日本三秘湯-温泉手帖♨︎のひとつ、谷地温泉。青森空港からレンタカーで50分ほど。真夏のぬる湯を求めて再訪。でもこの日は雨で、8月なのに気温20度の涼しい日でかなり残念。
食堂を改装中で、食事は別の部屋だった。日帰り入浴の時間は16時までと前回より短くなってる。お風呂で一緒になったおばあちゃんが、昔は21時までだったって話してた。
宿泊者は翌朝の9時まで、一晩中入ることができる。9時から10時までが掃除。
とにかく空いていて。最初は雨のせいかと思ったけど、これ。登山客がいないので、日帰りも宿泊もものすごい空いてる。日帰りの時間でも独泉だったり、常連のおばあちゃんと2人とか。
前ってこんな館内図あったかな。大浴場の場所が分かりやすい。こちらが浴室横の廊下。帳場に近い手前側が男湯、奥の階段の手前が女湯。
男湯の下の湯が足元湧出。17時半から20時半まで男女入れ替えで、女性も入ることができる。
写真撮影禁止が強化されていて、朝の掃除の最中に撮らせてもらった。
手前が下の湯。2つの出入り口のうち1つが使用禁止に。打たせ湯は立ち入り禁止になってた。あと、上の湯と洗い場の間の衝立がなくなってた。
前回、入れ替えすぐの男湯に行くと、湯がへたっててがっかりだったので、今回は夜ごはんを済ませてから。
出入り口のところのあがり湯は、変わらずどばどばの34度。
飲泉できる板の下の源泉は37.3度。相変わらずぷくぷく湧き上がってた。湯船は36.3度。上の湯は湯口が43度で41度だった。
足元湧出有り難いけど、やっぱり縁から溢れ出ないのが視覚的に気持ちよくなくて。でも、こんなに透明なのは新鮮な源泉だからで、絶対新しいお湯に代わってるはず、どこ行ってんだろ。夕食後、19時頃から1時間以上ずっと独泉中考えてた。酸ヶ湯の熱湯に入ってるときも考えてるけど分からない。上の湯も縁から溢れ出ないタイプの湯船。溢れないお湯どこに行くんだろ。
どばどばばちばち音が響く。どばどばのかけ湯の音かな。使ってない打たせ湯のばちばち音も聞こえてくる。もしかして、湯船の中のどこからか排湯されたお湯が打たせ湯の方に流れ落ちてるのかな。なんか勝手に想像してそれで納得。
女湯は上の湯も下の湯も縁から溢れ出る。やっぱり気持ちいい。一度に3人出て行ってもあっという間に湯が縁から溢れ出す。
朝の時間、天窓から差し込む光で青みがかかって見えるお湯。めっちゃ濁り湯に見えるけど、体育座りした膝がくっきり見えるくらいの透明度。じっとりきゅうっとした肌触り。湯上がりは、肌のキメが細かくもっちりで、すべすべになる。
下の湯は日中は湯口で37.3度あり、湯船は35.5度だったけど、翌朝はぐっと下がり湯口で35度しかなくて湯船は34度。さすがに34度だと上の湯にも入りたくなる。
手前の上の湯は光の中入ると真っ白に見えるけど、透明感があり白い大小の湯の花が大量に舞ってる。
ぬる湯から来ると、あっつーと思うけど40度。こちらに入らないとならないほど、真夏なのに気温が低くて寒かった。毎年お彼岸過ぎると急に涼しくなるよと、地元のおばあちゃんが言ってた。次の夏はお彼岸前に来ないと。あれ、お彼岸って9月23日では?多分お盆のことだよね。お盆前に。
谷地温泉 湯治の宿 谷地温泉
★★★★★
2024.8 宿泊
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6年近く前に日帰り入浴した谷地温泉。ぜひとも泊まりたいと思っていて、やっと再訪が叶った。
