京都駅から近鉄特急で橿原神宮前駅まで1時間弱。そこから南へ車で1時間ほどの天川村にある洞川温泉。
熊野川の源流の山上川のほとり、標高820mの高地に位置する温泉地で、世界遺産の霊峰大峯山の登山口。修験道発祥の地なので、温泉街には行者の宿泊所として栄えた歴史ある老舗旅館が並んでる。
旅館や民宿が約20軒、土産物や陀羅尼助丸を製造販売する店が13軒も軒を連ねるノスタルジックな町並み。
関西の軽井沢と呼ばれるのも納得の涼しさで、夜はかなり寒かった。桜もまだ開花したばかり。
江戸時代の元禄元年(1688年)に旅籠屋として創業した角甚は、行者講や紀州公ゆかりの老舗旅館で、創業350余年。
昔ながらの三和土に縁側、旅籠の風情を残す全8室の宿。
大浴場は玄関の突き当たりにあり、夜24時まで。翌朝に男女が入れ替わり、6時から9時半まで。
着いた日は「行者の湯」が女湯。結構狭い脱衣所だけど、8室だけなのでなんとか大丈夫。
籠が棚の高さに対して深いので、籠を手前に引き出した状態じゃないと出し入れできない。脱衣籠あるある。籠がない方が便利。
浴室は少し薄暗く湯煙でもやっとしてる。
右手の壁際にシャワーが5つ。
湯船はなんとジェットバス。泡の部分を考えると2人サイズかな。3人入れるけど、1人はずっと泡の真上にいなきゃいけない。
創業350年の行者の宿がジェットバス。なんかいいかも。体がほぐれて、修行者も癒されるのかも。
そして、湯口の下にあるのは漢方の袋。
温泉街に13軒もある陀羅尼助のお店。その原料のオウバクなどが入った漢方の湯。悪くない。あれだけ陀羅尼助陀羅尼助とうたう町に来たのだから、少しでも体感してみたい。
匂いはほとんどしない。代わりに、塩素臭もあまり感じない。
湯口の周りには薄茶色の析出物が付いてる。
最初入った時は湯船も湯口から投入されてるお湯も40度くらいだったけど、底から熱いお湯が出てきて湯口も47度超え。すぐに湯船は41度近くまで上がった。
時間で投入される湯温が上がったり下がったりする仕組みみたい。
源泉温度が30.7度なので加温が必須。洞川温泉全体で一本の源泉のみで、湧出量も多くないので、循環濾過して活用。
湯は縁から溢れ出ず、この隙間へ。
pH 8.4の弱アルカリ性でつるつる感は少し。成分は薄いけど、天然の保湿成分メタケイ酸が100mgも含まれてる。
単純温泉で、それほど特徴があるわけではないので、漢方にジェットバスもアリ。もはや潔くて好感が持てる。
翌朝、もう一方の元禄の湯へ。壁の大きな鏡がレトロな、細長い脱衣所。
やはりもわっとした浴室。
左手の壁にシャワーが3つ。
真ん中が少し凹んだ長方形の石造りの湯船。
右側の階段状の湯口は大峯山なのかな。
貝が置いてある。多分、法螺貝。
真ん中に段差がある。
出っぱった部分は湯の排湯口というか、回収口。湯温は41度前後。
奥のエリアはジェットバス。超音波風呂と書いてあった。
2階に貸切露天風呂「笑の湯」がある。このドアが開いていたら、空きで、中から鍵をかけて入る方式。
時間は夜は22時半まで、朝は6時から9時半まで。
洗面台と、簡単な脱衣場がある。
シャワーも付いていて、露天風呂だけど手前にはしっかり屋根がある。
1人サイズの陶器の湯船。
景色は庭。湯温が43度近くあったので入らず。
湯口には白い析出物が少し。
湯口からも湯船の中からもお湯が投入されてるのだと思う。大浴場と同じく、42度から45度くらいを行ったり来たりのお湯で循環。
露天風呂付きの部屋が2つあり、そのうちの桃の間に宿泊。
シャワーもある。4月とは思えない寒さだったので、ドアがあって助かったけど、それでもシャワーを浴びるのが寒かった。
檜の湯船。湯口から投入はなく、湯船の中からのみお湯の出入りがある循環。
着いた時の湯船の温度が43度くらい。調整できると言われ、少し下げてもらい40度ほどに。
加温循環で熱いのはほんとに最悪なので、気持ちよく調整してくれるのは有難い。
洞川温泉 行者の宿 角甚
★★
単純温泉
pH 8.4
30.7度
140ℓ/分
内風呂2 貸切風呂1
加水なし 加温循環消毒あり
2022.4.16 宿泊
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