小松駅から車で20分ちょっと、霊峰白山の麓、手取川の南側に位置する辰口(たつのくち)温泉。小松空港からは30分足らず、金沢駅からも40分ほどとアクセスしやすい金沢の奥座敷。
奈良時代に白山を開いた泰澄によって開湯された約1400年の歴史を持つ古湯で、現在3件の温泉宿がある。
室町時代に手取川の洪水によって泉源が埋没し一時途絶えたけど、江戸時代の天保7年に新泉源を発掘した初代が松崎旅館を創業したそう。
大浴場は本館の1階と新館鳳凰5階の2ヶ所。
本館の大浴場は「瑞泉の湯」と「八千代の湯」。男女入れ替えはなく、夜は24時までで、朝は6時から9時まで。
ゆったりした脱衣所でマッサージチェアもある。アメニティは揃っていて歯ブラシもあった。タオルは部屋から持参。でも、部屋にたくさんバスタオル置いてくれてた。
浴室は広々していて細長く、湯船は大小2つ。壁際のシャワーは9つくらい。誰ともかぶらなかったので、ゆったり独泉。
奥にある小さな正方形のが源泉湯船で、大きな細長い方が加温循環の湯船。
迷わず源泉湯船へ。
湯口からは29度ちょいの源泉が出てる。湯船の温度は34.5度くらい。
湯底にある2箇所の穴から暖かい湯が投入されてる。あれ、加温循環?と一瞬疑ってしまうけど、源泉かけ流し湯船なんだから、源泉が出ているはず。
おそらくぬるい湯がさらに冷めないように、空気に触れさせないために、湯底から投入してるのだと思う。
底の湯口付近は35.5度。翌朝は少し低く34.5度くらいだった。
源泉の温度が36.5度とぬるめなので、この湯船以外は加温循環してる。貴重な源泉湯船。
冬だからかな。湯船の温度は34.5度。でもそれほど冷たくはない。
じっとり肌に馴染むお湯。
源泉湯船から溢れたお湯は、加温湯船へと注がれている。
含硫黄泉とのことだけど、湯口で匂いを嗅いでも、湯船に浸かってすくってみても、硫黄の匂いも硫黄感も全くない。
消毒臭はほとんど感じないけど、浴室全体に消毒臭がするのではっきり分からない。
大浴場は安土桃山庭園に面しているそうだけど、端っこからかろうじて見えるくらい。
加温湯船は41.5度。循環特有のふわりとした肌触り。源泉湯船がぬるいので、暖かくてほっとする。交互浴するにも、ちょうどいい湯温。
循環だけど、一部はかけ流しになっていて、縁から流れ出てる。それだけでも気持ちいい。
露天風呂もあり、扉から出ることもできるのだけど、湯が張ってなくて、露天風呂は展望露天風呂へって張り紙がある。
新館の大浴場が展望露天風呂という名称。「木犀」「玉竜」「雷鳥」という3つがあり、ひとつは有料の貸切風呂。
男女別で入れ替え制。夜は24時までで、翌朝6時半から入れ替わり10時まで。
脱衣所はそれほど広くなくて、籠も間引いてあり、人数制限してる。ドライヤーやアメニティは、本館同様に置いてある。
こちらの木犀にはミストサウナがある。入らないけど。
シャワーが3つに、小さめの内風呂。
展望露天風呂というので、内風呂やサウナがあるとは思わなかった。普通のこじんまりした大浴場という感じ。
内風呂の湯口には析出物。
泉質は含硫黄-ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉。硫酸イオンが1363mgも含まれていて、総成分量も4000mg近い、しっかり成分が含まれた源泉。循環させるの、もったいない。
内風呂は41度ちょっと。
庭園や白山連峰を望むという露天風呂。あいにく真っ暗だし、雨。屋根付きなので濡れはしない。
総檜造りの露天風呂と書いてあったけど、湯船はタイル。縁と周りの床が檜なのかな。
広めの湯船で、片側の端は寝湯になってる。
寝湯の辺りは湯温も低めで41度割れ。
湯口からは43度くらいの湯が投入されていて、湯船は41.5度前後。
循環で、消毒臭がきつめ。
翌朝は玉竜が女湯。浴室は少しゆったり。
こちらは普通のサウナ。
水風呂もあり、シャワーは4つだったかな。
内風呂は41度ほど。
循環で、木の縁から流れ出ることはなさそう。
玉竜の露天風呂は岩風呂。紅葉した山が見える。白山連峰なのかしら。夜よりも、明るい時間の方がはるかに気持ちいい。
お湯は大浴場同様に、循環っぽいふわりとした肌触り。
源泉は庭園の一部より掘り出されてる。
広い湯船で、やっぱり奥には寝湯。
全体的に40度くらいでぬるめだったけど、湯底の何箇所からか熱い湯が出てるので、場所によっては熱い。
新館 鳳凰の各部屋には温泉風呂付き。
内風呂と露天風呂。どちらも加温循環。
内風呂は一見、檜⁈とおもうけど、縁だけ。
湯口からは45度くらいの加温湯が注がれていて
湯船の中は40度。
露天風呂の方がぬるめで
湯口からは38度くらいの湯が出ていて、湯船は41.5度。すくってみてもほとんど消毒臭はしない。
循環だから私は入らず、大浴場に行かない旦那さん専用風呂。
大浴場の源泉湯船だけがかけ流し湯船だけど、本館まで遠くて億劫。たくさん大浴場や湯船作らず、源泉を楽しめるようにしたらいいのに。せめて、せめて、加温かけ流しとか。
蟹との両立は難しい。
辰口温泉 まつさき
★★
含硫黄-ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉
36.5度
pH 7.96
210ℓ/分
加水なし 加温循環消毒あり ※源泉湯船あり
2020.12.12 宿泊
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