温泉津温泉は1400年以前より湧出している温泉。各旅館には内湯がなく外湯が当たり前だった時代から、ほとんど変わらず外湯文化が残っている。外湯は2つ。
湯治の湯とは、効能の優れた治癒の実績のある温泉のことで、古来より「霊泉」「薬湯」などと呼ばれている。
元湯温泉は「命を延ぶる薬」と讃歌された「泉薬湯」。向かいにある直営旅館の湯治保養のお宿「長命館」を経営している。
この源泉はどこの旅館にも分湯されていない。長命館の宿泊者も元湯に入りに来る。
番台のお婆ちゃん。入浴料は370円。
昭和30年代の入浴料は地元の人が2円、外来者8円だった。湯を必要とする人たちの状況を鑑みて長い間低料金を据え置いていたそう。
脱衣所からはこんな感じに見える可愛い番台。
毎日来る地元の方たちの湯桶やシャンプーセットがこんなにたくさん。営業は6時から20時。日曜日の朝の6時半に訪れた時は女性客はいなかった。
浴場は、鉄が参加した淡茶褐色で覆われている。
自然湧出で、加水加温循環消毒を一切せず、自噴湧出量に見合った浴槽規模で運営している。源泉から浴槽までは2、3mと、足元湧出にも近い超新鮮な老化していないお湯。
浴槽は3つに区切られていて熱い湯・ぬるい湯・座り湯。
1番左端が熱い湯。
同じ源泉だけど色が違う。灰色っぽい濁り湯。まだ酸化が少ないから茶褐色になってないのか。
この浴槽だけ油膜が浮いてる。
湯温計は47度を超えてる。手をつける気にもなれなかった。ちゃんと試してみたらよかった。今さらながら残念。
真ん中がぬるい湯、といっても43度。
熱い。熱くて入れないかと思ってたけど、すんなり入れた。確かに熱いけど、ひりっとか、ちりりとかしない。熱さもさっきの薬師湯よりはマシ。湯船が熱いひとつだけじゃないって有り難い。
スキッとして、しっとりと肌に馴染む。
湯口は析出物で原型がわからないほど。鍾乳石のような堆積。
元湯源泉は薬師湯よりも熱い。緑がかっていて薬師湯と似ている。味も鉄味と塩味。
湯口の上に神様がいる。
60年ほど前に九州大学がこの泉質が原爆症に効くと学会で発表して以来、延べ7300人もの被爆者が湯治をしていたそう。
お湯は湯船からこぼれるように溢れ、湯船のへりには長年の堆積物が独特な色と形を形成し、長い歴史を感じる。
もちろんシャワーなどはなく水道があるのみ。飲用すると糖尿病、胃腸病、胸焼けなどに効果がある。
脱衣所には効能についての張り紙やちらしがある。湯治の湯なのだ。
リウマチ患者も随分多いみたい。
遊離二酸化炭素が含まれているけど、さすがに熱い湯なので、泡付きは分からなかった。メタケイ素も豊富で保湿効果あり。
薬師湯のあとに、はしご湯したので熱くてあまりゆっくりお湯を感じられなかった。でも、次回があるなら、薬師湯よりこちらの元湯泉薬湯に入るかな。
湯泉津温泉 元湯泉薬湯
★★★
ナトリウム・カルシウムー塩化物泉
49.6度
pH 6.8
57ℓ/分
内湯2(男女別)
加水加温循環消毒なし
2018.7.15日帰り入浴
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