前回は紅葉の時季だったので、黄色く色づいたブナ林が美しかったけど、夏の雨上がりの黄緑色もきらきらして綺麗。
開湯400年、江戸時代から湯治場として知られている谷地温泉。
以前は渋沢家の秘書が経営していた古牧グループの宿のひとつだった。そのもっと前は?と、気になるけど分からない。星野リゾートが買い取って再生した青森屋も同じ古牧グループ。
2004年に経営破綻、創業者の杉本家の親族が十和田・八甲田観光を設立し経営を引き継いだけど、2008年に谷地温泉と十和田湖グランドホテルの経営権は伊東園ホテルズへ。そこもまた経営悪化で2014年から休業。
2015年5月に南風見観光に譲渡され、6月より営業再開。
こんな素晴らしい源泉を味わえなくなるなんて、温泉界の損失。営業してくれて、ほんとに有難い。
日帰り入浴は10時から17時。
宿泊者は翌朝の9時まで、一晩中入ることができる。9時から10時までが掃除。
帳場の先の廊下の行き止まり、“ゆ”の暖簾を超え、
右手に行くと、まず男湯、その先に女湯が現れる。階段の向こうの東館に宿泊したので、お風呂が近くて嬉しい。
脱衣所には洗面台が2つ。自家発電なのでドライヤーは1つ。
ずらりと籠が並んでる。秋に来た時は紅葉シーズンだったのか、すごく混んでるイメージだったけど、それほどでもなく、日帰りの時間が終われば、独泉の時間も多かった。
ヒバの湯小屋。
がらりと戸を開けて、この光景を見ただけで満足してしまうほど趣のある浴室。
車を降りた瞬間から嗅いできた硫黄の匂いに、ぐわっと包まれる。
手前にあがり湯と洗い場。カランが4セット。お湯と水を調節して使う。もちろんシャワーはない。
でも、ボディソープもコンディショナーまであって驚いた。
一番奥にも同じように洗い場があり、そちらはカランが5セット。
以前は、この横に混浴の打たせ湯の出入り口があったような、なかったような。誰かが出入りするたびに女湯が丸見えになっちゃうから、気のせいかな。
あがり湯は、湯量の多い2本の源泉を利用していて、湯温は36度ほど。白い湯の花がわさわさ。
朝、窓から差し込む光がちょうどあがり湯にかかっていて、神秘だった。
薄暗くなりがちな山の秘湯の湯小屋だけど、天窓まであり、日中はなかなか明るい。
谷地温泉の源泉は4本。あがり湯の2本以外に、上の湯と下の湯があり、男女それぞれ2つずつ内風呂がある。
女湯は、手前に上の湯、奥が下の湯。
全く色が違う。
上の湯は無色透明で、底の木板がくっきり見える。
端の方には少しブルーがかって見える白い湯の花が溜まってる。
縁から滔々と湯が溢れ、かけ流されてる。
湯口は湯船の中の側面にあり、50度の熱い源泉が出てきてた。湯船は41.5度。
湯口やその真下には湯の花が多く溜まっていて、わさわさ舞いあがってる。
新鮮な源泉がそのまま空気に触れずに湯船に注がれているので、こんなに綺麗な透明なままなのかな。
上の湯の源泉は、谷地温泉2号泉。
脱衣所にある温泉分析書。源泉温度が38.2度なので下の湯かなと思いきや、上の湯なのだそう。加温してないとのことで、分析当時(平成27年6月)から10度近くも湯温が上昇したのかしら。
pH 5.22の弱酸性で単純温泉。あんなにしっかりした匂いと湯の花舞うザ硫黄泉なのに。硫黄泉の基準値2mgのところ、1.94mgだから、もうほぼ硫化水素型の硫黄泉。
一方、下の湯は乳白色の濁り湯。上の湯同様、対角の2箇所に手摺りのある足場がある。
