八甲田山麓のブナ林に囲まれた谷底の一軒宿。
青森空港からレンタカーで1時間。黒石温泉郷のひとつ、ランプの宿として知られる鄙びた風情の秘湯へ。
開湯は昭和4年、秘境青荷渓谷の渓流沿いに本館と3棟の離れが散在する青荷温泉。
携帯が圏外なのは言うまでもなく、電気もなければコンセントもない。
到着した時にはもうランプの灯りがたくさんともってた。
玄関前には足湯。
お風呂は4つ。夜中じゅう入ることができる。
本館内湯、渓流沿いの混浴露天風呂に、別棟の「健六の湯」 と「滝見の湯」。
健六の湯は、玄関を出た目の前の建物。
1階に男女別の浴室があり、2階は客室。
清潔な脱衣所。朝お掃除のおばちゃんと鉢合わせたけど、窓枠まで拭く徹底したお掃除をされてた。
青森のヒバ材を使用していて、明かりはランプのみ。
大きな窓から心地いい風が入る。湯船もヒバ造り。こういう浴室と湯船がすき。
源泉温度47.3度の少し熱めの単純泉で、湯温は43.5度超え。熱いんだけど、ついつい入ってしまう。なめらかでとろりとした浴感。
全身浸かると、お湯が勢いよく湯船の外へかけ流されていく。
窓側に1箇所低くなった掛け流し口があるけど、辺全体から流れていく。
ヒバの上を流れるお湯がなんとも気持ちいい。
カランやシャワー、シャンプーはない。ボディーソープがひとつだけ。
あがり湯と書かれたここから湯桶で湯をすくって流す。
女性用には、小さな露天風呂とひとり用の釜風呂が、屋根付きの半露天にある。
釜風呂は、うまく入らないと重石で押さえている床板がぐらりとする。
この釜風呂から露天風呂へも湯が流れ落ちていく。41度ちょっとあり、露天風呂の中では1番熱め。
狭いし、なんか溝みたいで個人的には‥。
滝見の湯と混浴露天風呂は、本館の廊下の先の裏口から行く。
吊り橋を渡って右手へ。
まだ紫陽花がたくさん咲いてた。
渓流沿いの混浴露天風呂。
17時から1時間が女性専用の時間。18時15分前に宿に到着したので、ダッシュで向かった。
源泉温度43.5度、pH7.8の単純泉で湯温は39度ちょっと。
ゆっくり浸かれる。冬は寒そうだけど今はちょうどいい。
無味無臭無色透明の単純泉だけど、若干の香ばしさがある。肌に馴染むしっとりとした柔らかなお湯。
樽湯はちょっと熱かった。
夜のランプの灯りはあまりに薄暗いので、混浴でも意外に入れそう。
女性専用時間は2回で、もう1回はお昼の11時から1時間。
混浴露天風呂の先にある建物が滝見の湯。
小さめの湯船で、露天風呂付き。
湯船は石造り。
あがり湯の桶は、健六の湯より小さく湯船に近いので、こちらにもボディーソープひとつあるけど、なかなか洗いづらい。
夏限定の露天風呂はあまりに暗くて夜は出られなかった。
早朝の露天風呂。滝を見ながら。
40度くらいで、混浴露天風呂より温かいけど、野天風呂で外気にさらされているのでぬるく感じる。
新緑が綺麗だった。あまり虫とか気にならなかったけど、少し寒い。真夏なのに。
あまり長くは入れず、内湯で温まる。43度なのにじんわり温まって気持ちよく感じた。窓からも滝が見える。
源泉温度48.1度で本館内湯と同じ源泉。
本館内湯は、一階廊下の真ん中あたりに。
内湯の湯温も43度。こじんまりしたヒバ造りの風情ある浴場。あがり湯も小さい。
浸かれない熱さではないのだけど、上がるとじりじりじりと熱さが肌から出てくる。
湯上がりの肌はしっとりさらさら。
200個近くのランプが専用のランプ小屋で手入れされている。
玄関にある「青森ねぶた」はクレヨン作家さんの作品。
大広間での夕食もランプの灯りだけで。エアコンもないので、窓からの風だけ。
部屋にはランプがひとつ。
お布団は自分で敷いてシーツをかける。最近多いな、このパターン。
秘湯にはめずらしく、敷布団も掛け布団も柔らかくて清潔で気持ちいい。
酷暑の関東が幻だったかのような涼しさ。窓を開けていたら、お布団をかけていても寒くて、結局窓を閉め切って寝ることに。
渓流が真下にある部屋で、窓を閉めても川の流れの大きな音が聞こえる。
ランプは暗めの豆電球くらいの明るさ。
ほんのり焦げたような火の匂いを感じながら眠りにつく。
翌朝は、早朝と朝食後に温泉に入り、早めに出発。130キロ走って十二湖の青池へ。
小雨がぱらつく天気だったけど、ものすごく綺麗な青だった。
さらに80キロ南下し、帰りは大館能代空港から羽田へ。
★★★★★
43.5度
pH 7.8
内湯3(男女別)露天風呂4(混浴1、女2、男1)
加温加水循環消毒なし
2018.8.25宿泊
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