日本三古湯で、日本三名泉で、枕草子三名泉で、日本三大薬湯の有馬温泉。こうしてみると、圧倒的な強さの温泉地なんだなと改めて思う。
有馬温泉は新神戸駅からバスでも、地下鉄と神戸電鉄を乗り継いでも30分ほどの神戸の奥座敷。
温泉街の賑わいからは少し離れた亀の井ホテル 有馬は、有馬温泉駅から歩いて20分弱の高台にある。車だと5分ほどで送迎してくれる。
元々はかんぽの宿で、2022年7月にリブランド。平城宮温泉 亀の井ホテル 奈良(奈良)-温泉手帖♨︎ も同じタイミング。
今年、3ヶ月間の改装工事を経て8月1日にリニューアルオープンしたばかり。金泉をモチーフにした金色と錆の色味がいい感じ。
大浴場は4階にあり、利用時間は夜24時まで。朝は5時から9時まで。
大浴場も湯上り処も2025年8月にリニューアルしたばかりで、しっとり落ち着いた雰囲気に仕上がってる。
16時までは日帰りの人もいるからか、夕方の混雑がすごくて、入るのやめたくらい。
脱衣所は鍵付きロッカー。アメニティが男性用化粧水と乳液で、え?と思ったのだけど、部屋に置いてあるのも同じものだった。男性用だけど、男女併用なの?
ものすごく広い浴室に大きな内風呂がひとつ。余白がすごい。左の窓際に細長い湯船。
洗い場は3面にわたり、シャワーは15個。
洗い場の空間自体はめちゃくちゃ広いけど、シャワーの隣とのスペースは決して広くも狭くもなく、きっちり並んでる。
湯船は人がたくさん入っていても気にならなさそうな、十分な大きさ。
敷地内から湧出する源泉は、赤褐色というより黄土色に見える濃い濁り湯。
この金泉は愛宕山泉源という自家源泉。さすがかんぽの宿。
pH 6.1の中性で、含鉄-ナトリウム-塩化物強塩温泉。塩化物イオンが30,000mgを超え、成分総計は53,200mgと、有馬温泉 陶泉 御所坊(兵庫)-温泉手帖♨︎ の37,700mgをはるかに上回る濃さ。溶存物質が多いほど薬効成分が体内に吸収されやすい。
御所坊は加水なしで肌がチリチリだけど、こちらは加水してるので、チリチリはほぼない。
加水しながら注がれる源泉は湯口で49.5度。湯船は41.5度弱だった。あまりにも濃い源泉だし、96度と高温で、湧出量も毎分58ℓとそれほど多いわけではないので、全然加水アリだと思う。
濃い濁りで、オレンジ色の湯の花が大量に舞ってる。
肌に手をあてると、きゅうっと引っ付き離れないような、濃い塩のねっとりした湯感触。塩分の殺菌力で傷や皮膚病に効く。殺菌作用の強いメタホウ酸も388mgとかなり多く含まれてる。
大きな湯船だけど、濁りが強いので、湯口が1箇所だけなのかとか分からない。脱衣所側はほんの少しだけぬるめ。排湯口へしっかりかけ流されてた。
今回のリニューアルで新設された源泉かけ流しの金泉を部屋で味わえる金泉半露天風呂付のプレミアム和洋室。
有馬温泉 陶泉 御所坊(兵庫)-温泉手帖♨︎ にも温泉付きあるけど、ちょっと手が出ないお値段の部屋。
なので余計、あの金泉が部屋で入れる感動は大きい。あ、でも、この部屋風呂があるのにバスタオルが1枚って‥それはないよな。残念だった。
出来たばかりの浴室の清潔さもたまらない。やっぱり清潔なのがいい。
当たり前だけど、大浴場ほど赤茶けてなく、ほんとに金色。縁からさらさらと溢れる金泉。なんと贅沢な。
湯口で43度なので、加水した源泉。濃い出汁の効いた塩味で、金気臭というより磯の香りのよう。
湯口のそばだと最初ふわっと感もあるけど、きゅっきゅときしむ肌触り。遊離二酸化炭素が565mgも含まれているので、ふわっとするのかな。
メタケイ酸も300mgと多く、保湿効果も高い。なにより、塩分で保温効果が絶大。湯上がりの肌はねっとりきちきち。
湯口の金泉は、浴室入り口にある金泉スイッチで出し入れできる。真夏の43度は熱いので、カランの水で適度に埋めながら、ぬる湯の金泉を堪能できる。
窓を開けたら半露天風呂という設定だけど、まぁ内風呂のような。そして窓を開けてもまだなんの整備もされてない。自然とも違う、微妙な景色。
でも、ぬるい金泉のかけ流しはものすごい魅力。
有馬温泉 亀の井ホテル 有馬
★★★★
含鉄-ナトリウム-塩化物強塩温泉
96.6度
pH 6.14
58ℓ/分(掘削自噴)
内風呂(男1女1)
加水あり 加温循環消毒なし
2025.8 宿泊
コメント