山中温泉 かよう亭(石川)

2年ぶりにかよう亭再訪。

13時チェックイン、12時チェックアウトの23時間滞在を目指して来たけど、温泉街歩いてたら13時半近くに。帰りもサンダーバードの時間で、余裕を持って出なきゃだめだよと10分前くらいのアウトで、ちょっと悔しい。それでも22時間半の滞在時間。

前回と同じ内風呂付きの部屋「東山」。

段差の部分が大きいので、うちの旦那さん的には少し狭かったみたい。私だと1人でちょうどいいサイズ。

大浴場は循環併用なので、かけ流しの部屋風呂が気持ちいい。

40.5度とちょうどいいぬる湯。

大浴場のすごく近くの部屋なので、一応行ってみた。長時間滞在だし。

脱衣所にバスタオルもタオルもたくさん用意してあるのだけど、出入り口のところにまでバスタオルが置いてある。5歩くらいでタオル置き場があるのだけど、細やかな気遣いがすごい。至れり尽くせり。

脱衣所と浴室との間はガラス。

もう一つおっと思ったのが、湯船の周りがじんわり濡れてる。よく見ると、数カ所から湯が漏れていて、いや、故意的になのか分からないけど、足元が温かくて心地いい。

この日の内風呂は42度、露天風呂は42度ちょい。湯口は43度だった。すごく暖かい日だったけど、それでも加温した源泉が投入されてたのかな。

3月初旬だけど春みたいな日で、温泉街にもかよう亭の林にも全く雪は残ってない。

前日のもう一方の内風呂のみの大浴場は、41度前後だったので、少しゆっくりつかれた。じっとりしっとりした肌触り。

大浴場、誰にも会わないし、どちらもガラスの向こうに見える景色が穏やかで、静かに入ることができる。

 

山中温泉 かよう亭
★★
2023.3 宿泊

♨︎ ♨︎ ♨︎ ♨︎ ♨︎

金沢から特急で25分の加賀温泉駅に、山中、山代、片山津、粟津の4つの温泉地からなる加賀温泉郷がある。

一年前に宿泊した山代温泉 あらや滔々庵(石川) – 温泉手帖♨︎は、駅から車で10分ほど。今回訪れた山中温泉までは約20分。

とはいえ、金沢まで新幹線は時間かかるので、小松空港がすごく便利。時間さえ合えば。

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山中温泉の歴史は古く、山代温泉と同じ1300年前の奈良時代に行基が発見した伝承もあるけど、一般的には平安時代の開湯とされていて、白鷺が傷を癒しているところから温泉を発見。

だから今日乗ってきた特急もしらさぎ号。総湯の菊の湯にも白鷺がいた。

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大聖寺川の鶴仙渓に望んで旅館が並び立つ北陸随一の湯処で、19軒の宿がある。

料理人付きの別荘といわれるかよう亭は、昭和53年創業。1万坪もの敷地の中にわずか10室だけの宿。

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ん?随分と新しいなと思って調べてみたら、実はもう一代前に創業してた。現主人(←仲居さんたちは‘あるじ’と呼ぶ)が、父の創った温泉旅館を、父を1ヶ月のハワイ旅行へ行かせている間に、唐突に廃業させたそう。それが昭和48年のこと。当時の旅館は最大収容人員200人。

『質の良い宿屋』の構想を練り、4年後に水の流れと緑いっぱいの山間に10室の宿、かよう亭をオープン。

妙見温泉 忘れの里 雅叙苑(鹿児島) – 温泉手帖♨︎が客室露天風呂を作ったのも確か同じ昭和53年。

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大浴場はチェックインの13時からアウトの12時まで、ずっと入れる。ここまでのインとアウトの時間はすごいな。いつか、23時間滞在してみたい。

夜中の0時頃に男女入れ替え。大浴場の片方だけに露天風呂がある。

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とても清潔な脱衣所。フェイスタオルもバスタオルも備え付け。歯ブラシもある。クレンジングと化粧水はあるけど、乳液はない。

脱衣所はガラス張りで中が見える。二重の扉を通り浴室へ。

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お洒落な洗い場。カランだけのところとシャワーありが交互で、シャワーは4つ。

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一面がガラス張りで景色を眺められる。見えている山や小川は全てかよう亭の敷地。

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内風呂は41度弱の少しぬるめ。周りにある段差で半身浴もできる。じっとりした肌触り。

松尾芭蕉が『山中や菊は手折らじ湯の匂ひ』と詠みたたえた湯。

‘少年が菊の露を飲んで七百歳まで生きたという伝説があるが、そんな伝説に頼らなくても山中温泉の湯は匂いを嗅ぐだけで寿命が伸びるようだ’という趣旨。

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湯口から少しずつ出ているお湯は41度ちょっと。無色透明、無味無臭。残念ながら少し消毒臭もある。

