鉄輪温泉の山荘 神和苑に再訪。別府湾と湯煙の町を見下ろす高台に建つ。別府駅から車で20分くらいで、送迎もある。
1964年に開業し、2016年に全面リニューアル。前回は全30室の宿だったけど、
その後、宙館がオープンし全50室に。チェックイン時や諸々にホスピタリティ感じないし、普通のちょっと大きなホテルみたいな雰囲気になってた。
大浴場は宙館の6階。本館、別館、離れで一台のエレベーター。部屋に温泉あるから、大浴場にはほとんど行かないだろう想定なのかな。実際ほとんど会わないので、問題ないのだけど。
エレベーターを降りてから少し中廊下を歩き、屋外に出てゆるめの坂を上ったら大浴場「鳳乃湯」。
利用時間は15時から23時まで、朝は7時から10時まで。
待合室のようなスペースがあり、それぞれの出入り口へ。男女の入れ替えはなし。
広い脱衣所でゆったりスペース。棚が一面なので混雑時にはどうなんだろ。チェックイン直後も翌朝も独泉だったから、気持ち良く使えた。混雑とは無縁なのかな。
タオルの設置はなくなっていて、部屋のを自分で持っていく。
浴室に入るとすぐ右手が洗い場。仕切りのあるタイプのシャワーが並んでる。洗い場と湯船の間に壁があり、飛沫も散らないし気兼ねなくていい造り。
なんじゃこりゃ!な、めちゃくちゃ綺麗な青い湯。すごい。改めてほんとに復活したんだ“神秘の青湯”。復活してたよとコメント頂いて、この目で見てみたかったので感激。
細長く大きな内風呂。
端っこに湯口があり、ガラス戸。その向こうも屋内で、もう一つ湯船がある。
こちらの奥の方がぬるくて、40.5度ちょい。湯口はどちらも84度だったと思う。
洗い場がある方の大きな湯船は42度ちょっと。
1段目はしっかり見えるけど、その先は結構濁ってる。天候や温度によって、無色透明な日もあるみたいなので、ブルーで嬉しい。
湯船から溢れ出るお湯で作られた析出物は、白くて魚の鱗のよう。
敷地内に2つの自家源泉を持ち、大浴場も客室風呂も源泉かけ流し。
温泉分析書は前回と同じものだった。自噴のナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉。これは青湯のものだったのかな。いや、青湯は掘削し直してたわけだから、自噴じゃないよな。
分析書は分からないけど、目の前のお湯は前回とは全く違うお湯。ふんわりした湯感触で、ふわぬるの肌触り。
箱蒸し湯が3つ。座るところが熱い場合は、備え付けのマットを敷いてと、脱衣所に入浴法が書いてあった。バスマットみたいなのが積んであったけど、あれが箱蒸し用マットなのかな。替えのバスマットかと思った。
ここから外へ出るとすぐ足元から露天風呂。この、扉を開けると一歩目から湯船っていうタイプ、なぜかツボ。絶対自分だったら設計しない造り。
ブルーが嘘みたいなほど綺麗。湧き出た時は無色透明のナトリウム–塩化物泉。メタケイ酸が空気に触れて結晶化し、太陽の光を反射させて青く見えるとか。いや、よく分からない。メタケイ酸が多いナトリウム–塩化物泉、たくさんあるけど青くないとこがほとんどだし。
そのメタケイ酸は、掲示の分析書の源泉には220mg含まれてる。お肌のセラミドを整える作用がある天然の保湿成分。さらに保湿成分を塩がコーティングしてくれる美肌の湯。
正面の塩ビ管から、ぼたぼた源泉が注がれてる。湯船は42度ちょっと。おそらく他にも湯口があるのかな。
ものすごく大きな湯船なので、さすがにここだけでは冷めそうなんだけど、どうなんだろ。青い湯に興奮してあまり探索しなかった。
1番奥まで行くと、排湯口があった。これも、他にもあったかも。こんなに大きな露天風呂も、2つある内風呂も、同じように男湯もあって、全部が源泉かけ流し。別府の源泉凄い。
もう一つ「泥湯 然」という女性限定の大浴場があった。なんで女湯だけなんだろう。利用時間はチェックインから23時まで。
宙館の3階。
長めの廊下の先に休憩処があり、さらにその先の部屋が脱衣所。
