中房温泉 中房温泉(長野)

中房温泉には、804年(延暦23年)蝦夷征伐に向かう征夷大将軍坂上田村麻呂がこの地に立ち寄り、村人を苦しめている魏志鬼八面大王を討ち、傷ついた将兵を湯で治したとの伝説が古くから残ってる。

大糸線の穂高駅から車で40分。大糸線乗り換えが面倒だったので、松本駅からレンタカーで1時間10分ほど。

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中部山岳国立公園内、海抜1,462mの北アルプス燕岳中腹に位置する秘湯の一軒宿。秘湯を守る会で、日本百名湯のひとつ。

江戸時代から続く老舗旅館で、松本藩の命で生糸を晒す時に艶を出す明礬を採取しにこの地に入り、明礬の採掘と湯小屋を始めたのが文政4年。

冬は雪に閉ざされ休業するので、初夏から晩秋まで(4月下旬から11月下旬)の半年間の営業。グリーンシーズンが登山客で賑わうみたいだけど、源泉が熱いので出来るだけ寒い時期に行きたくて、なかなかタイミングが合わず、やっとの訪問。

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玄関脇に源泉らしきもの。敷地内の至るところで湯煙が見られる。

ここは源泉数日本一の宿で、36本の源泉を有している。登録数はなんと29本で、現在利用しているのは24本。各湯船ごとに異なる源泉を楽しめる。

浴場はプールや蒸し風呂も入れると16箇所もあるので、湯巡りマップを見ながら探検する感じ。

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まずは、本館(招仙閣)の隣に建つロッジへ。

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こちらにも宿泊できる。

ロッジの中にある浴場は3つで、「大湯」と「御座の湯」、「不老泉」。大湯と御座の湯は男女別に一つずつ湯船があるけど、それ以外は混浴もしくは貸切で、湯船はひとつだけ。

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玄関に一番近いのが大湯。

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ガラス戸の先に男女別の入り口がある。

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暗めの廊下からやって来たので、脱衣所が明るくて開放感がある。木造りで棚には脱衣籠、鍵付きロッカーもある。

珍しい造りの浴場で、2階建て。左手のドアからは階下に降りられる。

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この階は脱衣所からすぐ外に出られ、露天風呂がある。

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シャワーも3つ。シャンプーなどもちゃんとある。この季節は、露天風呂でシャンプーはちょっと寒い。シャワーのお湯が暖まるのを待っていられないほど。

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中房温泉、初入湯はこの大湯。

あ、熱い。湯船は43度で湯口は55度。あちちと、すぐに出て階下のもう一つのお風呂に向かったけど、もっと熱くてすぐに戻ってきた。

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渓谷を見渡せる絶景のお風呂だけど、浸かると目の前の木々だけ。

床がぬるりとし、きゅるっと葛みたいな湯感触。pH 9.2のアルカリ性の単純硫黄温泉。ほんのり硫黄の匂いがし、つるつるの肌触り。保湿効果のあるメタケイ酸が257mgと多く含まれてる。

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源泉は蒸し風呂1号と小鍋立の混合泉。毎分80ℓの湧出量があり、源泉温度は77度。ここの源泉はどれも熱いけど、加水はせず、消毒もない源泉かけ流し。なので、全ての湯船で毎日一回灌水して清掃してるという、有り難い正真正銘の源泉かけ流し。

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階下にあるサウナ風呂も同じ源泉。

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あ、なるほど、サウナね。ちょっともわっとしてる。網戸になってるみたいだけど、こんなにこもるのか。

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シャワーが4つ。

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何も考えずに足をつけたら47.5度もあって、飛び出た。湯かき棒があるけど、混ぜてどうにかなる温度でもないような。底の方はもう少し低いのかもしれないけど。

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湯口からは57.5度の源泉。すぐ隣に蛇口あるから、自分で加水しろってことなのかな?初めての宿でルールが分からない。

足つけて飛び出たあと、上の露天風呂に戻るとすんなり入れた。

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ここからかけ流されてて、出て行く湯さえ熱い。縁は石だと思うのだけど、白めのぶつぶつした析出物が出来てる。

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次に、同じく男女別になってる御座の湯へ行ってみる。

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一瞬、外に出るような造り。建物が別なのか、渡り廊下みたいになっていて、屋根があるのでスリッパのままそのまま進む。

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このドアの向こうは明治に造られた旧湯会所なるもので、国登録有形文化財。御座の湯は1番歴史がある最古の湯。

松本藩主やウエストンが好んで入られたお風呂で、名前も藩主が付けたもの。ウエストンって誰?

