奥塩原新湯温泉 秘湯にごり湯の宿 渓雲閣(栃木)

奥塩原の新湯温泉。東北新幹線の那須塩原駅から車で50分ほど。

806年に元湯が発見され、古くから塩原十一湯と呼ばれている塩原温泉郷。東から西へ、大網・福渡・塩釜・塩の湯・畑下(はたおり)・門前・ 古町・中塩原・上塩原・新湯・元湯という湯本が点在し、約150もの源泉がある。

新湯温泉は、大好きな奥塩原元湯温泉 大出館(栃木)-温泉手帖♨︎ のある元湯温泉のほんの少し手前にある温泉地。どちらも奥塩原。

創業300年、秘湯にごり湯の宿 渓雲閣。大出館と同じく秘湯を守る会の宿。斜向かいにあるやまの宿 下藤屋もそう。

“女性に厚いおもてなし”って何だったんだろ。スタンプにあるように狸だらけの宿だった。

大浴場は「展望大浴場 たぬきの湯」。玄関階の3階にあり、翌朝10時まで一晩中入ることができる。

男女の入れ替えはなし。出入り口の向かいには湯上がり伝言板がある。今まで出会ったことない気がするけど、ナイスアイデアだな。

大浴場貸切サービスというのをやっていて、19時10分から50分までの40分間1組1,900円、って安っ。夕食の時間に大浴場を活用するアイデア。当日17時までに要予約。男女別で2つあるから、1日2組。

脱衣所の籠には目印に栃木の有名人のラベル。山口智子とか。

浴室の入り口の足マット。こんなのあるんだ。温泉マークかわいい。

ゆったりした浴室。リニューアルしたての女湯。右手の窓際に大きな湯船があり、硫黄の濁り湯。塩原は透明なところ多いので、元湯と新湯の奥まで来ると濁ってて嬉しい。

左手に洗い場。シャワーが4つ並んでる。

夕方の混んでた時間は、4人ずらりと座って念入りに身体や髪の毛洗っていて、空く気配がなかったけど、他の時間はほぼ独泉だった。

天井にも壁にも湯気抜きがある。

標高1000mの山深き秘湯。自然を見渡せる深めの湯船にたっぷりのお湯のかけ流し。

かなり深いので、お尻をつけるのに躊躇する。

入ると全面の縁から溢れる。

しばらく誰も入らずにいたら、湯の花が沈澱して透明に。濁り湯と思ってたのに、あれ?ってくらい。混ぜたりうろうろしてたらまた濁る。

足場の段差に積もってる湯の花。

触れるとむわっと舞い上がる。

上1cmくらいだけ、真ん中あたりでも43度。ちくちくするほど熱いけど、下がぬるめなので、自分の周りだけ混ぜれば41.5度弱に。

狸の乗った3段湯口。

段々になって熱い源泉を冷ましながら湯船に落ちてくる。

横のパイプからも直接湯船の中に源泉を投入し、底の湯を撹拌して外へ。湯船のお湯を新鮮にする工夫がなされてるらしい。

のだけど、この日は出てなかったような。

白い細かな湯の花が大量に舞ってる。うろうろしたので余計に。薄濁りで、底にある足がなんとか見えるくらい。

湯口の周りはかなり熱い。湯口から75度弱の源泉が湯量を絞って注がれてる。翌朝は74度で湯船も40.5度ちょいのぬるめ、めちゃくちゃ適温だった。

熱すぎるので、湯口に指をぴゃっとして、ほんの少し舐めるくらいしかできなかったのだけど、ほのかに酸っぱい優しい酸味。

pH 2.9の酸性。肌と手が馴染むまでは、ふんわりした肌触り。馴染んでしまうと、きゅうっと吸い付く。

地域共同管理の源泉は、硫黄山より噴出してる単純酸性硫黄温泉。殺菌、解毒作用があり、慢性皮膚病に効く。

1659年に山津波で元湯温泉の部落が崩れ落ち、この地に再興したのが新湯温泉の始まり。350年前から湧き出ている硫黄泉。今でも「寺の湯」の上、硫黄山の爆裂火口跡が白い噴煙をあげてる。

「寺の湯」は3階の玄関から右手にすぐのところにある共同浴場。混浴でとにかく熱い名湯とのこと。

地域の共同浴場は3つあり、宿泊者は浴衣かハンテンを着て行けば無料で利用できる。利用時間は朝7時から18時まで。

むじなの湯は湯温が下がって利用不可だったけど、1階の裏口から出て2分のところにあり、男女別の内風呂。二宮金次郎が湯治をしていたそう。もうひとつは「中の湯」。これも男女別の内風呂。

大浴場の他に1階に「貸切庭園露天風呂 たぬき冥利の湯」がある。空いていれば自由に無料で貸切利用できる露天風呂で、翌朝の10時までいつでも。

貸切露天風呂は2つ。

木札が目印で、空いていたら裏返して“入浴中”にし、中から鍵をかけて入る。

まずは左側から。

左右同じ造りで、まず籠がいくつか置いてある脱衣場がある。

湯船の大きさもほぼ同じで、2人サイズくらい。湯船の上には屋根がある。

とても長い木樋をつたわせて、ちょろちょろと湯が注がれてる。

竹の湯口の先で69度。

その後、幅広の木樋を薄くつたって、ちょぼちょぼと湯船に落ちる。それでも最終湯口のそばはかなりの熱さ。

黄色がかって見える白い湯の花が溜まってる。

この時の湯船は41度弱だったけど、自由に加水して入るしくみなので、もはやどれほど埋められたの状態なのかは分からない。でも加水しないと入れない熱さだと思う。

湯船が小さく熱くなりやすいので湯温を確認してから入るよう注意書きがあったような。“水で埋められますがせっかくの源泉ですので最小限にして下さい”とも。

縁の木に付く深緑の析出が酸性泉っぽい。ほんの少しアルミニウム含んでるのも関係あるのかな。

誰も入ってなかったみたいで、湯がたっぷりの時は、入ると湯が溢れ、

ざばざばと排湯口に向かっていくけど、夕方の出入りが激しい時は湯が少なかった。

手前には一段段差がある。青白っぽく見える湯に白い湯の花が舞ってたり、グレーの濁り湯だったり。

こちらは右側。葦簀がかかり、眺望が全然違う。

こちらの湯口は四角いL字トンネル型。

夕方は、湯口から69.5度超えの源泉がさらさらと注がれていて、湯面がちりちりと熱かった。

けど、前の利用者がものすご加水したんだろうなと思われるぬる湯具合。それでも上部がすぐに熱くなる。

こんな熱いのに加水せずに源泉をかけ流してくれてすごい。しかも加水してもいいよと適温で入らせてくれるのも。でもこれが部屋風呂だったら良いけど、みんなで使う湯船だからちょっと微妙。熱い源泉って難しいな。

 

新湯温泉 秘湯にごり湯の宿 渓雲閣
★★★★
単純酸性硫黄泉
73.4度
pH 2.9
144.7ℓ/分(自然湧出)
内風呂(男1 女1)貸切露天風呂2
加水加温循環消毒なし
2024.10 宿泊

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