黒川温泉 旅館 山河(熊本)

熊本県、阿蘇のさらに奥地。大分県との県境にある黒川温泉。熊本空港からレンタカーで1時間20分。大分空港からも高速使って1時間半。

黒川温泉郷は、30軒の宿と里山の風景すべてを一つの旅館と捉え、“黒川温泉一旅館”を掲げている温泉地。

温泉街は統一感があり、前回の黒川かっぽも楽しかったし、冬の湯あかりもとても良き。気になる宿が幾つかあるのだけど、あえて前回と同じ山河に再訪。

今回は緑の樹々が美しい。マークになってるどんぐりも、ちょうど足元に落ちてた。

玄関左手の小径を進むと、内風呂の「薬師の湯」がある。

館内から行く場合は、渡り廊下のような外廊下から、

外履きに履き替えていく。

湯小屋の先に薬師の湯の源泉があり、飲泉もできる。辺りはオレンジ色に染まっていて、近づくとほんのり硫黄の香りがする。掘削自噴の単純硫黄泉。

内風呂はこの山河の1号泉と、もう1本の源泉の混合泉。

でもここに来て、このオレンジ色にまみれた源泉に近付き匂いを嗅がないと、硫黄臭をあまり感じられない。

湯船では感じられないので、ここを通る度にくんくんくんくん嗅いでた。

今回泊まった部屋はこの源泉の奥に建ってる離れ、ねむの木。

内風呂と露天風呂がついてる部屋。

切石の湯船で、ゆったり広々。

窓の下には川が流れてる。

湯口も石で、オレンジ色に染まってる。

40度のちょうどいい湯加減でゆっくり入れてうれしい。ふわつるの肌触り。

でも硫黄臭はしない。そう、この部屋の源泉は2号泉なのだそう。一番近くに1号泉があるのに。西棟の3つの部屋風呂だけ1号泉で、他の部屋風呂は2号泉。

広いテラスに露天風呂。浴室からも行けるし、廊下からも出入りできる。

着いた時に測ったら40.5度。内風呂よりほんの少しだけ暖かい。

もったいないほどのざばざばかけ流し。

先程通ってきた、離れのすぐそばにある大浴場、薬師の湯は内風呂のみで、宿泊者専用。夜は24時までで、朝は6時から。男女入れ替えはなし。

毎回独泉だった。脱衣所にはフェイスタオルが備え付けで嬉しい。アメニティはなし。

脱衣所から浴室への細長い通路。あ、これこれと記憶が蘇る。

少し暗めの室内で、シャワーは2つ。

四角いけど石臼のような湯桶は、かけ湯用。オレンジ色に染まってる。竹の湯口もべっとりオレンジ色。柄杓があるからきっと飲泉できるやつ。

湯口は46度ちょい。硫黄というより、鉄の匂い。源泉温度は49度の単純硫黄泉。鉄イオンは1mgだけ。

男湯が岩風呂で、女湯が檜風呂。薄茶色に染め上げられた湯船は、一見、切石みたいに見える。

結構な湯量が投入されていて、どんどんかけ流され、湯の通り道はオレンジ色に。

足を入れると、湯底はぬるりとし、溜まっていた湯の花がもわっと舞い上がる。

湯口もオレンジ色に染まり、指で触ると湯底と同じようにぬるっとし、湯の花が付く。

湯口で46度超え、湯船は41.5度強。底は見えるけど、濁ってる。さらつるの肌触り。pH 6.1の中性で、少しだけ遊離二酸化炭素を123mg含んでる。

翌朝は41度ちょいで少し入りやすかった。

露天風呂は別の場所にあるのて、外履きで歩いて行く。手前が混浴の「もやいの湯」。奥が女性専用の「四季の湯」。朝の7時から夜は22時半まで。

脱衣場には屋根があり、脱衣籠がたくさん並んでる。日帰り入浴は露天風呂のみ。だけど、温泉街から離れた場所にあるからなのか、土曜日なのに独泉だった。

かけ湯と飲泉用のこちらは薬師の湯。

かなり広い露天風呂。だけど、大きな岩のある浅瀬も多い。

この露天風呂と、貸切露天風呂「六尺桶風呂」、貸切檜風呂が2号泉で、泉質はナトリウム塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩泉。ほんのり青みがかった薄濁り、貝汁のような湯色。

高温注意とかかれた湯口。かなり長い湯樋を流れてきたところで、65.5度。源泉温度は73度。露天風呂以外では山清水で加水して利用されてる源泉。

湯の通り口は焦茶色に染まり、周りには髭のような白い析出物が付いてる。

広い湯船なので、他にもいくつか湯口らしきものがある。ここから離れた場所だと41.2度と、ほどよい湯温。ふわりとしたお湯で、ふわつるの肌触り。湯上がりの肌はするすべで、指先はするするになる。

広い湯船の中に、屋根付きの場所がある。湯口と離れてるし、ついついあそこに行きたくなる。

ここも岩の浅瀬があり、なかなか体の収まりどころが難しい。

小川にかけ流されていく。ざばざばとかなりの湯量。

前回は利用しなかった家族湯。露天風呂の手前に切石風呂と檜風呂がある。

帳場に行き、空いていたら鍵を貸してもらえる。利用時間は朝6時から24時まで。夜とか朝は帳場に鍵が置いてある。

檜風呂は2号源泉、切石風呂は1号泉と2号泉の混合泉。

硫黄泉の1号源泉の方がすきだけど、檜風呂がすきなので、とりあえず檜風呂へ。

洗面台まである、広くはないけど充分な脱衣場。貸切の都度チェックや清掃をするわけではないだろうから仕方ないけど、前の利用者の残したゴミが気になった。ゴミはゴミ箱に捨てようよ。

