山形の飯豊の山に、炭酸ガスにより吹き出す、日本で唯一の間欠泉露天風呂がある。
間欠泉とは熱水や水蒸気が一定周期で噴出する温泉のことをいい、日本全国にあるけど、この間欠泉 湯の華の源泉は33度と非常にぬるいので、間欠泉の湯を直接浴びながら入浴できる温泉としては日本唯一。
東京駅から2時間の米沢で、米坂線に乗り換え1時間の手ノ子駅で下車。
宿の送迎車で1時間の広河原温泉。半分は町道?林道?で、最後の8キロは細い砂利道をがったんごっとん。
関東で教師をされていた方が送迎してくれて、道々車を止めて、朴葉味噌の朴の木や、マタタビの葉、舞茸の取れる木、クロモジの枝など、いろんなことを教えてくれる。
やっとたどり着いた知る人ぞ知る秘境の野湯、間欠泉 湯の華。
430年程前の安土桃山時代に金採掘者がぬる湯を発見し、明治から昭和にかけて湯小屋が建てられ湯治に利用されていた。
2006年に現在の宿泊施設が建てられたが、それまでは、沢に沿ったぜんまい道を何時間も歩きやってくる野湯だった。
宿に入ると、沢に向かったテラスの網戸から気持ちいい風が吹いてる。部屋にもエアコンや扇風機はない、というか必要がない。夜は寒くなり窓を閉めて布団をかけて寝る。8月に!
来る途中の飯豊山にはまだ雪が残ってた。でも、手ノ子駅の待合室にはコクワガタのオスが歩いてた。
部屋の窓からは、ブナの原生林の大自然。沢の音が聞こえる。
間欠泉のある露天風呂は混浴で、男女別の内湯から外へ出る。
女性はバスタオルや湯浴みの着用可。
炭酸ガスが吹き出す間欠泉には、虻やメジロが寄ってくる。小型で目の周りが白い虻をメジロというらしい。間欠泉はメジロ天国。恐ろしい数のメジロや虻が寄ってくる。
虻に打ち勝つ人しか長湯できないため(てか、打ち勝てる人はいない)、この通り誰もいない時がある。8月が虻のピークらしい。今度来るのは新緑の6月にしよう。
ちなみに、露天風呂に行ったときに先に入っていたおじさんは、顔面に虻がとまっていて、もはやホラーだった。
黄土色の濁り湯。
露天風呂は34度前後。33度の源泉に、加温した源泉を加えるも、自噴する湯量にはかなわず生温いプール。これ、長湯できたら最高に気持ちいいけど、虻がね。
夜になるとぱたっといなくなるとの話だったけど、女性専用時間の20時に行くも、虻はまだいて、ちくっと触る感じが恐ろしくて、湯温測ってる間、バスタオル巻いたまま足付けてるのが限界。
内湯は39度弱のぬる湯だけど、窓を閉め切ってて(虫が入るから開けられない)浴室が暑く、直接日が当たり熱い。
湯口はこちらで
ここから排出、かけ流されてる。
内湯は沸かし湯だけど、源泉かけ流し。
寒い時期はもう少し湯量を増やしてるみたい。
湯船は茶褐色に、縁は緑に変色してる。
しっかりした重たい感じのお湯で、つるつるの湯感触。
湯底はざらざらでぬるり。こんなにも黄土色の湯なのに、鉄の匂いはあまりなくほんの少しの苦味。
夜の内湯は日が当たらなくなってるので、浴室の温度も下がってるし、湯量が絞られてるのか、湯温も38度割れ。露天風呂に入れなくてもこれで充分気持ちいい。ゆっくり長湯。
時折、ザーッという音が聞こえ、間欠泉が吹き出し始めるのを、ちょっと羨ましげに窓から眺める。窓には大量の蛾や虫がいるので開けられない。(夜は特に)
早朝は、湯面に油膜が。手に掬うと黄色みの強いオレンジの湯の花。
湯上りの肌はしっとりすっべすべ。
予想外の虻に「詰めが甘い!」と怒られたけど、私は内湯でも満足できた。
広河原温泉 間欠泉 湯の華
★★★★★
ナトリウム・カルシウムー炭酸水素塩・塩化物泉
33.1度
pH 6.8
内湯2(男女別) 露天風呂1(混浴)
加水循環消毒なし 加温あり
2018.8.4宿泊
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