志賀高原の麓に湧く、国内屈指の湯量を誇る湯田中渋温泉郷は、湯田中、渋、安代、上林、新湯田中、星川、穂波、角間、地獄谷の9つの温泉からなる。
山ノ内町の標高約850mの高台にある上林温泉は、温泉郷の最深部。
長野駅から長野電鉄特急で約45分の湯田中駅。駅からは送迎もあり、バスだと15分。長野駅から車だと北東へ50分ほど。
開湯は明治34年、夏目漱石や志賀直哉など多くの文人に愛された閑静な温泉地で、現在は5軒ほどの宿がある。
昭和3年、長野電鉄創業者の祖父が創業した上林ホテル仙壽閣は、皇室御用達で天皇御一家が毎年立ち寄る老舗名門旅館。
和洋折衷の独特な建物で、玄関を入るとまずは温泉プールが目に入る。
温泉棟は中庭の向こうにあるお洒落な可愛い建物で、右手の廊下から行く。
手前にあるのは2つの貸切風呂で、それぞれ内風呂に岩の露天風呂が付いてる。1時間1,500円の有料。
大浴場は朝の10時半まで一晩中入ることができ、男女入れ替えはなし。
広い脱衣所。棚に間引いて籠が置いてある。バスタオルは備え付け。化粧水などアメニティもある。
迫力の大浴場。
広い浴室に大きな湯船、高い天井。
男女の浴室は隣り合っていて、上が抜けて繋がってる。
大きな御影石の湯船。全面から勢いよく湯が溢れ出ていて、
境目が分からないほど、湯船の外に流れてる。
トド寝できるレベルだけど、誰もしてない。
湯船の外の手すりの付け根に析出物ができてる。
洗い場もお湯が満たされていて、気持ちいい。シャワーが壁際に7つ。
長野県最大級、毎分720ℓという驚異的な湯量で、すべての湯船が源泉かけ流し。
湯口はなく、この壁一面から滝のように流れ出てる。
上林温泉の源泉は旧湯と新湯の2本。旧湯は地獄谷野猿公苑上流にあり、約2kmの引き湯。新湯は野猿公苑下流500~600mの所から引き湯してる。
仙壽閣の源泉は旧湯で、地獄谷から引き湯すると、夏季の温度は65度前後、冬季で60度前後。加水して調整してる。
湯船の温度は42度弱。滝から離れたところは少し温度が低め。新鮮なお湯がどんどん流れていくので、ふわふわのお湯。
窓側のこの側面の穴からも湯が投入されてたような。
薄茶色のふわふわした塊の湯の花が少し舞ってる。
泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉。ちなみに新湯は単純温泉みたい。
無色透明の無臭で、肌触りはふわつる。
露天風呂は自然の中。
出入り口側にざばざばかけ流されてる。
かなりの勢いでお湯が投入されてるのが分かる。
お湯は奥の大きな岩から流れ落ちてくる。
ん、岩の横に長い竹筒。壁際の屋根の柱かと思える竹筒に繋がっているようで、
湯底から時折、泡を伴ってお湯が吹き出してる。岩からだけだと湯温が保てないのかな。
湯温は40度。ぬる湯の適温でちょうどいい。内風呂は熱めなので、上がり湯に。
無色透明だと成分が薄い気分になるけど、ナトリウム、塩化物、硫酸イオンとバランスよく含んでる。天然の保湿成分のメタケイ酸も165mgと多く含む。消毒効果のあるメタホウ酸も40mg含んでる。
露天風呂には硫黄の香る温泉にありそうな白い消しかすみたいな湯の花が舞ってる。
桜の花びらも浮いていて、見上げると男湯側に。
かけ流しの内風呂付きの部屋。
ひとりでゆったりサイズの湯船。
着いた時の湯温は43度超え。
ほどよく加水しつつ、湯口で53度超えだったので、あとは自由に加水して入る。
新鮮で豊富な源泉にくすぐられるような、ふわつるの湯感触。大浴場の内風呂と同じ、薄茶色のふわっとした湯の花。
源泉はほんのり塩味。この日は匂いはなかった。少しでも硫化水素臭があれば、気分が全然違うのだけど。
上林温泉 上林ホテル仙壽閣
★★★
ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉
pH 7.0
68.6度
720ℓ/分(自然湧出)
内風呂(男1 女1)露天風呂(男1 女1)貸切風呂2
加水あり 加温循環消毒なし
2022.4.23 宿泊
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