箱根湯本温泉 ままね湯 ますとみ旅館(神奈川)

創業大正14年。箱根湯本の温泉発祥地、湯場にある老舗旅館、ますとみ旅館。

早川に架かる旭橋の袂に位置する。

明治後期に、塔ノ沢駅前で弁天様をお守りしながら始めた小さな甘味屋さん。初代増次さんと女将の富美さんの名前から一字づつもらい、箱根湯本にて源泉を持つ温泉旅館「増富旅館」を始めたのだそう。

お風呂は3箇所で、地階の男女別の内風呂と、1階の男女入れ替え制の露天風呂付き内風呂に、4階の有料の貸切露天風呂。

まずは地下1階の男女別の内風呂に。

翌朝9時半まで一晩中入ることができ、途中何時か忘れたけど、男女入れ替えがある。

左側の「ままね湯」から。自家源泉の名前の付いた浴場。

“まま”とは田んぼのあぜ道のように盛り上がった土手の方言で、“ままね”とはままの根っこのこと。つまり土手の下の岩盤の奥深くから湧き出す様子から“ままね湯”と先代が名付けたという、ますとみの自家源泉。

脱衣籠は3つだけ。こじんまりした脱衣所。フェイスタオルは備え付けてある。

少し薄暗い浴室にシャワーが2つ。

小さめの湯船には、浴室の床と同様丸い小さめのタイルが敷き詰められてる。

縁からさらさらとかけ流し。

湯船は42度ちょいの熱め。奥のこちらではなく、段差の下の穴から46度の熱い源泉が注がれてたと思う。

源泉は宿から200m離れたところにある茶の花温泉(湯本第48号泉)。源泉温度は54度で、pH 9.2のアルカリ性単純温泉。とろりとしたお湯。

豊富な湯量とあるけど、昭和61年の分析書で、掘削深度380mの毎分35ℓの湧出量とあった。

もう一方、右側の「茶の花湯」。そっか、こちらが本当の源泉名なのか。どちらも同じ自家源泉のこと。

こちらの脱衣所の方が広い。

湯船も広め。

シャワーが3つ。

洗い場に縁から溢れた湯が流れ出てる。

湯船の外側にかめがあり、そこから溢れた湯が石の合間を通り、湯船に注がれてる。縁の切れ目は濃いグレーに染まってる。

かめには白い析出物がお砂糖や塩みたいにまぶれついてる。

かめの底のパイプが46.5度弱で、朝の湯船は41.5度ちょいだった。少ししか浸かってないのに汗が吹き出る。ものすごい発汗作用がある。

独自の源泉5本を持つってどういうことだろう。あと、やけど痕はきれいに元に戻るってすごい言い切り‥。自家源泉に自信があるのが伝わる。

1階にある「妙寿宝泉」「八角露天風呂」は浴場としてはひとつだけで、時間によって男女入れ替え。

チェックインから22時までが女湯で、翌朝6時から9時半が男湯となる。あ、もう一方の内風呂の狭い方とセットなのかも。

右手の洗い場にシャワーが3つ。

左側に内風呂。窓が大きくとられていて、地下の内風呂とうってかわり、明るく清々しい浴室。

ほんの少し縁から溢れてるのかな。人が入ると溢れる。

地下の茶の花湯と同じで、湯船の外側にかめがあり、そこから溢れた湯が湯船に流れ込むしくみ。

熱い湯を冷ますためなのかな。元からそうだったみたいなハーフ&ハーフの白×黒。かめの中は46度、湯船は41度割れ。

ぬるきゅるな肌触り。湯底に投入口があるし、循環併用なのかなと思ったけど、循環なしのかけ流しと掲示があるので、そうなのかな。

浴室に入ってみるまで、よく説明が分からなかった八角露天風呂は、妙寿宝泉という内風呂の浴場に併設した露天風呂だった。

窓からはなんと今まで見えなかった、箱根湯本温泉 萬翠楼 福住(神奈川)-温泉手帖♨︎ の近代建築が目の前に。

同じ敷地みたいに隣接してた。

瓦みたいな湯口は41度ほど。湯船も41度。湯船の底の穴から42度超えのお湯も投入されていて、別の穴に湯が吸い込まれていく。縁から湯が溢れないので、ぱっと見、循環としか思えない造りだけど、100%源泉かけ流しですと言い切ってくれるから、まぁそうなのか。

4階の屋上露天風呂「蒼天の湯」は予約制の有料貸切風呂。案内もされなかったな。

1部屋だけ温泉付きの部屋がある。帳場隣の「櫻」。

狭い部屋なんだけど、わざわざエアコン付きの小さな脱衣場があり、扉の向こうに浴室。部屋からも直接出入りできる。

シャワーもあり、小さめの湯船は1人でゆったりサイズ。

わ、縁の側面が桜!入ったときは気づかなかった。

ロールカーテンが閉まっていたので、気にしなかったけど、窓や網戸のない露天風呂。虫が嫌なので開けてないけど、翌朝、萬翠楼が見えるのかなと覗いたら、

櫻風呂の看板。以前は露天風呂とか、貸切風呂だったのかも。位置的にも八角露天風呂の隣。

湯船は41度。1階の大浴場と一緒で、縁から溢れてなくて、湯船の中にも湯の出入りがあるけど、部屋の掲示も循環なし。よく分からないけど、湯船の中から直接排湯してたりするってことかな。

ちょっと、はて、と思う部分もあるけど、健康的な食事も心地よく、また行きたいと思えるお宿だった。

 

箱根湯本温泉 ままね湯 ますとみ旅館
★★★
アルカリ性単純温泉
54.1度
pH 9.2
内風呂2(男女入れ替え)露天風呂付き浴場1 貸切風呂1(有料)
加水加温循環なし 消毒あり
2024.6 宿泊

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