こちらもずっと独泉。洗面台があり、化粧水などのアメニティは揃ってる。
少し暗めのシックな雰囲気の浴室。
左手前の壁際にシャワーが4つ。ごっつい仕切りがある。
こちらの湯船も結構大きい。奥に窓があるので自然光が入るのがいい。
入り口の階段がぬるぬるで滑る。湯の花というか泥なのかが、積もってる。手すりを持って用心しながら歩く。
湯面には所々泡が浮いてる。別府温泉保養ランド(大分)-温泉手帖♨︎ の鉱泥浴場もそうだったけど、泥に含まれた空気なのかな。
湯口からは77度の熱い源泉が注がれてる。透明に見える。洗い場側にあるここからも熱い湯が出てる。
湯船は41.5度弱。とろりとしたベージュがかった白濁湯。湯の花が浮いてるわけじゃなく、溶け込んでる。底に溜まってるのもあり、歩くともわもわ舞い上がる。
お尻をつけるとざらりとする。端っこはざらざらで、砂浜の砂が溜まってるみたい。
湯口の真下や隅にざらりとした泥がふんわり溜まってるところがある。
ふわふわの肌触りが気持ちよくてずっと入っていたいお湯だけど、頭から大量に汗が出てくる。
部屋のお風呂は青くなかった。でも、HPの客室案内に、“檜のほのかな香りと神秘の青湯に、心休まるひと時を”って書いてあるから、きっと同じ源泉ではあるんだと。そう思うとほんと不思議なお湯。
こじんまりしてるけど、気持ちのいい檜の湯船。
湯口からは53度の源泉が絞って注がれてる。湯船は42度。加水用のカランがあるので、埋めれば好きな温度で入れる。
大浴場と同じような白い鱗みたいな析出物。
部屋もかけ流し、あんなに綺麗な青湯もかけ流しで、女性には泥湯まである。前回とはがらりと違う源泉だけど、やっぱりこれはすごい。
鉄輪温泉 山荘 神和苑
★★★★★
ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉
98.1度
pH 7.9
内風呂(男2 女2)露天風呂(男1 女1)泥湯(女1)
加水加温循環消毒なし
2024.1 宿泊
♨︎ ♨︎ ♨︎ ♨︎ ♨︎
大分空港から車で45分ほどの別府温泉。別府温泉郷の鉄輪温泉は別府八湯の一つ。鉄輪温泉街の中心部に立つ老舗温泉旅館、山荘 神和苑。
鉄輪温泉は「かんなわ」温泉と読み、神和苑は当て字で「かんなわ」苑と読ませる。
高台に位置し、鶴見岳や別府温泉街の湯けむりを見渡せる。部屋から見た別府湾からの日の出。
以前、青い湯が有名だった神和苑。青い湯が枯れた、倒産したなどの噂があったみたいだけど、改装のため閉館していて2016年に営業再開。
総敷地面積1万4000坪。能楽堂まである、高級な温泉宿でお料理も評判。
あまりに広くて全体像が撮れない。こちらはパンフレットの裏表紙。
本館に10室、別館に9室、離れが11室あり、部屋のお風呂はすべてかけ流し。本館は内風呂、別館と離れは内風呂と露天風呂を完備してる。
大浴場もあって、夜は23時まで、朝は7時から10時まで。
青い湯が出なくなり代掘したところ違う源泉に当たってしまい、青い温泉再開のために新たな採掘許認可を申請し今も温泉井を掘っているそうだけど、私は青い湯のナトリウム-塩化物泉じゃなくても、ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉が泉質的には好き。
現在、敷地内に2つの自家源泉を持ち、加水加温は一切行わないかけ流し。
古くから人々の傷を癒す湯治湯として重宝され、 美人の湯と謳われきた名湯。
清潔でタオルも歯磨きもなんでも揃ってる脱衣所。
ロッカーの下にまで足拭きマットあるとこ、なかなかない。
しかも、全室温泉付きなので、ほとんど人とかぶらない。
脱衣所を開けるとすぐに洗い場。仕切りがある。その先に浴室。
内湯は湯船が2つあり、熱めとぬるめ。なんていたせり尽せりな。ありがたいな、ぬる湯。
熱めの方は少し小さめ。
何色といえばいいんだろう。緑がかった灰色のような濁り湯。
どちらもかけ流し。
独特の匂いと析出物。
