伊豆長岡温泉 あづまや旅館(静岡)

伊豆の国市にある伊豆長岡温泉は、130本以上の源泉を有す湯量豊富な中伊豆屈指の温泉地。

源氏山を挟んだ東側が1300年の歴史を持つ古奈温泉、西側が明治に開湯した長岡温泉、この2つの温泉地の総称が伊豆長岡温泉。

古奈温泉は伊豆山の走り湯、修善寺と共に伊豆三古湯の一つに数えられ、鎌倉時代の史書「吾妻鏡」に北条家の所領地にある温泉地として登場する源頼朝ゆかりの温泉地で、当時から将軍家や公卿に用いられた湯治場。

伊豆長岡駅から車で5分のあづまや。共同浴場あやめ湯の向かい。大正15年創業の老舗旅館だけど、20年ほど前に経営者が変わっているそう。昭和の古さが残る全11室の宿。

大浴場は2階に女湯「鶴の湯」、3階に男湯「亀の湯」があり、男女の入れ替えはなし。翌朝10時まで一晩中入ることができる。

脱衣所にはドライヤーと化粧水などのアメニティもあり。棚は木札を下にカチャンとする簡易な鍵付きで、間引き運用。扉にも6名までと注意書きがある。

浴室入り口にまで“鶴の風呂”と掲げられてる。お宿のタオルに宿名よりも大きく描かれている“鶴亀風呂”の文字。

床と壁がタイル。レトロで可愛い。

2面の壁が曇りガラスになっていて、陽光が入る明るい浴室。その壁側にシャワーが7つだったかな。

湯船が鶴で、タイルの壁画も鶴に松。レトロでめでたい。

鶴の尻尾側に段差がある。最初の一歩、少しぬるりとし滑りそうになるので気をつけて。pH 9.1のアルカリ性単純温泉。

源泉が59.6度と高温だけど、湯量のみで温度調整していて、加温加水なしの源泉かけ流しなのだけど、循環併用。

両羽の縁からさらさらと溢れたお湯が流れ出ているので、一見、源泉かけ流しにしか思えないのだけど。小さな湯船にそれなりの源泉が注がれているので、新鮮さもあるし。

鶴の喉元からお湯が出てた。吸い込み口は分からなかったけど、足場の後ろにあるのかな。

一見分からなかったというのも、とにかく熱くて、湯船の中を調査する余裕があまりない。

湯口の温度は55.7度で、湯船は44度もある。小さな湯船にこれだけ源泉注いでかけ流してるのに、なんで循環させる必要があるんだろう。しかも循環させるなら、そこで湯温を熱すぎないようにはできないのかな。44度って‥。

温泉枯渇の危機を経て、集中管理システムを導入した伊豆長岡温泉。

かつて130本だった使用源泉を33本に絞り、以前は年間120tだった使用湯量を現在では半分の65tに減らせてるのだそう。

源泉が平地に点在しているので「流下方式」のような高低差による配湯ができず、集中管理の方法は「循環管網方式」。

配湯管は全長13km、温泉地の中心に位置する源氏山に沿って、反時計周りに温泉が流れていて、環状施設の両端に貯湯槽がある。管内の温泉は絶えず循環しているため湯温は一定で、夏季は60度、冬季は58度。

あづまやは1貯湯槽で、21源泉を集約し分配されてる。

ふわりと柔らかな湯感触でふわつるの肌触り。このふわりとした湯感触は循環特有のやつなのかも。石のような匂いがするけど、消毒なのかな。

以前は鶴の口からもお湯が出ていたそうだけど、温泉成分で穴がふさがって出なくなってる。ここから循環のお湯が出てたんだろうな。男湯の亀からは出てるみたい。

HPの画像。これ見ると循環って感じする。

男湯の湯船は亀の甲羅の形。女湯より若干大きく見える。

女湯は1人先客がいたら入るの申し訳ないサイズで、2人でどう対陣を組めばいいか難しい。さらに3人目の人がシャワーとめたら、とりあえず出るしかない。

古奈温泉は明治の温泉番付で前頭に選ばれてる。明治のも江戸時代の「諸国温泉効能覧」でも、上3泉は有馬、城崎、道後に、草津、那須、諏訪。

古奈温泉は、伊豆國小名温泉の名で記されてる。古奈とはアイヌ語を語源とし熱い水の意味をもつのだとか。

源泉内風呂付き和室というお部屋。

最近ちょいちょいお目にかかっているアパートの普通のバスで、蛇口が温泉なやつ。ちょっと心が折れるやつ。一番熱くして出すと源泉なのだそう。

湯口で53度だったので、一気に溜めると46.5度。冷ましてから、好きに湯温を調節して。ただ、足拭きマットもなく不便。私は入ってないけど、熱い湯に入れないうちの人はここオンリー。帰る前に水浸しを拭き掃除。

 

伊豆長岡温泉 あづまや旅館
★★
アルカリ性単純温泉
59.6度
pH 9.1
内風呂(男1 女1)
加水加温なし 循環消毒あり
2023.2 宿泊

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