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この奥の建物は、明治中期に建てられた本館菊や江戸末期の板倉などの国登録有形文化財。

右が女湯、左が男湯。

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こじんまりした脱衣所で薄暗い。

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あぁ、すごい風情。これは素敵。

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繰り返すけど、全ての湯船がかけ流しで、毎日灌水して清掃してる。ここは清掃開始が早いらしく、チェックアウト直前に入ろうと思っても入れないとの情報があり、男女別で焦らなくても良さそうだけど、優先してやって来た。

2面に窓があるけど、かなり暗い。

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源泉はそのまま御座の湯。湯船から200mくらい山の方から自然湧出してる。

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毎分18.2ℓの湧出量で、94度の単純硫黄温泉。pH 8.6のアルカリ性で、205mgもメタケイ酸を含む。

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シャワーやカランはないけど、シャンプーなどは置いてある。

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湯底まで木造りの湯船。小さめで2人先客がいたら遠慮したいサイズ。

ちょっと高めの位置から、結構な湯量がざばざば注がれ、かけ流されている。

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湯口の温度は52度。これだけ小さな湯船にこの勢いで注がれてるので、湯船は45度。横に緑のホースがある。水で埋めて入ればいいのだろうけど、浴衣を脱いで裸で待ってるのもどうか。よく知ってたら、脱ぐ前に水を投入し始めたらいいのかな。

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翌朝、再チャレンジしてみるも、47度もあったので加水さえ諦めた。

ほとんどの源泉が90度以上の高温。加水をせずに自然のエネルギー(水冷式と空冷式)で冷却し、かけ流してる。あと一歩、冷やしてから注いでほしいな。

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ロッジの建物にある3つの浴場のうち、最奥にあるのが不老泉。

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混浴の浴場で、女性専用時間帯は19時から22時まで。

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両側に出入り口と脱衣場がある混浴らしい造りで、法師温泉 長寿館(群馬) – 温泉手帖♨︎の法師乃湯を想起させる。

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梁はヒバ、壁は檜で作られた、なんとも立派で厳かな雰囲気の漂う浴場。

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壁が一部開いてる半露天みたいな造りで、冷たい空気が心地いい。

湯船の中は周りに段差があり、大きな岩が人を遮り、スペースが確保されるので居心地がいい。

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壁が開いてる側に湯口があるので、一番ぬるいであろう、右端の岩の陰に座りゆっくりお湯を堪能。40.7度と他よりぬるめ。

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ほんのり硫黄が香る単純硫黄温泉で、ぬるっぬるの肌触り。pH 8.7のアルカリ性で、毎分21ℓの自然湧出。保湿成分のメタケイ酸は226mgも含まれてる。

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湯口のあたりは岩に囲まれていて、少しずつ湯船に流れ込むようになってるのかな。熱すぎなくていい。

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囲まれたところは47度ある。源泉は蒸し風呂2号で、源泉温度は92度。

湯船から200mほど離れた湯元から引湯する途中に、タンクで水冷式で減温してから湯口に届いてる。

不老泉の建物はタンクで暖かくなった水で暖房されているのだそう。

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大きな白い湯の花が舞っていて、特に湯口の近くの底にはふぁさふぁさと漂ってる。

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ぬるりとした大きな湯の花。

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湯船の周りには溝があるけど、縁から湯は溢れてない。かけ湯した時のお湯が流れていくだけ。

排湯は汚れを取るために底から湯を抜き、温度の管理もしてるそう。

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不老泉と同じく混浴の「大浴場」と「岩風呂」にも女性時間がある。

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この2つの浴場は本館2階に向かい合ってある。

岩風呂の女性専用時間は15時から19時までなので、夕食前に入るしかない。

小さめの脱衣所。2人同時になったけど、2人でもちょっとごちゃごちゃする。

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内風呂の野天風呂って書いてあるけど、どういうことだろ。普通の廊下から入ってきたので、内風呂のイメージでドアを開けると、わ、野天風呂の方だった。

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手前側だけ屋根があり、湯船の半分以上は露天。真ん中に大きな岩の塔。

