青森県の奥座敷・南八甲田の中腹に、ブナの森に囲まれた一軒宿 蔦温泉旅館がある。
青森駅から車で1時間半。送迎もあり。日本秘湯を守る会。
平安時代にはすでに湯治小屋があったと記録されていて、「泉響の湯」は湯治棟専用の混浴風呂だった4m×8mという大浴場を男女別に改築したもの。
左手の湯桶が洗い場。シャンプーなども置いてある。でもこの浴室には、右手前だったか、シャワーもひとつだけある。
お風呂はいずれも源泉の上に湯船があり、ブナ材を使用した湯底の板から湧き出す足元湧出。空気に触れていない新鮮な生の湯。
熱く感じるけど、二度三度浸かるにつれやさしいお湯が実感できる、というけど熱い・・・。湯が掛け流されてる場所に座っているくらいで十分。すごい量が流れ出しているので。
井上靖氏が詠った「泉響颯颯」から名付けたという泉響の湯は、浴槽から梁までの高さが12mもあり、その空間に泉のせせらぎのような響きを奏でる開放的な湯殿。
ぽこっぽこっと湯船の底から湧いているのが分かるし、風情があってすごくいい。が、熱い。湯底から湧く源泉は45.4度と、熱め。
泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉。じっとりと肌に馴染むようなお湯。
天然の保湿成分メタケイ酸が178mgと多く含まれていて、湯上がりの肌はするする。
夜中に「久安の湯」へ。昔は旅館棟専用の混浴風呂だったため浴場はひとつで、男女入れ替え制。
夜の21時までが男湯で、21時半から翌朝の8時までが女湯。
薄暗く古びた雰囲気。
以前は、川魚が泳いでいたという水槽が壁に埋め込まれたまま。
湯口から出ていたのは、温度調節のための森の湧水だったのかな。
こちらも湯底のブナの板の下から湯が湧き出していて、木の縁から溢れ出ている。
夜中じゅう、惜しみなくかけ流されていく源泉。
泉質は泉響の湯とほとんど同じナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉。源泉温度は43.8度と若干低いので、入れるかなぁと思って来たけど湯量が多いのか、やはり熱い。長湯できないのが残念。
お目当の蔦沼へは、蔦温泉旅館の脇にある遊歩道から。紅葉の蔦沼を狙うなら、超いい宿。
まだ早かったけど、八甲田山ロープウェイはちょうど見頃。山頂はすでに寒い。
蔦温泉 蔦温泉旅館
★★★
〔泉響の湯〕
ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉
45.4度
pH 7.3?
〔久安の湯〕
ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉
43.8度
pH 6.9
内風呂(男1女1入れ替え1)
24時間入浴可
2016.10.15宿泊
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