明治36年に開湯した上山田温泉。明治26年開湯の戸倉温泉とともに、善光寺詣りの精進落としの湯として親しまれている戸倉上山田温泉。
最寄りのしなの鉄道の戸倉駅は、北陸新幹線の長野駅から30分弱。上田駅からは15分ちょい。戸倉駅から上山田温泉は宿の送迎などで10分弱。
戸倉上山田温泉 豊年虫(長野)-温泉手帖♨︎ に行ったときは、上田駅からレンタカーで30分のアクセス。前回は戸倉上山田温泉 湯元 上山田ホテル(長野)-温泉手帖♨︎ 。
今回は上山田温泉最古の老舗宿、明治34年創業のホテル亀屋本店の別邸、旅亭たかのに。戸倉駅からは送迎で10分弱。あれ、開湯より早い創業だ。
亀屋本店から850mも離れた温泉街の南端。ひっそりと佇む純和風数奇屋造りの建物。本店の大浴場に行きたい場合は送迎をお願いできるみたいだったけど、そんな説明はされなかった。
玄関のすぐ右奥に大浴場。5室の宿で全室露天風呂付き。貸切風呂もあるので、ほんとに誰にも会わない。
しかも利用時間はチェックアウトの10時まで一晩中入れる。翌朝5時半頃に男女入れ替え。
バスタオルは脱衣所に備え付け。広くはないけど1人だし充分な広さ。
浴室はL字型で、細長い洗い場にシャワーが3つ。椅子は使わない派なのであえて何も触れないでおこ。
むわぁと硫黄の香る室内。奥にタイルの湯船。
縁からはさらさらと湯が溢れ出てる。
と同時に、わっ、サイフォン式。しかも2箇所も。
段差のある壁側の出入り口部分と、
露天風呂口側と。底のお湯も上側のお湯も排出される綺麗な湯船。
かなりの湯量が注がれ、かけ流されてる。1日75tとHPに記載があったので、毎分52ℓでいいのかな。5つの客室風呂と2つの大浴場の露天と内風呂に、貸切風呂1つ。すべての湯船が消毒もないかけ流し。
湯口は白に黄色の析出物。pH 8.7のアルカリ性の単純硫黄泉。湯口で44.5度弱、湯船は42度ちょい。
上山田温泉には現在38本の源泉があり、自家源泉の宿もあるし、上山田温泉株式会社の混合泉を引いてる宿もある。ここは上山田温泉株式会社の混合泉を利用。
露天風呂への出入り口は開けっぱなしになっていて、浴室に湯気がこもってなくて快適。
大浴場がなくても不思議じゃない規模の宿で、内風呂だけでも充分なのに、それぞれに露天風呂まである。
内風呂のレトロタイルとはかわって、檜の湯船。湯底がぬるりと滑る。
白い糸屑みたいな湯の花がふわふわ舞ってる。
湯口にも白い湯の花がべっとり。しっかりゆで卵臭がする硫黄泉。
湯口は44.5度弱、湯船は41.5度。内風呂より少しぬるくなってる。木の湯船だからか少し泡付きがあり、ふわつるの肌触り。
ざばざばかけ流しが気持ちいい。
早朝入れ替わった隣の浴室。
結構狭い脱衣所。バスタオルだけじゃなく、バスマットの替えも置いてあった。もしかして、昨日の脱衣所にもあったのかも。
こちらは普通の形の浴室で、内風呂の向かいに洗い場。
シャワーが3つ。湯船の縁から溢れ出るお湯が洗い場の床を流れてく。朝の光が清々しい。
同時にサイフォン。素晴らしい湯使い。
湯口の上には亀。亀屋だもんね。社長は高野さんだったな。湯口はどこも同じ44.5度弱。
昨日の内風呂では見てない大きな白い湯の花が舞ってて嬉しくなる。おそらく毎日換水して掃除しているのだろうから、2日目の今が一番湯の花が溜まってる時間。
内風呂は42.5度と熱めで、堪らず露天風呂へ。
岩で囲まれた湯船。しっかり囲まれていて屋根もあるので、まぁまぁ安心して入れる露天風呂。
出入り口に排湯口があり、こちらも勢いよくかけ流されてる。
深めの湯船に、大きめの白い湯の花がふわふわ。
奥の湯口には湯の花がこびり付いて育ってる。
パイプから投入された源泉が、
大きなお盆みたいな石の上を散らばりながら進み、
湯船に注がれていく。お盆石の上にも
周りの石にも白やグレーがかった半透明の湯の花がこびり付いてる。
きゃー。たまらん。半透明のゼリーみたいな湯の花に空気が溜まってあわあわに。
もっとぬるかったら、湯の花触ったり愛でたりして、もっと湯の花で遊びたい。残念ながら42度で、長湯できない。季節を間違えてる。加温されないぎりぎりの涼しい時に来なきゃだった。でもそれっていつよ。
貸切風呂がひとつあり、一回45分2,000円。チェックイン時の予約制。プランに無料で含まれていたので利用することに。
玄関を出て、門の手前にある建物。
朝一番の予約。玄関の机の上にある鍵を持って行く。
バスタオルとバスマットの替えが備え付け。化粧水などのアメニティやドライヤーもある。セルフで片付けするように注意書き。
浴室は外観からは想像できない、素敵な木造りの湯小屋といった内装。そこに立ち込める硫黄の香り。利用してよかった。これは気持ちのいい貸切風呂。
洗い場もあり、シャワーが2つ。
いつのまにかすっかり秋の朝の匂いのする風が、網戸から入ってきて心地いい。
八角形の木の湯船。縁の外側までなんとも手の込んだお洒落さ。
湯底が滑るので気をつけて入る。湯温は41.5度ちょいだったけど、汗がなかなか止まらないほど暖まる。
東北か南九州に来たみたいな、強い硫黄の匂いが感じられる。
部屋にも露天風呂。
全5室の宿で全室露天風呂付きなのに、大浴場も一晩中入れるって、ほんとすごい。部屋風呂は旦那さんの独泉になるので、私は大浴場に通うよ。
ガラス戸で仕切られたシャワールーム。
葦簀がかけられ眺望とかはない露天風呂。いっそのこと内風呂にしたらいいのにと思う。
部屋のお風呂もかけ流し。たっぷりのお湯が縁から溢れてる。少し排水が弱い。とても古い建物なので仕方なさそう。
白い析出物が黄色やグレーに染まった年季の入った湯口。44度の源泉が注がれていて、湯船は41.5度から42度弱。
大浴場と同じ白い湯の花が舞ってる。
上山田温泉の満足度高いのだけど、微妙に熱いのが残念。なんとか加温はしない絶妙な湯温の時に当たりたいな。
戸倉上山田温泉 旅亭 たかの
★★★★
アルカリ性単純硫黄温泉
44.0度
pH 8.7
52ℓ/分 (給湯量)
露天風呂付き大浴場2 貸切風呂1 客室露天風呂5
加温加水循環消毒なし ※冬季のみ加温?
2024.9 宿泊
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