広島県の江田島は瀬戸内で4番目に大きな島。この江田島に2021年7月にオープンしたばかりの、えたじま温泉 江田島荘。
宿へは広島港から高速船で30分。呉からは赤い音戸大橋と早瀬大橋を順に渡ってアクセスできるので、広島空港から車で1時間半で行ける。
2017年3月に閉館した『国民宿舎 能美海上ロッジ』と隣接する日帰り入浴施設『シーサイド温泉のうみ』の跡地に建設された宿。
能美海上ロッジは昭和42年に開業した、日本で初めての海に浮かぶ国民宿舎で、満潮時には客室から釣りができたそう。
当時の写真が残ってた。すごい。こんなんだったんだ。
と思ってたら、今もまだ残ってた‥。干潮時。
能美温泉はこの2施設だけ。宿の方の湯使いは源泉かけ流しで、とろりとした茶色の濁り湯だったのだそう。元々は源泉温度が46度もある瀬戸内海でも有数の名湯だったけど、最新では34度と、50年もの半世紀の間に10度も湯温が下がってる。
32室すべてがオーシャンビュー。夕焼けを撮った写真の、船霊社の左側にロッジの建物が写ってた。
そして、さらに見えづらいけど左端の樹々の中にある黒い屋根が、現在の江田島荘の大浴場。
一階から一度外へ出て、部屋のカードキーで解錠しながら大浴場の建物へ。
日帰り入浴もしてるから、宿泊棟に入れないように鍵がかかってる。
日帰り入浴の時間は11時から16時半まで。
ロッカーにスリッパをしまって、裸足で入る。
湯上り処はお洒落なカフェみたいな空間で、夜はKEI’s BARに。呉で長年バーテンダーをしていた景さんがオリジナルカクテルを作ってくれる。
大浴場の利用時間は夜24時まで。朝は6時から10時まで。
男女の入れ替えはなし。
さすが出来たばかりの、新しくて清潔な脱衣所。ゆったり広々。宿泊者専用の時間にしか行ってないので、ほぼ独泉。
アメニティは置いてないけど、バスタオルとフェイスタオルは備え付け。新しいふかふかの真っ白のタオルで気持ちよかった。
浴室に入ると右手に洗い場。
深めの仕切りがあるタイプが7つ。
かけ湯まである。
内風呂は一見ひとつの大きな湯船に見えるけど、大きいのとすごく小さな湯船の2つに分かれてる。
天井の明かりは和紙なのかな? 館内に、和紙作家の堀木エリ子氏のアート作品が使われてる。
全面がガラス戸で明るく開放的。外には露天風呂が見える。
内風呂は、大きい方が加温湯船で、小さい方が源泉湯船。
源泉温度が31.8度の含弱放射能-ナトリウム・カルシウム-塩化物強塩温泉。深海から汲み上げた強塩温泉。
加温湯船は41.5度に加温され循環濾過しているので無色透明で、ほとんど潮の匂いはなく、少し消毒臭がある。熱くて入っていられない。
でも迂闊に顔を洗うと、苦しょっぱくて驚く。湯口の横には塩の結晶。
ナトリウムイオンが6,500mg、塩化物イオンがなんと14,000mgも含まれてる。思い出してもしょっぱい。
源泉湯船は加温はもちろん、加水も循環もない源泉そのままのかけ流し。塩素消毒はされてるけど、潮の香りというか海の匂いが強くて、消毒臭は感じない。
小さいので、2人しか無理。湯温は32度前後。成分が濃いせいなのか、36度くらいの不感温度に感じる。源泉かけ流しのぬる湯の湯船を作るなんて、すごい。有り難過ぎる。
隣の湯船との境がほんの少し低めで、冷たい源泉が加温湯船へ少しだけ流れ込んでる。
ふたつの湯船から溢れるお湯は、窓際のここから流れ出てる。
塩の結晶が溜まってる。
浴室の中には蟹もいる‥。
縁にも塩が付いていて、触るとざらざら。縁に頭をかけて寝湯すると、浮力がすごい。
湯口の湯温は31度ちょっと。舐めると苦しょっぱい。湯口のお湯で顔洗う習慣が染み付いていて、洗ってしまったらとんでもなくしょっぱい。目がつぶれる。
つるつる浴感だけど、きゅうっと肌に吸い付く感じもある。白い湯の花がふわふわ舞ってる。
硫酸イオンが1,800mg、カルシウムイオンが2,100mgも含まれる石膏泉なので、皮膚細胞を再生し肌の弾力を回復し引き締め、保湿効果もある。pH 7.9の弱アルカリ性なので、クレンジング効果もある美肌の湯。
湯上りの肌は、海から出た時と同じで、ねっとりねっちょりのいかにも塩化物泉。身体を流してから出てもねっちょりしてる。
塩の保温効果が高いからか、冷たい源泉にしか入らなくても、湯上がりは全く寒くない。
露天風呂も広々。加温循環で41.2度。
庭みたいな眺めで、すぐそこが浜辺だと分からないのが残念。夕方は、ちょっと出ただけで蚊に刺されまくった。
ちょっと深めの湯船。左奥には寝湯が2つ。消毒臭があるし熱いし蚊がいるので、入らずすぐに退散。したけど、内風呂までついてきた蚊にやられる。
ミストサウナもあるので、冷たい源泉と行ったり来たりが好きな人にはたまらないと思う。
サウナの中にシャワーもついてる。これすごくいいのでは?
大浴場のほかに、有料だけど貸切の半露天風呂がある。
2階の「星の湯」は黒御影石で、3階の「海の湯」は十和田石で造られてる。
普段、有料の貸切風呂にあまり興味ないのに、なぜか分からないけど着いて早々に予約して、星の湯へ。
チェックイン当日の夕方から夜までの4枠だけで、50分だったと思う。
バスタオルは備え付いていて、ウォーターサーバーもある。
外へ出ると、目隠し用の柵があるけど立ち上がれば海が見える。柵に近寄ると浜辺から丸見え。
貸切風呂は大浴場と同じく、加温循環してる。
循環の吸い込み口。吸い込み力がすごいので近づかないように注意書きがあった。
とはいえ、かけ流しも併用なので、気持ちがいい。排湯口には白い塩が付いてる。
流れ出たお湯が出入り口まで流れていて、綺麗な足で出られる好きなタイプ。
シャワーは2つ。
瀬戸内の恵みのシャンプー。
湯口から投入されるお湯は40度だけど、湯船の温度は41.2度。夏場は熱い。そして、やっぱり蚊がいて刺された。
大浴場の源泉湯船が最強なので、貸切風呂は別にいいかな。なんで入ったんだろ。
えたじま温泉 江田島荘
★★★
含弱放射能-ナトリウム・カルシウム-塩化物強塩温泉
31.8度
pH 7.9
240ℓ/分
男女別各 加温湯船2 源泉湯船1
加水加温循環なし 消毒あり※加温湯船は加温循環消毒あり
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