上越新幹線の燕三条駅から車で30分。新潟市の奥座敷といわれる岩室温泉。慶長3年(1598)に湯の湧出があったと伝えられていて、温泉地としての営業が認められたのが正徳3年(1713)。300年以上の歴史がある湯の街。現在は11軒ほどの旅館があるけど、ほとんどが源泉の岩室温泉を引き湯しているみたい。
昭和63年創業の著莪の里 ゆめやは、明治の初めから続く老舗旅館 富士屋の姉妹館。大女将の原点に戻った小さな宿を作りたいとの想いを実現させた全11室の宿。
創業から四半世紀ほどの2012年に源泉、上の郷おんせんを掘り当てたので、自家源泉を持つ宿。敷地の入り口のところ。
大浴場はゆめみの湯。夜は24時まで。朝は6時から10時半まで。
男女別で入れ替えはなし。館内はスリッパではなく裸足。
脱衣所もそのまま裸足。館内も脱衣所もとても清潔で気持ちがいい。
アメニティも揃っていて、歯ブラシもある。バスタオルもフェイスタオルもあるので、手ぶらで来られる。
バスマットの替えがこんなに準備してある。至れり尽くせり。ここまでしてくれると、かえって綺麗だと思えて、自分でバスマットを新しくすることもなかった。
シャワーは6つ。11室しかないので、大して人とかぶらない。
木と石を組み合わせた雰囲気のある浴室。高い天井に壁は木造り。
湯船は縁だけ檜。
大きな窓からは庭の木々が眺められ、露天風呂も見える。
昨夜は真っ黒に見えたお湯も翌朝は透明感がある。
湯口は湯の花が溜まって真っ黒。触ると指が黒くなる。湯口だけじゃなく、湯底に触れると
お尻や指先も黒くなるほど。
黒や濃い墨色の湯の花が舞ってる。
濁り湯ほどではないけど、薄い墨色のお湯。しっかり硫黄の香りがする。
湯温は41.5度。塩を感じるねっとりした湯感触。源泉の温度は56.6度あるけど、湯量を補うために加水、加温してる。
泉質は含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉。pH8.3の弱アルカリ泉。
湯口のお湯は苦くてしょっぱい。
大浴場の湯船は加温、加水、循環濾過に消毒あり、と四拍子揃っていてあまり期待せずに入ったけど、湯口からは源泉が出てるし、硫黄の香りで塩素臭は分からないし、全然嫌じゃない。
奥の扉を出ると、土間の玄関みたいになっていて、露天風呂のある庭へ出られる。
クロックスが2つ。履かないで裸足の人もいる。雪が積もってたりすると必要なのかな。
内風呂より少し広いくらいの湯船。庭にある岩風呂ってあまり好きじゃないのだけど、これは嫌じゃない。池感が全くないからかな。
内風呂や脱衣所がやんわり見える。湯口は2つの竹筒。
左の湯口から41.5度ちょっとの源泉が注がれていて、右の竹からは48度の循環湯が投入されてる。で、湯船の温度は40.5度。ぬるめで気持ちいい。
源泉口には黒い湯の花がべっとり。これ源泉かけ流しで味わえたら最高なお湯だろうなぁ。
でも循環の湯船って、湯船の中の湯口や装置とかにテンション下がるけど、ここの設備はなぜか不快感があまりない。竹で囲ってるからだけじゃないと思う。
岩には硫黄泉らしい白い析出物。内風呂ほどではないけど、ちらほら黒い湯の花もある。
真冬の露天風呂のぬる湯だけど、塩の保温効果か、ぽかぽかよく暖まるお湯。
内風呂と露天風呂が付いている「横笛」というお部屋に宿泊。
露天風呂は開放感いっぱいだけど、屋根があるので雨天でも大丈夫。
薄い墨色。少し濁っているように見える。
客室の露天風呂は循環とかけ流しの併用。
湯口からは源泉が少しずつ出ていて、右側にあるカランで、加温加水ができるようになってる。
チェックイン時の湯船の温度は36度とかなりぬるめだった。循環の設定温度が低めなのかな。熱すぎる設定よりはるかにいい。
湯口からの源泉はかなり少量なので、ざぶんと出た後はかけ流し状態になるまで結構時間がかかる。
湯が溢れる部分に黒い析出物がこってり。
内風呂は古代檜の湯船。チェックイン時に湯は張ってなくて、すぐに入れ始める。
このカランから源泉が出る。少ししょっぱくて苦い。加温も消毒も何もしてない源泉そのもの。溜まるのに結構時間かかるけど、源泉100%に勝るものなし。
45度くらいの源泉なので、湯船の温度は40度弱。女将さんにお湯を足さないとぬる過ぎたでしょと言われたけど、そんなことない。ベストなぬる湯。
源泉もったいないので出しっぱなしにはしないけど、つまりはかけ流し。この湯船が唯一源泉かけ流しを味わえる湯船だった。
硫黄もアルカリ泉も美肌の湯。塩の効果で保湿され、お肌もしっとり。せっかくの美肌の湯は絶対にかけ流しで味わいたい。
岩室温泉 著莪の里 ゆめや
★★★
含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉
56.6度
pH 8.3
男女別大浴場(内風呂1 露天風呂1)
加温加水循環消毒あり ※客室にかけ流し湯船あり
2020.12.26 宿泊
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