常連らしき日帰り入浴のおばあさんが、1時間以上ここに座って半身浴しながら寝てたので、ぬる湯の出入り口は実質1箇所だけだったけど、特に困らず。
こちらは外に湯口がある。すらっと美しい立ち姿の塩ビ管から、無色透明の源泉が細長く注がれてる。
湯口で37.4度。湯船は37度ちょい。超絶気持ちいい。真夏なのに20度ないような涼しい山の中なので、夜とかは寒いほどかな。
一旦湯桶に落ちてから、湯船へと流れ込んでいく。湯桶の中は湯の花で真っ白。
時折、固まった湯の花が湯面を流れていく。
柄杓も置いてあり、飲泉可能。
硫黄泉は殺菌効果が高い皮膚病の湯。飲用だと糖尿病や高コレステロール血症に効く生活習慣病の湯。
もってりとしたまとわりつくような口当たりの硫黄泉。香ばしい香りは食欲を誘うけど、ほんのり苦味があり、甘くて美味しいやつではない。
夜や朝は、日帰り入浴の時間帯とは違い、湯船がたっぷりのお湯で満たされてる。お湯も明らかに新鮮で綺麗。
濁っているけど、小さな湯の花がたくさん舞ってるわけではなく、透明感さえ感じるようなお湯。
縁からどんどん溢れ出てかけ流されているので、
木の縁には白い細かい湯の花が溜まっていて、誰かの足跡が残ってる。
結構深さがあって、お尻つけたら襟足濡れるかもとドキドキする。顎くらいまであるので、しっかり背筋伸ばしてないと濡れそうで、ちょっと緊張感もってなきゃいけないのがつらい。
翌朝、この後髪の毛洗うぞって時の湯浴みは最高だった。濡れても気にならないので、縁に頭をのせてだらりと湯を堪能。
少しふわりとし、じっとり馴染むような肌触り。掌でなぞると肌にきゅうっと吸い付く。
たっぷりのお湯で満たされた湯船に身体を沈め、心地よいぬる湯を静かにいつまでも味わう。
天井から落ちてくる水滴がつくる波紋が広がっては消えていくのをぼんやり眺める至福の時。
もう、この女湯に一晩中入れるだけで、大満足なんだけど、17時半から20時半まで男女入替となり、足元湧出の男湯が女性宿泊客専用になる。同じその時間に夕食もある。考えて、夕食を19時にし、夕食前と後に2回入ることに。
こちら男湯の浴室は、手前に下の湯、奥が上の湯。入ってすぐのところに34度のどばどばのあがり湯があり、
その横に降りていく階段があり、脱衣所の下のスペースに打たせ湯がある。
足元湧出の下の湯に入りに来たわけで、打たせ湯などしてる時間はない。
下の湯は、女湯と比べて明らかに濁りがゆるい。出入り口の足場がはっきり見えてるし、底の簀子もぼんやり見えるほどの透明度。
奥の上の湯は、女湯よりも濁ってる。湯口が外にあり、47.5度の熱い源泉が出てた。湯船は42度ちょい。
最奥の壁際にある洗い場。カランは4セット。女湯の半分の数しかない。
洗い場から見た浴室全体。女湯にはふたつの湯船の間に衝立があるけど、こちらにはない。
お目当ての下の湯は、明らかに女湯と透明度が違う、新鮮な足元湧出泉。
だけど入ってみると、湯がくたっとしていて、虫や毛などが浮いていてがっくり。
縁から溢れ出る方式じゃないので、湯面を手ではらって流しても、どこから湯が逃げて、かけ流されてるのか分からない。
これどこから湧いてるんだろう。奥側だけがぼこぼこいってる。
湯温は36.5度割れくらいの気持ちいいぬる湯。
しかも、足元からぼこっぼこっと泡が上がってくる。ここらへんから出てるなぁってとこに足を置いていると、ぷくぷくと泡が肌に触れるのを感じる。
深さが女湯より、簀子の分なのか10cm弱くらい浅いので、一生懸命背筋を伸ばしてなくても、後ろ髪が濡れたり、口が沈んだりしない。