当時、消毒はしてないだろうけど、この無色無臭のお湯をそこまで絶賛するってなんだったんだろう。

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湯口の上に付いてる真っ白な析出物が可愛い。カルシウムを205mg含む、カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉。

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山中温泉は源泉を集中管理してるので、基本的にどの温泉旅館も同じ泉質。山中温泉3号・7号・8号・10号・11号の5本の混合泉が、すべての宿や施設に配湯されてる。

湧出量は合わせて毎分約1,670ℓ。1番多く配湯されてる宿で毎分90ℓ。白鷺湯たわらやと翠明。お湯使いは、各施設ごとに異なる。加水してるところもあるみたい。

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内風呂の湯船の中には湯の出入り口がある。この時期は加温しないと難しいらしく、加温の循環。

源泉温度は49.8度だけど、おそらく引湯してきた源泉はもっと冷めてるだろうから。主人は46度くらいだと話してた。

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でも、かなりの量がかけ流されているので、あまり嫌な感じはしない。循環とかけ流しの併用。

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浴室の外側にベランダみたいな月見台みたいな通路。露天風呂まで。どちらからも出られはしないんだけど。

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木造りの雰囲気のある露天風呂。

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休み処みたいなスペースがあり、一人用の木のチェアーがある。うん、椅子ではなく、チェアー。

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屋根があって、室内かというほどカバーされているけど、露天風呂感がすごくある。

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圧倒的な、圧巻の露天感みたいな。なんだろう。雪景色だから?自然の山だから?切り取り方が絵画みたいだからかな。

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湯船は小さくはないけど、気兼ねなく入るなら2人か。すでに2人いたら遠慮するくらいの大きさ。

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縁だけが檜。顔を近づけなかったけど、一緒に入った友人が「わぁ、木のいい香り」と言ってた。

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内風呂より少し熱く、42度弱の湯温。湯口からは47度のお湯が出てる。

この露天風呂は源泉かけ流しなのかなと思ってたけど、冬季は加温するしかないらしい。

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でも、加温源泉のかけ流し。ほんの少し消毒してるらしいけど、ほとんど分からない。

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無味無臭、しっとりした肌触りだけど、さらりとしたお湯。

湯口の析出物はキャラメル色。中の真っ白のとは違う。何の具合なんだろう。温泉って不思議。

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元禄2年、300年以上前に山中温泉を訪れ9日間も逗留した松尾芭蕉。山中の湯を有馬、草津と並ぶ「扶桑の三名湯」と讃えてる。

有馬、草津なんて、すんごい癖のある強烈な湯と並べちゃうなんて、納得いかない。もしかしたらこんな雪景色を眺めながら湯に浸かったのかしら、と思いを馳せてみたけど、芭蕉が来てたの夏だった。

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もう一方の大浴場も、脱衣所と浴室の間はガラス張り。明るくて広々見えて気持ちいい。

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脱衣籠は5個。半分にしてあるのか、普段からゆとりを持たせてるのか。

まぁ、どの時間もほとんど人には会わない。

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2面が全てガラス張り。惜しみなく景色を見せてくれる。雪景色がいいなぁと思ったけど、きっと新緑も紅葉も綺麗なんだろう。

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シャワーは6つ。シャンプー置き場が凹んでる、洒落た洗い場。

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洗い場も浴室も広くゆったりした造り。湯口にいるのは、こいこい祭りの大獅子かな。

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白い析出物。

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湯口から出ているのはほんの少し。こちらの内風呂も加温の循環。

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かけ流しと併用で、しっかりかけ流されているので、それほど不快感はない。湯温は41.5度。消毒臭はある。循環特有のふわっとした肌触り。

大浴場が夜中じゅうずっと入れるにも関わらず、10室のうち5室が温泉付き。

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段差の部分がかなり広めなので、ひとりで入りたい大きさ。

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湯口からは少なめの投入量。41度弱の源泉。

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湯船の底からも45度強に加温された湯が投入されていて、湯口の真上辺りの湯温は41度ちょっとあるけど、湯船全体では40.7度前後。この時期にぬるめの適温。

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上の見えてる湯口からの投入量は少ないけど、底から投入されてる湯があるからか、結構なかけ流し。

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やっぱり大浴場の循環の内風呂よりも、この湯船がいいなぁ。

じっとり肌に馴染む石膏泉(カルシウム-硫酸塩泉)は、鎮静作用があるだけじゃなく、水分を浸透させ肌の弾力を回復させてくれる美肌の湯。

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加能蟹も美味しかったし、主人や仲居さんが印象的で、また来たいと思える宿。友人知人が勧めてくれるのも納得。

 

山中温泉 かよう亭
★★
カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉
49.8度
pH 8.5
1,670ℓ/分(全体)
男女別大浴場(内風呂2 露天風呂1)
加水なし 加温循環消毒あり※加温は冬季のみ
2021.1 宿泊

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