霧島連峰の南中腹、鹿児島県きっての霧島温泉郷、中でも中心的な丸尾温泉には10数軒の温泉施設があり、霧島温泉と呼ばれることもある。鹿児島空港から車で30分ほど。
文政2年(1819年)に発見され小さな湯治場として栄えていたのが、明治中期に別荘ブームで繁栄し、その後大正6年(1917年)に丸尾で初めて丸尾温泉旅館を始めたのが旅行人山荘のルーツ。
昭和43年に移転して霧島プリンスホテルとなり、平成9年には名称を旅行人山荘に変え現在創業103年目。
与謝野晶子、斉藤茂吉、野口雨情などの作品が残っている、老舗の旅館。
大浴場はロビー階から一つ降りた1階にあり、大隅の湯と錦江の湯の二つ。
2種類の源泉があり、露天のお湯が硫黄泉、内湯が単純泉。夜は12時までで、朝は5時から。男女入れ替え制で両方の大浴場に入れる。
運良く独泉だったので失礼して。夜の12時まで大隅の湯が女湯。
硫黄の匂いが漂う、やや暗めの大浴場。手前に浅い寝湯がある。
寝湯には奥の湯船から、少なめに湯が流れ込む仕組みでかなりぬるめ。40度ちょいくらいでゆっくり長湯できる。素晴らしい造り。
これが単純泉⁈って言いたくなるような、綺麗なブルーがかったお湯。充満する硫黄の匂い。
湯口の析出物からも硫黄泉としか思えない。真っ白の析出物に、白い湯葉のような湯の花がこびりついてる。
内湯の単純泉は、単純泉といっても成分が915mgもあるので、ほぼナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩泉、美肌の重曹泉。しかも、天然の保湿成分メタケイ素がめちゃくちゃたくさん入ってる。
こんなに硫黄感満載なのに硫黄泉には成分が満たないのか。深いわ。難しい。
糸みたいな長細いもの、大小多くの白い湯の花が大量に舞ってる。湯温は42度ちょっと。湯口から離れていれば熱くない。予想以上にぬるめの湯温で嬉しい。
もっと早く到着して寝湯でのんびりしたかったな。
さて、桜島を望む露天風呂。
夕暮れ時のこんな絶景を独り占めとか、なんか良いことでもしたかな。
一度、お湯から上がって、部屋からの夕焼けと外の足湯からの桜島を撮ってたら、めちゃくちゃ冷えてしまい、また暖まりに戻ってきた。
脱衣所は大混雑だったけど、ちょうどみんな上がったところだったみたい。
至福。
季節により、桜島の近くに日が沈むのだろうけど、太陽そのものより夕焼けの方が好み。
この露天風呂はちょっと熱め。42.5度くらいで、少し浸かっては外に出てを繰り返し。
湯口付近は44度はあり、湯の通り道は43度超え。
露天風呂は正真正銘の硫黄泉。きゅっと軋むっていうより、ねっとり吸着する感じ。
気候や日により湯の花の量や温度が変わり、乳白色から透明に近い日まであるみたいで、今日は内湯の方が濁りが強いほど。
湯の花は白い細かい粒。
大浴場の出入り口前から外へ出ることができ、飲泉所と足湯がある。
飲泉所は出てすぐのとこ。
単純泉の方の源泉を飲むことができる。
麦みたいな香ばしさで、クセが全くないのでごくごく飲める。胃腸に効く。
出て右手に足湯。
目の前に桜島と錦江湾。絶景。
朝の5時から今度は錦江の湯が女湯に。こちらも9時半過ぎに行ったら、独泉。
手前にぬるめの寝湯、奥にメインの湯船という、大隅の湯と同じ造り。
もしかしたら、入浴時間が10時までだから、湯量を絞ってたのか、朝だからなのかは分からないけど、いい感じのぬる湯だった。
寝湯は40度割れ。これ、ゆっくり入れたら最高だけど、そんな時間もない。
湯口側の湯船も41度ちょいくらいで気持ちいい。糸状の白い湯の花がたくさん。昨日の内湯より透明度が高い気がする。
硫黄の香りはしっかりするけど単純泉。湯感触は露天風呂に比べるとさらっとしてる。
露天風呂は雰囲気が全然違う。四角い湯船。
こちらの方が視界が開けてる。
桜島と雲海が綺麗に見えた。
42度くらいで、熱過ぎず入りやすい。昨日の露天風呂は、出たり入ったりしてなきゃ居られなかったけど、これだとまぁまぁ浸かっていられる。
硫黄泉は美白効果だけじゃなく、皮膚の殺菌効果もある。身体のここ治るかな、これも治るかな、と温泉頼み。
こんな大満足な大浴場があるのに、夜の12時から朝の5時までは入れないので(←旦那さんの入浴タイム)露天風呂付きの部屋に。
屋根付きの広いテラスに、石造りの露天風呂。
敷地内に鹿がいるのが見える。
もちろん桜島も見える。
源泉は単純泉の方。
それにしてもすごい湯の花。
湯船が小さいと湯の花の密度も濃い。集めて遊んだらしい。
調整したければ水を足せると説明があったけど、温泉を止めることも出来るので、薄めずに湯温を自由自在に調整できる。相当ぬる湯にして堪能したらしい。
貸切露天風呂が4つあり、宿泊者は45分間1箇所無料で予約できるのだけど「マイバスがあるから行かない」と断られた。
ので、ひとりで貸切風呂へ行く。
当日空いてたら、さらに別の貸切露天風呂も無料で利用できるらしいけど、空いてる感じはなかったな。
予約していた赤松の湯へ。1階の大浴場のところの出入り口から外履きに替えて外に出る。
左に飲泉所、右手に足湯。真っ直ぐに石畳を進んだ先が赤松の湯の入り口。
フロントで入浴札と足拭きマットをもらって入り口まで案内してもらう。
札を入り口にかけて、内側から鍵をかけてここからはひとりで奥に歩いて行く。
予想外の広さ。石段を降りた後、小径の先に小屋がある。
森の中にぽつんと小屋。明るい時間じゃないと心細いほど広い森。
小屋の入り口のドアが開いていて、向こうに青い湯船が見える。これはテンションあがる。
小屋には脱衣所と
シャワーもある。
赤松の湯と鹿の湯は硫黄泉、もみじの湯とひのきの湯は単純泉。
硫黄泉の2つの湯船。かなり広い露天風呂。
本当に赤松で、松の落ち葉が辺り一面に敷き詰められている。
ふさふさ、ふわふわの落ち葉。
手前の少し小さい湯船の方が熱くて43度前後。
奥の広い方が42度くらい。うまく温度調整しててすごいな。湯船を2つにする心意気に手を合わせたくなる。ありがたや。
大浴場の露天風呂と同じ源泉。
白い湯の花が大量に舞ってる。
消しカスや湯葉みたいな湯の花も。
排水口がまた可愛らしい。初めて見る。
朝日が樹々の間から差し込んできた。まさに木漏れ日。極楽露天風呂を独り占め。
新年早々いいお湯に出会えた。感謝。
丸尾温泉 旅行人山荘
★★★★★
単純温泉
62.4度
pH 6.8
単純硫黄温泉
81.6度
pH 5.5
露天風呂付き大浴場2 貸切風呂4
加水加温循環なし 消毒あり
2020.1.18 宿泊
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