湯の汚れというか、くたっとした感じは置いといて、ほんとに同じ源泉なのって疑うくらい湯の感じが違う。
ふわふわの肌触り。なんと細かい泡がたくさん付く。
柄杓が置いてあるのだけど、こんなくったくたのお湯を飲むの?と驚愕。いや、あり得ん。人が入ってるとこじゃんと思い直し、見回してみるけど分からない。
あとでこの写真見れば、ここを開けたらいいんじゃん?ってすぐ気付くけど、夕方の薄暗い中で、これはなかなか分からない。
一枚の木の板をずらしてみると、水色にも見える透明な源泉。結構深さがあったと思う。周りの木は白くコーティングされてるけど、源泉は綺麗な透明。下からぷくぷくぷくぷくといくつも泡が上がってきてる。鳥肌たつような神秘的な光景。
夕食後にもう一度入りに。もう真っ暗で、この中も暗いけど、泡が上がってくる様子がよく分かる。
源泉の温度は37.4度。
温泉分析書にある源泉温度も37.4度。男湯の脱衣所に掲示されている谷地温泉1号泉が下の湯の源泉。湯船の真下から自然湧出してる無色透明の硫黄泉。pH 4.71の弱酸性。
硫黄泉は余分の皮脂を取り除き、シミの原因のメラニンの生成を抑えるので美白効果もある。
夕食後の下の湯は、かなり新鮮さが復活していて、気持ちよく入れた。
楽しみにしていた男湯の下の湯。夕食前と後に2回入ったけど、意外と入る女性少なく、独泉の時間も結構あった。充分満足。
確かにぷくぷく貴重な足元湧出。でも個人的には、女湯のこのミルキーなざばざばかけ流しのぬる湯が気持ちいい。
長い時間浸かり過ぎて、足裏がしわしわ。で、この通路に敷いてある滑り止め的なやつが、痛くて痛くて。指先はするするに。
また来年も来たい。
谷地温泉 湯治の宿 谷地温泉
★★★★★
♨︎ ♨︎ ♨︎
十和田市の八甲田山麓にある日本三秘湯の谷地温泉。開湯400年、山の中の一軒宿。青森空港から車で45分ほど。
日本三秘湯は、ここ谷地温泉と徳島の祖谷温泉、北海道のニセコ薬師温泉の3つ。祖谷温泉は超絶大好きな温泉。ニセコ薬師温泉旅館は2014年の5月に雪害で閉館してしまったけど、な、な、な、なんと、37度のぬる湯で足元湧出の含二酸化炭素泉だったみたい。
谷地温泉への分岐路。
古びた木造の建物は趣があり、周辺は高山植物が自生する谷地湿原。
38度の源泉『霊泉』下の湯と、42度の上の湯の2つの湯船。
〔下の湯〕は、足下から湧き出る38度の温めの温泉は霊泉と呼ばれる単純温泉。効能は神経痛・関節炎・疲労回復など。写真は宿HPより。
無色透明の湯らしいけど、女風呂の下の湯は、上の湯同様に乳白色に濁ってる。
一方、〔上の湯〕は硫黄の湯花で白濁した42度の温泉で熱湯と呼ばれ、泉質は単純硫黄泉。神経痛・不眠症・アトピー性皮膚炎・慢性疾患などに効く。
ぬる湯の〔下の湯〕に、じっと1時間。熱湯で温まりながら交互に入浴している年配の方が多い。やっぱりぬる湯に長湯はいいな。
男風呂の霊泉は足元湧出。宿泊すれば、19時から20時半が女性用に。入りたい。ぶくぶく感じたい。いつか泊まりたい。
飲泉でリウマチにも効果。硫黄臭はあまりきつくなく、少し甘い。飲み過ぎるとお腹こわすので、ひかえめに。
谷地温泉 湯治の宿 谷地温泉
★★★★★
[上の湯]
単純温泉
38.2度・・・実際は42度?
pH 5.22
[下の湯]
単純硫黄温泉
37.4度
pH 4.71
内湯(男2女2)
2016.10.16 日帰り入浴
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