強首温泉 樅峰苑(秋田)

国の登録有形文化財の温泉宿、樅峰苑。

 

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歴史を感じる重厚な建物は、大正6年に建てられた大地主で名門の小山田家の本宅。15代目の奥さんがご主人を亡くした後、昭和41年に宿屋を開き、現在が16代目。

 

屋根は入母屋造りの千鳥破風、正面玄関は唐破風。

 

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玄関口の縁側には16mもの継ぎ目のない天然秋田杉の板で組まれたぴかぴかの廊下。

 

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家紋入りの人力車や、鹿鳴館風の階段はまさに大正ロマン

 

ここの2階が客室で、全7部屋。もちろん和室。

 

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強首温泉は、秋田空港から車で約15分という超好アクセス。でも今回は陸路だったので、秋田新幹線大曲駅経由。駅から車だと30分。大曲から奥羽本線峰吉川駅まで行けば、送迎してもらえて宿まで10分。大曲までは東京から3時間半だから、まあまあしんどい。飛行機が楽かと。

 

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秘湯を守る会の宿で、日本温泉遺産に認定されている温泉。

 

大浴場は玄関の正面、帳場の後ろにあり、男女別で入れ替えはなし。一晩中入ることができる。

 

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日帰り入浴も18時までやっていて、この日もぽつぽつ入浴者がいた。脱衣所にアメニティは一切なく、ドライヤーのみ。

 

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浴室に入ると独特の匂いがし、黄土色に変色した湯船や床に目を奪われる。窓はあるけど閉まっているので、熱気で少しもわっとしてる。

 

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左側に洗い場があり、シャワーは4つだったかな。

 

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五角形の湯船には緑がかった茶褐色のお湯がなみなみ注がれている。

 

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湯船や壁は総檜造りで、湯桶や椅子も檜。

 

床の様相から成分の濃さがうかがわれ、わくわくする。溶存物質が1kgあたり22.24gもある濃い源泉。

 

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勢いよく入れば、縁を超えて湯が溢れるけど、ひとりそっと入るぐらいでは溢れないのだけど、この有様。

 

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湯船から黄土色の絵具が飛び散ったかのような床。

 

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青臭い草のような薬臭がする。泉質は珍しい含よう素-ナトリウム-塩化物強塩温泉。

 

塩が濃くて、肌がちりりとする。

 

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よう素泉は2014年に新しく加わった泉質で、抹消循環障害、冷え性に効く。飲泉では、高コレステロール血症を改善する効果が見込めるけど、飲泉許可はなさそう。

 

すこしの苦みと、物凄い塩気と旨味。これ舐めながらおにぎりが食べられる感じ。

 

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湯口にももちろん析出物。45.5度超えの湯が注がれていて、湯船は41.7度と熱め。朝は41.3度だったので、少しほっとし有り難かった。

 

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毎分246ℓの豊富な湯量があり、源泉温度49.8度の源泉をかけ流し。もう少し湯量を絞ってぬるめにしたらいいのに。

 

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湯船から溢れるお湯は、ここからかけ流されていく。

 

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縁の内側にも黄土色の析出物。

 

かなり個性的なお湯。日帰りの人たち、子連れや中年の方だったけど、渋いなぁ。この内風呂に入りに来てるわけ。この濃さと熱さがツボなのかな。

 

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塩がとにかく濃くて痛いほど。特に湯から上がるとひりひりちくちく。洗い流さないと無理。あの玉川温泉 効能溢れる癒しの湯治宿 玉川温泉(秋田) – 温泉手帖♨︎よりひりひりするかも。

 

よう素も濃い塩分も殺菌作用がある。さらに同じ作用のメタホウ酸も126mgと多く含まれてる。

 

肌に強烈ではあるけど、炭酸水素イオンが727mg含まれているので、つるつる美肌の重曹泉でもある。

 

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2階の窓から見える建物が貸切露天風呂の湯小屋。

 

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湯船からこの樹齢380年を超える大きな樅の木を望むことができる。

 

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宿泊者専用の貸切露天風呂は2つあって、一回無料で利用できる。チェックイン時に予約し、時間になると帳場で鍵を受け取ってから向かう。

 

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大樹の湯とこもれびの湯。

 

奥に位置し、湯船もほんの気持ち大きいような気がしたので、少しでもぬるいのではと予想して選んだ大樹の湯。

 

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こざっぱりとした脱衣所。足拭き用のタオルだけ置いてある。

 

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立派な総檜造りの露天風呂。手前側にだけ屋根がある。丸い湯船の手摺りと手摺りの間だけ段差があり、半身浴も可能。

 

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屋外に深緑の湯色が映える。湯船の周りや中に桜の花びらが落ちていて、ちょっと心が上がる。

 

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湯口から注がれている源泉は47.5度弱。湯船は40.5度ちょいで、大浴場よりぬるい。外気も冷たく、適温でかなり気持ちいい。

 

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敷地内の自家源泉を惜しみなくかけ流し。

 

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昭和39年に天然ガスを試掘するためのボーリングで、温泉が湧出したのが強首温泉の始まり。もともとはそこから引き湯してたのだけど、平成20年に敷地内で源泉を掘り当てた。それで、貸切露天風呂を新設。

 

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入るか入らないかで印象変わるほど、この湯船が良かった。

 

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湯口がすごすぎて、見ていて飽きない。そしてぬるめが最高。湯量絞ってるのかな。

 

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かけ流されていく源泉で、縁も床も黄土色と緑色に。

 

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温泉藻なのかな、詳しくないけど。もはや檜感がないほどにコーティングされてる湯船の縁。

 

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湯の中の側面にも析出物が付いていて、当たるとざらりと痛いところもある。

 

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湯の花は茶色。小さいのから大きなふわふわのまで、たくさん舞ってる。

 

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桜の花びらかなとすくい上げると、湯の花。

 

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この時期にしてはちょっと寒いくらいの風を顔に感じながらの花見風呂。弘前もとっくに桜散っちゃってるのに、まだ残ってるんだ。

 

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ぬるくていくらでも入っていられるけど、顔からは汗がすごい。露天風呂にはシャワーがないので、ひりひりを洗い流せない。とりあえずこの足で大浴場へ。

 

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夜の建物も素敵。

 

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露天風呂がぬるくて良かったので、有料でもう一度。今度はこもれびの湯。

 

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予想に反して、湯船の大きさはこちらの方が広いくらいかもしれない。

 

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湯口の温度は47.5度弱で、大樹の湯と同じ。

 

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でも、湯船は42.5度と熱かった。湯量が多いのかな。大浴場より熱く、10分も入っていられなくて残念だった。

 

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強首温泉 樅峰苑
★★★
含よう素-ナトリウム-塩化物強塩温泉
49.8度
pH 6.9
246ℓ/分
内風呂(男1 女1)貸切露天風呂2
加水加温循環消毒なし

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