阿寒湖南岸の阿寒湖温泉街から東に6km、車で10分弱ほど離れた手つかずの自然が残る豊かな森。釧路空港からは真っ直ぐ北上し1時間弱。
2015年にオープンしたラビスタ阿寒川。
目の前を流れる阿寒川の源は2kmさかのぼったところにある阿寒湖。
阿寒湖温泉は明治34年の開湯でこの地方では最も古い。当初はアイヌの人々の利用が多く、明治41年に小さな簡易宿泊所が開業、4年後には旅館が建ち温泉街ができ、現在は約30軒ほどの宿がある。
14本の源泉があり、毎分約3800ℓものお湯が湧出する道東きっての温泉地。ラビスタ阿寒川も阿寒湖温泉に含まれるのかは謎。雄阿寒温泉になるのかな。
大浴場「河神の湯」は地下1階。
なんと翌朝11時まで一晩中利用できる。深夜の3時から30分だけ清掃時間で、男女入れ替えはなし。
朝は北海道限定カツゲンのサービス。なくなったら終わりなんだろうなと思ってたら、11時前にしっかり補充されていて、心の中で拍手した。夜は見なかったけど、アイス。
木のロッカーがお洒落な脱衣所。ゆったり広々。浴室に入るとまずかけ湯の壺。
内風呂と露天風呂があり、大きなガラス窓から外の景色が望める。
洗い場は仕切りがありシャワーが9個。
内風呂の奥にあるのは打たせ湯かな。
河の神様が与えてくれた温泉は、敷地内の川の畔に湧き出る自家源泉のかけ流し。
アイヌの人たちは様々な物に神が宿っていると信じていて、阿寒に住んでいた人たちは温泉の神様を「セセッカコロカムイ」と呼び、湯治を始める前には「セセッカコロカムイ、エンキプヌイケシ(温泉の神様、私を助けてください)」と声を掛けていたそう。
大きな内風呂は41.8度くらいだったような。源泉温度は53.9度で加水はあり。pH 6.3の中性の単純温泉。鉄分を含んでるけど、金気臭よりは沼のような匂い。薄濁りで淡い琥珀色。森の養分が溶け込んだ腐植質のモール泉なのかな。
川の畔のあちこちで温泉が自噴していて、宿の使用分は毎分450ℓとどこかに書いてあったけど使いきれない温泉は川へ注がれてる。温泉分析書の湧出量は毎分230ℓ。
内風呂と露天風呂との間に水風呂とサウナ。窓からの眺めが森。いい季節だなと思うけど、どの季節も綺麗なんだろうな。
露天風呂は石に囲まれた大きな湯船と、小さな樽風呂がひとつ。
出入り口に向かって溢れた湯がざばざば流れてくる。
湯船は2つに区切られているけど、浅瀬で湯の行き来はある。貝汁みたいな薄濁りで少し見えにくいけど、段差になってるので気をつけて。
左側に湯口があるので、湯温に差をつけてるんだろうなと思うけど、
湯口で46度、湯船は41.5度。
川側の湯船は41.8度と、予想外に川側の方が熱め。奥の方の湯船の中にも湯口があった。
ぽつんと樽風呂。大浴場、いつ来ても独泉だったので、ここにも気兼ねなく入れた。
ざばざば溢れてて新鮮そうで気持ちいいけど、さすがに小さい湯船なので42度と熱い。寒くなると良さそう。
すぐ目の前を阿寒川が流れ、森の中にいる感がすごい。
畔のあちこちで温泉が自噴してて、湯気が上がるのが見える。
大浴場の隣に予約不要の貸切風呂もある。
こちらも翌朝11時まで一晩中。夜中の3時半から30分だけ清掃点検時間。
ボードがあり、利用中に灯りがつくしくみ。空いてたらいつでも無料で利用できる。
タオルは持参だけど、足拭きマットは置いてある。すごくいい。
それぞれの入り口にも湯浴中の灯りがつく。