浴室は洗い場や壁など石材でできてる。シャワーもあり、シャンプーなども揃ってる。

露天風呂と同じ2号泉を利用してる貸切檜風呂。山清水で20%加水して入りやすい湯温にしてある。

湯口も排湯口も黄土色。湯口で42.5度ほど、湯船は41.5度だった。

ちょっと熱いけど、窓を開けて入ると気持ちいい。

翌朝、帳場に鍵が置いてあったので、尋ねなくても空いてることが分かり、切石風呂も行ってみた。

脱衣場の造りはほとんど同じ。

貸切風呂にもシャワーやシャンプーがあるのは便利。でも小屋自体は野趣あふれる造り。

唯一、貸切風呂で硫黄泉の1号泉。2号泉との混合泉だけど。

大浴場と同じオレンジ色の湯の花がべったりついた湯口。手のひらに受けとめて顔を洗うと、ほのかに、感覚を研ぎ澄ませ探せば、ほんのり硫黄の香りがするような、気がしなくも。

硫黄の匂いはあまり分からず、ふわつる感も2号泉と同じような感覚。縁の析出物も露天風呂と似てる。

貸切風呂は3つあり、ひとつだけ離れた場所にあるのが「六尺桶風呂」。駐車場の方へ坂を登っていく途中に。

ここだけ扱いが違い、事前予約はできず、チェックイン時に空き時間を聞いて予約する。

7時半から夜22時までと利用時間も、他より短い。

他の2つより広めの脱衣所。全部木造りで、洗面台もある。ドライヤー故障中だったけど、一応ある。

これは、うわぁっとなる景色。

かなり広い浴室というか空間で、シャワーもある。

半露天風呂とあるけど、屋根があるだけで、ほぼ露天風呂。いや、でもこの屋根があるのがすごくいい、半露天風呂。

川の流れる音が間近に聞こえる。

3人はゆったり入れるほどの大きな桶。薄い貝汁のような薄濁り。

貸切檜風呂と同じ2号泉で、山清水で20%加水してある。この時は41.5度超えで、私としては熱めだったけど、露天だし適温。

金属みたいなもので縁をコーティングしてあるのかな。析出物で元の素材が分からない。

木の効果なのか少し泡付きがあり、ふわつるの肌触り。塩化物泉らしいじっとりねっとり感もある。

黒川温泉、他にもいくつか行きたいお宿があるけど、なんだかんだまた山河に来てしまいそうな予感がしてならない。

 

黒川温泉 旅館山河
★★★★
2023.10 宿泊

♨︎ ♨︎ ♨︎ ♨︎ ♨︎

黒川温泉の温泉街から車で5分程離れた静かな雑木林の中にひっそりと佇む旅館 山河。昭和52年創業で『日本秘湯を守る会』の会員。

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3,000坪もの敷地内に露天風呂、内風呂、貸切風呂など7つのお風呂がある。

混浴露天風呂「もやいの湯」と女性専用露天風呂「四季の湯」は、夜22時半まで、朝は7時からの利用時間。

浅瀬の多い広い露天風呂。画像はHPから。

薬師の湯という硫黄泉と、美肌の湯の2本の源泉を持ってる。

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露天風呂は、源泉温度73度のナトリウム-塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩泉。金気臭のする薄濁りの源泉かけ流しで、熱かった。

男女別大浴場の「薬師の湯」が内風呂。利用時間は夜24時まで、朝は6時から。

男湯が岩風呂で女湯が檜風呂。

薄暗い湯治場のような雰囲気のほんのり硫黄の香る浴室。2本の源泉の混合泉。

単純硫黄泉は掘削自噴泉。pH 6.1の中性で源泉温度が49度。茶褐色の湯の花が舞ってる。内風呂も残念ながら、熱め。

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貸切風呂は3つあり、大浴場と同じ利用時間なのが、桧風呂と切石風呂。予約不要で開いていれば利用できるけど、フロントで鍵をもらっていかなきゃいけない。

檜風呂と六尺桶風呂は、美肌の湯の方のナトリウム-塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩泉。いや、硫黄泉も美肌の湯だけど。

切石風呂は大浴場と同じ混合泉。

夜22時までで、朝は7時半からと利用時間が短めなのが六尺桶風呂。これは半露天風呂。

貸切風呂は利用しなかったので、画像はHPから。

結局、部屋の内風呂(切石風呂)が、混合泉に20%湧き水を入れた適温。このお風呂かなり気持ちよかった。切石風呂付きの部屋でよかったー。他はちょっと熱過ぎたので。

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食事はコスパが良すぎるほど、食材もよく絶品な宿だった。

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寒い黒川温泉 冬の間実施されている『湯あかり』。竹の灯かりが川端通りを彩り幻想的。

 

黒川温泉 旅館山河
★★★★
(1号泉)
単純硫黄泉
49.3度
pH 6.11
120ℓ/分
(2号泉)
ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩泉
73.1度
pH 6.5
180ℓ/分
貸切風呂3と内湯(男1女1)露天風呂(混浴1女1)
加水加温循環消毒なし
2017.1.8 宿泊

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