原鶴温泉 延命館(福岡)

福岡空港から高速使って1時間弱の原鶴温泉は、福岡県と大分県の県境にある朝倉市の温泉地。

あまり源泉かけ流しが見つけられない福岡県では随一の湧出量毎分3000ℓと源泉数34本を誇り、宿ごとに自家源泉を持つ。

筑後川沿いに23軒(組合加盟は13軒?)の旅館が立ち並ぶ温泉街があり、宿の部屋からも筑後川の清流を望める。

前回は原鶴温泉 ほどあいの宿 六峰舘(福岡)-温泉手帖♨︎ に。

今回はぬる湯を求めて延命館。お湯堀り職人だった初代が故郷の原鶴で温泉を掘り当て昭和5年に創業。

しかもここ、24時間ステイなるプランがある。13時から13時まで!凄すぎ。24時間楽しむためだけに、その時間に合わせて飛行機で来たのに‥。ちょっと遠回りしてしかも並んでごぼ天うどんとか食べてたら、結局15時前の到着になり、がっかり。

90分ひと部屋2,600円の貸切家族風呂があり、有料で大浴場と同じ湯使いならスルーしちゃうところだけど、プランに含まれていたらしく、利用させてもらった。

中庭の向こうに見える建物に3種の湯船。陶器はあまり好きじゃないので、樽だなと思ってたら、土か陶器と言われた。樽は日帰り入浴優先なのかな。土って土⁈と気になりはしたけど、消去法で土希望。

チェックイン時に予約はできず、部屋から電話して空き状況を聞いて入る仕組み。

ちょっとどうでもいい話だけど、今から入りたいと電話すると、陶器は空いてると。土がよかった〜と言ったら、今から掃除して15分後ならいけるよと言ってくれた。

これ15時の話。土は誰かの後だけど、陶器は一番風呂ってこと?と聞いたら、そうですねと言われたので、お湯の綺麗さを優先して陶器風呂に入ることに。

フロントで鍵をもらい、中庭の出入り口まで案内してもらう。大浴場の目の前。

脱衣所にはソファや洗面台、クーラーもあり、自分で電気付けてクーラーも入れる。化粧水と乳液もあった。

陶器風呂。シャワーもあるけど、シャンプーはリンスイン。ロビーに宿泊者専用のシャンプーバーがある。大浴場行く時は忘れないようにしよ。

3人用って書いてあったけど、3人は無理。うちは旦那さんと2人も無理。90分もあるから半分ずつにしようよと誘ったけど断られたので、独りで90分。

そして気付いたこと。15時まで立ち寄り湯してるって。朝9時半から。これ絶対一番風呂じゃないよね。

縁から少しずつだけど確実に溢れ出てるかけ流し。茶色に染まってる。

ぬる湯の温度が低すぎる方はカランでお湯をって張り紙があるけど、そんな人は来たらダメなのでは。これ、ただの熱いお湯を足されてたらたまらない。

カランは硫黄にやられた黒色の形相。

硫化水素イオンが0.4mg含まれてるだけで硫黄泉じゃないけれど、硫化水素臭がしっかりするから、ちゃっかり硫黄泉の効果を謳っている強さよ。もちろん硫黄泉の源泉がある宿もある。

延命館の源泉はpH 8.6のアルカリ性単純温泉。源泉温度は39.4度で、湯口は37.3度。湯船は37度割れの極楽湯。体温と同じ湯温のぬる湯で、身体が溶けそうな感覚を久々に味わう。

底がぬるぬるで、一瞬で、はい、危ないって判断できるほど。気をつけながら入る。側面もぬるぬるで入ってる間も気が抜けない。やっぱり土にすべきだったか。

ほんのりゆで卵臭が心地よく、久々のぬる湯にあぁこれこれと極楽気分。90分があっという間。貸切風呂で90分ってそれは長過ぎでしょと心の中で思ってごめんなさい。ぬる湯を楽しむにはジャストな時間設定です。

“シュワっと炭酸が肌を刺激する”と書いてあるけど、遊離炭酸が含まれているわけではないので、新鮮なお湯だから含んでる泡なのか、少し泡付きがある。

湯の花はほとんどないけど、湯口にはしっかり白く溜まってる。

大浴場は夜は1時までで、朝は6時から。男女入れ替えはなし。全15室の宿なので、あまり混むこともないけど、日帰りが9時半から20時まで。

大浴場にはアメニティはなく、ドライヤーのみ。

ロッカーは意外と多い。鍵付きの小さなロッカーもある。

浴室の床は焦茶色に染まってる。元の色は分からないけど、染まってるように見える。

左手に大きな内風呂があり、排湯口からも縁からも湯が溢れ出て、洗い場へ流れてる。

シャワーは6つ。ボディソープとリンスインシャンプーが備え付け。なので、チェックイン時にシャンプーバーの利用を勧めてくれる。

10人は余裕で入れるサイズ。床も湯船も茶色に見えるので、一見モール泉かなと思えるけど、湯の花や匂いにそれっぽさはない。

排湯口を見ると、オレンジ色に近い茶褐色で、鉄分を含むのかと思いきや、分析書には含まれてないし、金気臭も感じなかった。

なんにせよ、このざばざばかけ流しが気持ちいい。貸切風呂では感じられなかった、気持ちのいいほどのかけ流し。正解は絶対的に大浴場。

湯口の周りは白いぶつぶつの析出物があるけど、湯口は焦茶色。

内風呂も露天風呂も湯口で38.7度、湯船が38.2度のぬる湯。

湯口の周りには細かい泡が大量に舞っていて、白骨温泉 泡の湯(長野)-温泉手帖♨︎ を思い出させるほど。

一瞬でふわぬるのベールに包まれ、身体中があわあわに。離れたところでもしっかり泡付きがある。これ二酸化炭素泉じゃないのが不思議なやつ。

寺宝温泉 純生の湯(新潟)-温泉手帖♨︎ と同じ。遊離二酸化炭素は12mgしかないのに、あわあわ。あー!あれも自分で掘り当てたやつだ。なんか関係あるのかな。新鮮な湯の注ぎ方とか?

露天風呂はゆったり入ると5〜6人サイズ。朝は外気の影響か38度割れてた。

川の風なのか、すごく涼しい風が吹いて気持ちいい。

原鶴温泉は、アルカリ性単純温泉と硫黄泉で、古い皮脂を洗い流し美白効果も併せ持った“W美肌の湯”と高々と謳ってる。

延命館は、pH 8.6のアルカリ性単純温泉で、しっかりゆで卵の匂いがするけど、硫黄の成分はほんの少し。

湧出量は毎分220ℓ。露天風呂もこの通りのかけ流し。

露天風呂の湯口にはお地蔵さま。

単純温泉とは思えないとろりとしたお湯で、あっという間にものすごい泡まみれ。ぬるりとしたベールに包まれ、さするとふわぬるの肌触り。気持ちよくて肌をさすりたくなる。湯上がりの指先や肌はするするに。

次回は24時間ステイを達成したい。

 

原鶴温泉 延命館
★★★★★
アルカリ性単純温泉
39.4度
pH 8.6
220ℓ/分
内風呂(男1 女1)露天風呂(男1 女1)貸切風呂3
加水加温循環消毒なし
2024.7 宿泊

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