3つの貸切風呂はそれぞれ異なる湯船。まずは「月の湯」から。
1箇所だけ入るならここ。檜風呂なので優先順位一位。
洗面台もある脱衣場。中から鍵をかけて使用する。
シャワーはあるけど石鹸類はなし。川に直接流れるようになってるので。3つともそう。
いわゆる檜風呂っていうより、なんていうんだろ、木桶みたいな湯船。一人で入るには申し訳ないほどのサイズで深さもあり、たっぷりのお湯がかけ流しで。
湯口は46度弱で湯船は39度。
沼のような匂いで、ふわつるの肌触り。
ガラス戸を開けると半露天風呂みたいになるのだと思うけど、私の力では開けられなかった。
真ん中の「風の湯」は陶器風呂。
こちらは見ただけ。湯口は木かな。単純温泉と言うのも憚られるような析出物が付いてる。
3つ目はレンガ造りの「星の湯」。
ここだけ、湯船が床より低いタイプ。
煉瓦の縁からさらさらかけ流し。
湯口も煉瓦。朝の湯口は45度で、湯船は41.5度弱だった。
湯口に溜まった湯の花がオレンジがかった茶色で、鉄分を認識する。
どのお風呂からも森と川が見える。居心地のいいホテル。
全64室もあるのに大浴場も混まない、貸切風呂も大体空いてる。これってどういうこと?と思ってたら、全室客室風呂付きだった。すごいな。
檜造りの湯船。空になってて、自分でお湯を張る。
洗面所に、温泉の神様セセッカコロカムイを呼べる“湯の呼び鈴”湯張りボタンがあり、10分間源泉が出る。
湯口で44.5度、湯船には42.5度ほどのお湯が溜まる。
浴室内には、2分間源泉が出る“湯の呼び鈴”足し湯ボタンがあり、何度でも呼び出すことができる。
栓を抜いて入れ直すことも可能だし、すごくよく出来た部屋風呂。
ふわりとした肌触りだけど、中性らしくじっとり肌に馴染む。湯船の匂いかもしれないけど、木のような森のような匂いがする。粒っとしたオレンジ色の湯の花が舞ってる。
人にもお勧めできるほど、源泉かけ流し感があまりにも強く、加水されてる感じがない。冬も加水してるのかな。
なんとレイトチェックアウトのプランで、12時まで滞在できた。コスパもすごくいい宿。
雄阿寒温泉 ラビスタ阿寒川
★★★
単純温泉
53.9度
pH 6.3
230ℓ/分 (自然湧出)
露天風呂付き大浴場2 貸切風呂3 客室風呂64
加温循環なし 加水消毒あり
2024.9 宿泊
コメント
あゆおんせん、こんばんは
いつも温泉の記事をすごーく楽しみにしています
あゆおんせんは、私の温泉の先生です
なので、あゆおんせんに教えてほしいのです
とてもよくあるタイプの、客室に温泉の風呂がついているやつで、源泉掛け流しでもなく循環風呂のタイプ(湯が減ったらじゃーっとでてくるやつ)の風呂は、お客がチェックアウトしたあと、毎回お湯をおとして入れ替えているのでしょうか
(あゆおんせんも、毎日換水しているところのことを書いてくださったりしていますよね)
前日に人が入り倒した湯に入るのってきしょくわるいなーと思っていて…
あゆおんせんは、その都度施設に確認されたりしておられますか?
あゆおんせん、教えてください!
とむ漫画さま。
ありがとうございます。
温泉への拘りがどこか似ていて、何か参考になることがあれば幸いです。
ご質問の客室風呂についてですが、
毎日完全換水し清掃していると思います。
少なくとも私が泊まった宿では。
そう信じてます。
もし、そこを疑ってしまうようなお宿であれば、予約前後に問い合わせしてみることをお勧めします。