熱めは42、3度くらいで、ぬるめは41度くらい。先週の酸性泉で湯温計が逝っちゃったので、体感。
ぬるめといっても98度の源泉だし、熱い湯船よりぬるい程度。しっかり暖まる。
むわんとした、硫黄ではない、薬のような油のような匂いがする。ほとんど塩気は感じない。
ぬるっとした湯底で、濃い灰色の湯の花がたくさん舞い濁って見える。
つるんとした肌触り。220mgもメタケイ酸が入っている美肌の湯。ナトリウム-硫酸塩泉もしっとり潤う泉質。
外に出ると、硫黄の匂いがしっかりする。露天風呂も湯船は2つで、右側が大きめ。
大きめの湯船は、出入口の部分の階段を境に2つに分かれていて、階段上部の浅い部分からしか湯が行き来できないようになってる。
右手は湯口があり、かなり熱い。
湯の通り道は横切るのが嫌なほど熱い。
階段の手前側はちょっとだけぬるめ。
もう一つ左奥に独立した湯船。
右側の熱い湯船よりは熱くない。42度ちょいくらいかな。
湯煙がすごい。別府感がすごい。
なんでこんなに明るい街で⁈って不思議なほどの星空。海風で澄んだ空気の中、満点の星空を眺めながらの露天風呂。
朝には男女入れ替え。
昨夜とうってかわって明るく広々とした開放的な浴室。
湯船は、熱めとぬるめと水風呂の3つ。朝のこちらのぬるめ湯船はほんとにぬるめで、体感だけど40度前後の感じだった。
露天風呂も開放的。湯船は1つ。
ちょうど海から日が昇ってきたところ。
湯温は熱いところと適温のところがあり、湯口付近や湯の通り道はかなりの熱さ。
この付近はどこも100度近い源泉らしい。加水せずに適温にするのは至難の技だろうな。
泉質名にはないけど、炭酸水素イオンも含まれていて、カルシウムと一緒になり析出物が結構出来てる。
振り返れば湯煙。
時間なくてゆっくり入れなくて残念な大浴場。もっとじっくり堪能したかった。
部屋にも内風呂と露天風呂。
むわっと匂うけど、やっぱり硫黄臭とも違う。
かけ流し。内風呂は結構熱かったけど、カランが付いてて調整は可能。かき混ぜ棒もある。
露天風呂は、露天だけど一応屋根がある。
こちらはめちゃんこぬる湯。手をつけた感じ、37、8度くらい。旦那さんは喜んでここで寝てた。
あぁ、すごくいいお湯でぬる湯もあって最高なのに、時間なくて堪能できなくて本当に残念。
温泉に関係ないけど、この宿ホスピタリティがすごい。
チェックインの時、パティシエお手製のシフォンケーキが出たんだけど、18時から夜ごはんなのに着いたのが5分前くらい。大好きなシフォンケーキ食べたらごはん食べられなくなるから悲しい顔をした、みたいで。
それに勘付き「プレーンはお嫌いでしたか?チョコもあるのでいかがでしょうか」と持ってきてくれた。すごい。
翌朝、船の時間があり早めの出発。港まで送ってくれることも有り難かったし、朝食時間を15分前倒しにしてくれた。
どれもお願いしたわけじゃないのにしてくれて、すごく気持ちよかった。またゆっくりできる時に来たい。
鉄輪温泉 山荘 神和苑
★★★★★
ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉
98.1度
pH 7.9
大浴場2(内風呂4 露天風呂3)
加水加温循環消毒なし
2020.2.22 宿泊
コメント
記事を見て、行ってきました。
今は改修工事が完了したらしく、2Fにあった「神の湯」(ayuさんがお気に入りだった大浴場)は、蒸し湯になり、最上階に鳳の湯というのが出来ていました。こちらは、まさに青い湯で、すごく映えるのですが、残念ながら、ぬる湯でななく、長時間の入浴は難しい感じでした。(男性風呂はすべて青い湯でしたが、女性風呂は露天のみ、濁っていない湯だったようです)
お部屋の風呂は、無色透明だったので、また違う源泉のようです。
masaruさん、コメントありがとうございます。
わぁ!青い湯、復活したのですね!すごい!知りませんでした。行ってみたいな。
でもぬるくないのなら、冬しか無理ですね。有り難い情報、感謝です。