2018年にオープンした水田に浮かぶSHONAI HOTEL SUIDEN TERRASSE。庄内空港から車で約20分。田園風景の中に現れるデザイナーズホテルは、その名もスイデンテラス。
ヤマガタデザインという民間まちづくり会社が、地元の人々を株主として巻き込み、庄内の魅力を発信するために作ったホテル。
水面に浮かぶように建つドーム状の建物が大浴場(スパ棟)。水田の上を歩く渡り廊下の先にある。
シンプル過ぎる故に迷路的ではあるけど、
案内に従い進めば何とかたどり着く。
渡り廊下の突き当たりの扉が男女別の大浴場。
ドームの中央に位置するのが女湯で、周りに配置されているのが男湯。田んぼの中にぽつんと浮かぶ構造上、外からの目線を考えると、よく出来た造りだなぁと思ってた。
でも、内風呂のみだった女湯に、去年の8月に露天風呂が新設された。
大浴場扉の右手前にあるドアから外へ出たところが女性用の露天風呂。女性は内風呂と露天風呂の行き来は出来ず、都度服を着用して移動するしかない。
どちらの扉もカードキーでロックを解除して開ける。
とりあえず先に内風呂へ。右手が女湯、左手が男湯。男女入れ替えはなし。
入り口に鍵付きロッカー。日帰り入浴はなく、宿泊者の利用のみ。入浴時間は6時から24時まで。
入ってすぐの細狭いところが脱衣所。籠が間引いてある。棚の奥に洗面スペースがあり、そちらは窓になっていて明るく開放的。
目を引くデザイン。水色のタイルで囲まれてる。宿泊棟と同様に世界的な建築家、坂茂氏の設計。
ホテルのデザインや雰囲気から、なぜか三重の片岡温泉 アクアイグニス(三重) – 温泉手帖♨︎とイメージを重ねていて(勝手に)、めちゃ混みなのかと思いきや独泉。
日帰り入浴がないとは思わなかった。日帰り入浴なし万歳!ありがたや独泉!
少し窮屈な脱衣所から数段上がり、浴室に踏み入った時の明るさと広がりがすごい。
天窓から差し込む光が柔らかく、女湯の広さを超えていく天井の拡がり。特徴的な木組みの天井は、男湯と繋がってる。
タイル張りの仕切りがある洗い場が8つ。
湯船は弓形。
内側に一段段差があり、少し心許ない手摺りが2箇所。
弧を描くような、流れるプール的な長細い形。
湯口は奥側にあり、湯口近くと逆の端っこでは多少湯温が違うほどの距離がある。
湯口や湯口の周りは黒く着色してる。泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉。地下1,200mから汲み上げた源泉をそのままかけ流し。
じっとりと肌に馴染むようなお湯で、肌をさするときゅきゅっとする。
湯口は50度。源泉温度は62度。温度調節が必要な場合のみ、一時的に加水することがあるみたいだけど、どうなのかな。源泉そのものだといいな。多分そうだと思う。
塩素消毒はしてるけど、それほど気にならない。
湯口の周りには、下部だけが開いている囲いがあり、熱い源泉はその下の部分から湯船に流れ込んでいく。
この辺りで41度ちょい。向こうの端っこまで行くと40.7度ほどだった。0.5度弱ほどの差がある。それくらいしかないのか。
湯の排出は、湯口の逆からってわけじゃなく、内側段差の部分にいくつも排湯口があり、そこからかけ流されていくみたいだった。
弓の外側にも段差というか、座るための長いベンチがあり、半身浴できる。背もたれにあたる壁の部分が斜めになってるの、これありそうでない。全部お洒落タイル。
見上げると、六角形の天窓。そういえば、男湯のサウナは天井の木屋根、天窓、椅子、水風呂まで六角形で統一されているそう。
一旦服を着てから、露天風呂へ。
内風呂と同じく、20個の棚に16個の籠。
新しくお洒落な脱衣所。アメニティ類はなかったと思う。
がっちり仕切りがあるシャワーが8つ。この囲われた中に椅子も置いてあるのだけど、窮屈過ぎて座る気にならない。見かけた人はみんな立ったままだった。
奥にサウナがあり、右手の扉が露天風呂。
内風呂と同じような、弧を描く細長い湯船。左側の丸いのはサウナ用の水風呂。
夜になるとこんな景色。
外から見たサウナ。
熱したサウナストーンに自分で水(ヒバのアロマ水)をかけて水蒸気を発生させるセルフロウリュを備えたフィンランド式のこだわりサウナ。
サウナに興味がないので入らずに外から覗いただけだけど、新しいし清潔な感じ。
湯口は右奥にあり、熱かったら混ぜてと湯かき棒があった。
内風呂同様、湯口の周りには囲いがあり、一旦注がれた湯が囲いの下から湯船に広がる仕組み。
湯口の湯温が52.5度で、湯船の右エリアは42度前後。逆側の端っこまでいくと41度ちょっと。
ひとつしかない湯船でも、湯温に差があると好みの場所に入ればよくていい。
周りは囲われてるから微妙ではあるけど、水田の中で入る露天風呂は初めて。この水の部分に田植えするのかな?ずっとこのまま水なのかな。気になる。
海抜ならぬ、水田抜0m。
着いた日は強風。こんなの滅多にないとチェックイン時に言われるほどの、ものすごい風だった。
湯船に浸かってると、向こうの泥水が風で舞い上がって顔にかかるし、湯船にも入ってくる。水田露天風呂、なかなか難しい。
ほんの少し塩気があり、土の匂いがするお湯。田んぼの下の下の下に湧いてる。
翌々日の朝、万が一、田んぼに水が張られていて、見たい景色が出来上がってたら悔しいので、飛行機に乗る前に寄ってみたけどまだだった。
これの右側。こっち側に水が張られないと。
仕方ない。また来よう。
テラスで朝ごはん気持ち良かった。ヤマガタデザインやるな。
鶴岡北京田温泉 SHONAI HOTEL SUIDEN TERRASSE
★★★
ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉
62度
pH 8.1
内風呂(男1 女1)露天風呂(男1 女1)
加水加温循環なし 消毒あり
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