山梨の湯村温泉を検索してると出てくる兵庫の湯村温泉。あ、出雲の湯村温泉も出てくるかな。
鳥取空港から車で50分ほどの兵庫県の湯村温泉は小説「夢千代日記」の舞台として知られる山峡の湯の里。兵庫県北西部、日本海側の山陰地方に位置し鳥取県に接する地域で、岸田川の支流、春来川のほとりに湧く温泉。
右奥に見えてる朝野家。賑わう温泉街から石段を登ったところに建つ宿。
朝野家は湯村温泉、温泉城(ゆのじょう)城主の末裔で、お城造りの外観。この角度からはそう見えないけど。
湯村温泉の開湯は嘉祥元年(848年)、およそ1170年前に慈覚大師によって発見されたと伝えられている古湯。
温泉街の中心にある元湯は「荒湯」と呼ばれ、地下数mから98度の源泉が毎分470ℓも湧出していて、実は日本一の高温と湯量を誇る温泉地。
源泉数は63ヵ所。その内50ヵ所は民家が所有してる。全体の湧出量は、川底や未確認の自然湧出量は含まず、毎分約2,300ℓ。湯村温泉街の全家庭に配湯され、500以上の家庭や公共施設のほとんどで温泉が利用できるのだそう。温泉料金の方が水道料金より安いという!(1tあたり水道230円、温泉160円)更に余った温泉は川に流れ込んでいるので、冬は側溝や川から湯気が立ち上ぼってる。夏は暑そうだなぁ。
20数軒の宿があり、どの宿の前にも大勢の宿の人が立ち、駐車場の案内やチェックインなど、すごい賑やか。ここまでのは久しぶり。
大浴場は地下2階にあり、エレベーターは地下1階まで。
石橋を渡り鳥居をくぐり、その先の階段で階下へ。
常に宿の人がいて人数把握してる。時間限定だけど、グリーンティーや黒豆茶のサービスもあり。
利用時間は夜24時まで。朝は5時半から9時半まで。翌朝は男女入れ替え。
3ブロックに分かれた棚に、少し間引き気味に脱衣籠。
1度目は気づかなかったけど、有り難いことにフェイスタオルは備え付け。しかもなくなってることはなく、きちんと補充されてる。というのも、ちょいちょい清掃や整頓におばちゃんが入ってくる。
浴室は、右手の壁際にシャワーがずらりと10個。奥の2つには仕切りあり。
内風呂は細長い大きめの湯船で、
上は繋がってるけど、仕切りのある小さめの湯船が奥にある。仕切りの下側にも穴が開いていて、湯が行き来してる。湯温の違う湯船にしてるのだろうけど、この日はどちらも41.5度。
内風呂はかけ流しと循環の併用で、側面の穴から湯が投入されてる。高温が出ますと注意書きのある辺りは、42度超えで熱い。
結構深さがあって、お尻をつけると顔を下向きにして、鼻まで沈めないと、襟足が濡れそうなくらい。内風呂は消毒臭が気になる。
露天風呂は豪快で広い。
飲泉用の源泉と、源泉が熱すぎるから、隣に冷たい水も並んでる。柄杓使うわけにいかないし、熱すぎて手で受けられないから、なかなか飲めない。
7mもの高さから落ちてくる滝や打たせ湯は、熱くない。
左端の部分からあっついお湯が出ていて、打たせ湯の辺りは45度超え。熱くて打たせ湯してられないほど。
うんと離れた辺りで41.5度弱。側面からも源泉が投入されていて、滝側の方が少しぬるめだったり、場所によって湯温が違う。ぬるいところを求めて。露天風呂も、襟足濡れないように気をつけながら、ゆっくり座らないと心配な深さ。消毒臭は少しゆるい気がする。
露天風呂の向こうに、階段の付いた小さな湯船と、右奥に地熱洞。階段を登っていくと、目の前に茅葺き屋根があるので、屋根の上にあがろうとしているような錯覚になる。
ざばざばかけ流されてる。
2人サイズの湯船。これ、樹齢1200年の檜風呂。
横から見るとすごい。これをちゃんと眺めてから、大きな檜なんだなと思って入るのと入らないのは全然有り難みが違う。
ぬるくて気持ちいい。湯口からは41度の源泉が注がれていて、湯船は完全かけ流しの40度。ふわりとした湯感触で、アルカリのぬるつる感はそれほどでもない。pH 7.5の弱アルカリ性。
泉質はナトリウム-炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩泉だけど、重曹泉のぬるぬる感よりも、いかにも硫酸塩泉っぽいじっとり肌に馴染むような肌触り。
重曹泉は余分な角質を溶かし、塩化物泉は保温効果、硫酸塩泉は肌に水分を浸透させる美肌効果のある泉質。
朝野家は湯村で一番多い5つの自家源泉を持っていて、毎分430ℓも98.4度の高温泉が自然湧出していると書いてあった。温泉分析書には掘削のポンプ揚水とあるので違和感があったのだけど、多分自然湧出なんだろうな。
