がすごい。顔に朝のひんやりした空気がきりりとする。
あいにくの冬のお天気だけど、湖の向こうに朝陽がのぼり夕陽が沈む東郷湖は、山陰八景のひとつ。
湯口から出る源泉は55.5度。湯船は熱い源泉が流れる場所によって違うけど、41.5度から42度ちょっと。
湯口の周りは塩化物泉らしい析出物。
湯船から溢れるお湯は洗い場側にかけ流されていて、昨夜のようなこのお湯大丈夫?って不安になるようなことはない、かけ流し。
こちらにもしっかり析出物。
大浴場は「神話の湯」と「天女の湯」。男女入れ替え制で、夜は1時までで朝は5時から9時まで。
脱衣所も洗い場も広くて、シャワーの数もすごい。とりあえずみんな湖上露天風呂に行くのか、大浴場は全く混んでない。時間帯かな。
独りだとひくほどのシャワーの数だけど、後で遭遇する湖上露天風呂の入浴者数を考えると、これくらいの数は必要だわ。
大きな長方形の内風呂。真ん中にある湯口からは53.4度の源泉が投入されていて、湯船は40度ちょいのぬる湯ぎみ。こんな大きなホテルの大浴場の湯船が、ぬる湯設定なんて神だ。ちゃんとかけ流されてるし、気持ちいい。
半露天風呂は屋根もあり、虫とかも入ってきそうにない。でも、なんとなく外気が入ってくるような空間。
半透明の壁は、水の流れるガラスの外壁らしく、水音が心地いい。東郷湖の小波をイメージしているそう。
木造りで新しくて清潔で快適。3つの丸い湯船があり、手前の2つが熱めと書いてある。
奥の1番大きな湯船。全部が木で出来ていて気持ちいい。周りに一段段差がある。注意書きもあるくらい、滑るので注意。
湯船の温度は41度弱。湯口の中に2つの投入口があり、53度と44度の湯が出てる。
他の2つの熱湯の湯船は、42度弱。同じく湯口が2つあり、ぬるい方の湯を絞って調整してるっぽい。お見事。
つるんつるんの木の縁から湯が溢れ出ていく。もうちょっとぬるかったらいいのに。水音聴きながらリラックスして長湯できたら極楽なのに。
じっとりした肌触りで、湯が肌に馴染んでいく。
泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉。湖の何ヶ所からも湧いているそうで、6本の源泉を利用している。混合泉は53.7度で、消毒も何もせずのかけ流し。
塩の暖まりの効果か、朝まで足が冷えなかった。保湿効果のあるメタケイ酸も92mg含まれる美肌の湯。
翌朝の天女の湯。こちらも広い。洗い場は2ヶ所でシャワーは30個近くある。
大きな湯船が2つに、四千貫の巨石をくり抜いたという湯船。
大きな湯船は42度。石の湯船は41.5度くらい。
大浴場は熱すぎないし、かけ流しで申し分ないけど、夜中はやっていないので、部屋に温泉のある部屋に。
二面が湖に吹きっさらし。いや、湖の眺望。かなり大きめの湯船。独りで入ると広々。
湯口から注がれる源泉は47度くらいで、しっかりした湯量が投入されているので、湯船の温度は42度ちょっと。
湯口の横にカランがあり加水も可能。だけど42度って熱いんだけど、真冬の雪混じりの風が冷たくて。真夜中は寝る前に体を暖めたくて、そのまま入るくらい。
もったいないほどに、ずっとかけ流されてる。余剰温泉の利用とかって資料があったから、これだけかけ流しても大丈夫なほどの豊富な湯量を確保できてるんだろうな。
はわい温泉 望湖楼
★★★★
ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉
53.7度
pH 7.5
湖上露天風呂2 大浴場2
加水加温循環消毒なし
2020.12.19 宿泊
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