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屋根がある部分にシャワーが2つ。

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足元に溢れた湯がざばざばとかけ流されてる。

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脱衣所で会ったおばちゃんに右端の方は少しぬるいよと教えてもらったので、ずっと右端に。でも、42.5度もあって熱い。単純硫黄温泉だけど、硫黄の匂いはほとんどしなかった。

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岩から湯が出ていて、近づくとかなり熱い。

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源泉温度は93度もあり、水冷式で冷やしてる。

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源泉は滝の湯で、本館の裏手にある貸切風呂「滝の湯」と同じ。150mくらい山の方で毎分50ℓ自然湧出していて、焼山へ登る時に湯元が見られるそう。

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pH 9.0のアルカリ性で、メタケイ酸も251mg含む。あまりに熱くて、ぬるぬる感とか味わえなかった。

朝焼けが綺麗らしいけど、女性が見えるのは星空。薄暗い湯船から上を見上げると、湯煙と星が見えた。

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向かいにある大浴場は、階段を降りたところ。
女性専用時間が夜の21時から朝の8時までと長いので、女性が身体洗ったりに利用しやすい大浴場。

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右が男性用の脱衣所で、左が女性。そっか。もともと混浴だから、脱衣所が分かれてる。

ドアの目の前には目隠しの衝立があり、その奥に脱衣籠。ここもちょっと狭めなので、人とかぶるとわちゃわちゃする。

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洗面台に、ドライヤーがひとつ。

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夜にも来たけど、朝とは全く雰囲気が違う。薄暗くてちょっと怖いくらい。朝は明るくて爽やかで気持ちいい。

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中房温泉の中で1番大きい浴場。

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真ん中に湯口を挟んで、左右の壁に洗い場。カランが3つずつあるけど、シャワーは真ん中のひとつだけ。

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長い丸太の立派な湯口。

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源泉は54.8度の昭和の湯と平成新湯の混合泉。2本の合計で38ℓの自然湧出。一旦堰き止められ、徐々に湯口から注がれるようになってる。

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湯口の温度が50.5度で、湯船は42度。pH 9.1のアルカリ性単純温泉で、硫黄の匂いはしない。ぬるぬるの肌触り。

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せっかく女性が長い時間入れる湯船。硫黄泉なら嬉しいのにな。

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湯船側から見ると造りが分かりやすい。右が女性用脱衣所への出入り口で、左が男性。それぞれ出たところに洗い場がある。混浴なので、湯船の中の大きな岩が役立つのだろうな。

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建物から一番近くにある貸切風呂が「滝の湯」。本館とロッジの間の細い通路を抜けた左手にあり、帳場で鍵を借りてから行く。

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通路の先には足湯と飲泉場もある。足湯は1人用の桶に自分で温泉を入れて利用するみたい。

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飲泉場には湯温の異なる源泉。正面の調理場からも源泉を汲みに来てた。冷ました源泉も出てる。ほんのり香ばしい癖のない味でごくごく飲める。

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薬師の湯4号と5号の混合泉で、単純硫黄温泉。湯桶の底には硫黄泉っぽい白い湯の花が溜まってる。

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通路を突き抜けて右手に飲泉場、左手が滝の湯。

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滝の湯は細長い建物の両側に一つずつ、2つの貸切風呂がある。なんの説明もなかったので、初めに見えた右の湯の鍵穴に、左の湯の鍵が入らずしばらく格闘。左右にあるなんて分からない。

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左の湯はこちら側だった。

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てか、渡された鍵が左の湯だったらしい。

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こじんまりした湯船。

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かけ湯用の丸太。

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脱衣場はちょっと屋根があり、ベンチみたいになってる。足元は簀子。

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隣の右の湯と並んで、上から打たせ湯。

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上からのお湯はぬるい。湯船は43.3度。

湯船からほんの10mくらい山の中で湧いてる滝の湯2号源泉。76度の源泉温度だけど水冷式で下げ、この日の湯口は56.5度だった。

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pH 8.5のアルカリ性単純温泉で、無味無臭。他の源泉と同じくメタケイ酸が豊富。

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小さな湯船なので、毎分8ℓの湧出量でも、余裕のざばざばかけ流し。

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貸切風呂は予約制ではなく、空いていたら鍵を借りられ、30分程度の利用が目安。

滝の湯の向かいには蒸し場があり、

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少し先へ進むと、茹で卵を作れるところもある。

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夕食で、地熱蒸しローストビーフと若鳥の地熱蒸しを食べたけどかなり美味しかった。