宙に浮いてるみたいな高さにあり、目の前ではざばざばと滝の音がしてるのに、首の辺りにそよそよと湯口からの水流が当たり、ゆったりして気持ちいい。
あ、見上げるとお城っぽい。
横の階段を降りたところには、天然低温サウナ「夢千代洞」。夢千夜日記の作者が命名。
98度の源泉を利用した自然の地熱サウナで、室内は60度前後。低温なので長く入り温泉成分を取り込めるそう。
館内のすべての熱エネルギーを、温泉の熱交換で得たエネルギーでまかなってる。
サウナは入らないので屋外に戻り、またあの小さな気持ちのいい湯船へ。
翌朝は男女入れ替え。
広い脱衣所の棚はこんな感じの造り。籠は間引いてある。
衝立の奥に洗面台、化粧水などのアメニティも揃ってる。
入り口入ってすぐのところにシャワーがひとつ。
細長い湯船があり、左側にシャワーが4つ、その先のガラス戸の向こうに露天風呂。
右側も壁際に6つのシャワー。奥だけ仕切りあり。
湯船の形は、露天風呂に近い部分は正方形に近い形で、
途中は細長く、奥はL字に曲がってる。奥のエリアが低温層の40度、真ん中が中温層の41度、露天側の広いところが高温層の42度と説明がある。もちろん季節により変化あり。
低温と中温は仕切りがあるけど、上部と下の穴から湯の行き来がある。低温は40.5度弱、中温は41.5度だった。
中温層と高温層にはそれぞれ湯口があり、熱い源泉が注がれてる。
源泉は水を混ぜないように、4つのタンクで徐々に温度を下げて利用してると記載があるけど、加水ありとの掲示もある。最初にお湯を溜める時だけ水を入れるのかな。
高温エリアはかなり深くて、腿の真ん中辺りまでの深さだったような。今朝の湯温は熱すぎず41度だった。ちょうど湯守さんがチェックに入ってたところに突入してしまったので、もしかしたら調節が道半ばだったのかも。
昨日の大浴場の内風呂は、外へかけ流されてなかった気がしたけど、こちらは縁から溢れ出てる。循環と放流かけ流しの併用。
屋外へは、少し階段で降りていく。
すぐ目の前にあるのが、小さな檜風呂。
ざばざば溢れ出るお湯を見て、これこれと階段を上がる。
今朝の湯温は41度。外は寒いので一般的には適温。源泉を加水しながら注いでるのかな。
あぁ、やっぱりここが気持ちいい。
この宿の大浴場に対する管理の徹底を思うと、きっと朝の5時半にはきっちりぴかぴかで始まってそうだから、朝の3時間くらいの間に落ちてきたであろう木の実(どんぐり?)や落ち葉がお湯の中に入ってる。
見上げてみると、露天風呂だけど完全に木の屋根で覆われてる。木の実も落ちてくるよ。
このかけ流しの湯船にゆったり浸かって、湯煙眺めてるの、いい時間だなぁ。
向こうに大きな露天風呂。
これ打たせ湯⁉︎
こちらの湯船は43度超えてて熱かった。
向かいの茅葺き屋根の建物に低温サウナ。
のぞいただけだけど、ゆったり広い。
そうそう、今朝はちゃんと紙コップを持って来ましたよ。飲泉しようと思って。水は混ぜたくないので、源泉だけ入れて少し冷ましてから。
飲泉では、慢性消化器病、慢性便秘、痛風や肥満症に効果がある。
大浴場の上を見上げると、あ、お城。
大浴場だけでなく、すべての部屋のお風呂や洗面の蛇口から温泉が出る。さすが日本一の高温と湯量を誇る湯村温泉。
ベランダに信楽焼の露天風呂。
ざばざば注がれ、
縁から溢れる源泉かけ流し。
水と源泉の蛇口があり、加水しながら湯温の調整をしてある。試しに水を止めてみたら、源泉は67.5度だった。
高温過ぎる源泉の扱いも難しそう。あわら温泉つるや(石川)- 温泉手帖♨︎も78度の自家源泉で、30度分の熱カロリーを省エネ熱交換システムで給湯と空調に利用し、50度前後に強制的に下げて、かけ流しを実現してたけど、さらに20度も高いんだもんな。
ちょうど『ウラマヨ!』の撮影してて、ライトアップの橋歩いてたら映ってた。このゲスト、湯村温泉観光協会の会長で朝野家の社長。
湯村温泉 朝野家
★★★
ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩泉
98.4度
pH 7.52
463ℓ/分
内風呂(男1女1)露天風呂(男2女2)
加温なし 加水循環消毒あり※檜風呂は循環なし
2022.11 宿泊
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