遊歩道の横には温泉の川が流れてる。

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「綿の湯」は足湯。

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以前は、湯花が多く白い綿のように流れていたことから、名付けられたそうだけど、

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今でも白い大きめの湯の花が漂ってる。

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綿の湯の山側にある小屋は「蒸風呂」。

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手前が女性用、石段を上がったところが男性用。

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中房式の温泉サウナ。ちょっとのぞいただけだけど、しっかり水蒸気が充満してた。温泉の水蒸気を吸うことで、身体の内と外から温まるもの。

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92度の蒸し風呂2号源泉を利用してる。単純硫黄温泉。蒸し風呂の中が、硫黄の匂いだったかは覚えてない。もっともっとゆっくり時間をかけてまわれたらいいのだけど。

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本館菊など建造物7棟が国の登録有形文化財に登録されていて、蒸し風呂の奥にある田村薬師堂もそのひとつ。江戸時代の嘉永元年(1848年)の建築で、内部に安置された本尊は坂上田村麻呂が奉納したものといわれ、温泉の起源を伝えるものだそう。

左隣に建つ巨石の上に小さな祠が置かれている山の神の社も、幕末に作られた文化財。

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このままもう少し進んでいくと「月見の湯」がある。

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これが一番高い位置にある野天風呂。

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貸切じゃない混浴なので、ハードル高い。

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屋根のある小屋のような脱衣場も、あまり目隠し効果がない造り。

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ベンチのようになっていて、籠とかはない。分析書がなかったけど、源泉は大禅正で単純硫黄温泉みたい。

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入り口のところで湯温だけ測ったら、40度。なんと、ここが1番のぬる湯なのかもしれない。入る勇気ないけど。

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源泉は竹口から注がれているみたいで、反対側から川のようにざばざばかけ流されてた。

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朝焼け、月明かり、星明かりを楽しめる露天風呂。

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月見の湯から少し降りてくると、温水大プールが見え、ちょっと奥側にねっこ風呂の小さな小屋もある。

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温水大プールは歩行浴ができる大きなお風呂というかプールで、6月から10月中旬までの期間限定。

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長さ17m、幅8.7m、深さ1.2mの大きさ。

実はこのプールも、大正12年築で“近代的な温泉場の先駆けをなす”ものと評価されている国の文化財。

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湯口からは58度の源泉が出てるけど、プールの中は手前の方で35度。

夕方の薄暗い中、この季節には誰も入ってないだろうなと思いながら近づくと人影が。万が一にも入浴者がいるならうちの人だろうな。⁉︎やっぱり‥。

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プールの奥にある小さな小さな小屋がねっこ風呂。

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ケヤキの根をくり抜いた、お一人様用の湯船なので、ねっこ風呂なのだけど、損傷してて木桶の湯船だった。

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山の神という95度の源泉で単純硫黄温泉。pH 9.1のアルカリ性で毎分9.7ℓの湧出量。

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湯口からは48.5度の源泉が注がれていて、湯船は43.5度。入ってないけど、硫黄の香りがし、白いふわふわの湯の花が舞ってた。

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プールの方から降っていくと、旧林間学校の横に地熱浴場がある。

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浴衣のまま簀子の上に横になり、地面から湧き出る地熱を味わうもの。
夜は星空が綺麗だろうけど、一人で来るのは怖いな。

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これで一周ぐるりと本館とロッジのまわりを歩いて回ってきたことになる。

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地熱浴場まで含めると浴場が16箇所もあるので、到底回りきれない。

日帰り入浴できる「湯原の湯」は遠いので行ってないけど、9時半から16時までの利用時間で、日替わりで男女入れ替え。妙見の湯、古事記の湯、薬師の湯1号の3本の源泉で、湯船ごとに源泉が異なる。

湯原の湯までは降りない、林間学校の裏手にも貸切風呂がある。

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宿泊者用の駐車場まで降りて、右手へ。

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小さな小屋が貸切の「根羽の湯」。

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道沿いに湯の川が流れてる。

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昨日脱衣所で会ったおばちゃんに、1番ぬるぬるのお湯だよと教えてもらった貸切風呂。夜道を歩くの怖かったので朝イチに。

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帳場で借りた鍵で開けて入る。

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ゆったりした脱衣所。

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脱衣所と浴場の間にも木の戸。開けると全てが木。

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南信州の根羽村の根羽杉で造られた湯船。他の木も全部杉っぽい。

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天井も

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床も素敵な木造り。

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窓から外が見えて明るく清々しい。

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湯小屋の中は硫黄の香り。同じ単純硫黄泉でも、ここまでしっかり匂うのはここだけのような気がする。どの源泉もほとんど似たような成分なのにこんなに違うの?ってほど好みのお湯。

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縁から湯が溢れていて気持ちいい。朝イチの湯温は41度。

湯量を絞ってこの温度なのか、誰かが加水したかは分からないけど、熱すぎない。朝ごはんの後もどうしてももう一度味わいたくて入りに来たら、40.6度だった。

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94.7度の源泉をタンクで水冷式で冷やして、湯口は59度。絞り気味に注がれてる。

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湯口には白い湯の花が付いていて、湯船の中にもたくさん舞ってる。

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pH 9.3のアルカリ性でとろとろの湯感触。ぬるぬる肌触りで、香ばしい硫黄の匂い。メタケイ酸は286mg。

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湯船から150mほどの合戦沢の中、妙見岩の下にある大きな岩の割れ目から自然湧出してる源泉、妙見の湯。

毎分16.8ℓ湧いていて、日帰り専用の湯原の湯のひとつにも使われている。

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玄関の前にも1人足湯があり、本館裏手の足湯と同じ源泉。

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屋外にあと2つ遠い浴場がある。上に7、8分登っていく「白滝の湯」と、駐車場から下へ7、8分降って行く「菩薩の湯」。

夜暗くなると危ないから17時まで。どちらも渓谷の自然を楽しむ森林浴ができる露天風呂みたいだけど、歩いて行くの大変なので断念。こんなにたくさんのお風呂が周りにあるので、わざわざ遠くまで歩かなくても。

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まだ本館の中には「家族風呂」もある。2階の奥に2つ並んであり、空いていたら中から鍵をかけて入る。一晩中いつでも入れる。

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家みたいな洗面台のある脱衣場。

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小さな木の湯船。

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湯口から出てる源泉は、薬師の湯1、2、3号の混合泉で、pH 9.0のアルカリ性単純温泉。

部屋の近くにあり、気軽に入りやすいこのお風呂に限って硫黄泉じゃない。おそらくほとんど泉質は変わらないのだろうけど。できるなら、硫黄泉に入りたい。

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田村薬師堂の裏に湧いていて、源泉温度は55.3度。足湯の綿の湯とこの2つの家族風呂で使われてる。

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湯口は44度で、湯船は41度割れだった。おそらく加水用だと思われるホースがあるので、実際は前に入った人の匙加減の湯温なのかと。

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シンプルに縁からかけ流し。

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綿の湯と同じような白い湯の花がたくさん。

こんなにたくさんお風呂がある宿はなかなかない。過去最高かな。

部屋にお風呂なんて必要ないけど、内風呂付客室が3室ある。

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トイレの横の洗面の奥に小さな小さな湯船。

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月見の湯と同じ源泉、大禅正。pH 8.9の単純硫黄温泉。

88.6度の源泉なのだけど、湯口の温度がなんと何故か38.5度。これだけ熱いお湯ばかりなのに、何故かあまりにも低い。

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湯船の温度は35.5度。私は入ってないけど、うちの人はお風呂から出る度に、ぶるぶる震えながらストーブの前で暖をとる‥。他のお風呂に行ってきなよと勧めても、部屋を出るのが面倒くさいらしく、ぬる過ぎる部屋風呂とストーブの往復。

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遠い2つの露天風呂、日帰り露天風呂、蒸し風呂やプールなどを除いても、普通の湯船が10箇所もある。

ほとんどの湯船の泉質が単純硫黄温泉。なのに、部屋の近くの貸切風呂と一晩中女性専用時間となる大浴場がアルカリ性単純温泉という、不運。さらに、旦那さん用の部屋風呂があまりにもぬる過ぎるという、笑ってしまう残念さ。

外に出るの面倒くさいけど、根羽の湯が気に入ったので私は満足。

 

中房温泉
★★★★
単純硫黄温泉
77度〜95度
pH 8.6〜9.3
アルカリ性単純温泉
54.8度〜76.7度
pH 8.5〜9.1
男女別浴場3 混浴内風呂3 混浴露天風呂4 貸切風呂5 その他蒸し風呂やプールなど
加水加温循環消毒なし

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