山田温泉 緑霞山宿 藤井荘(長野)

東京から長野新幹線で1時間30分の長野駅で、長野電鉄に乗り換え20分前後の須坂駅。そこから車で20分ほどの山田温泉。

県北東部、上信越高原国立公園内の高山村にある信州高山温泉郷は、松川渓谷沿いに8つの温泉が点在する古くからの湯治場。

f:id:ayumu27:20210525234937j:image

山田温泉は温泉郷の中では最も多い7つの宿と2つの共同浴場(山田温泉 大湯(長野) – 温泉手帖♨︎と滝の湯)がある。元湯は江戸時代中頃の寛政10年(1798)の開湯。200余年の歴史があり、与謝野夫妻、山頭火や小林一茶など多くの文人墨客が訪れている。

森鴎外の『みちの記』に“日暮るる頃山田の温泉に着きぬ”と記されている藤井荘は、江戸末期創業。

f:id:ayumu27:20210525235129j:image

彼が別荘を建てるため土地を買いたがった松川渓谷。どの季節に訪れたんだろ。8月だって。私は新緑の時季に来ると決めてた。緑霞山宿。

f:id:ayumu27:20210525235132j:image

渓谷沿いに建っているので玄関が5階。目の前に新緑の渓谷が広がる。

大浴場は3階にあり、夜は1時まで、朝は5時から10時半まで。男女入れ替えはなし。

f:id:ayumu27:20210527173620j:image

ゆったりした脱衣所。奥に洗面台が2つあり、ドライヤーは1つだけ。

広いスペースに脱衣籠は18個。全24室しかないし十分な広さがあるけど、脱衣所を出たところにはパウダールームも設けてある。

誰かとかぶることがない独泉だったので、パウダールームへは行かず。

f:id:ayumu27:20210527173756j:image

バスタオルもフェイスタオルも備え付けで、アメニティはミキモトのものが揃ってた。

浴室との間がガラス張りになっていて、脱衣所からも露天風呂の先の緑が目に入り明るい。

f:id:ayumu27:20210527173517j:image

 

広々した浴室。湯船も大きく、洗い場もゆったり広い。仕切りのないシャワーが7つ、一列に並んでる。

 

f:id:ayumu27:20210527173805j:image

 

内風呂と露天風呂がひとつずつ。ガラス張りなのでひと続きのような錯覚で余計に広く感じる。

 

f:id:ayumu27:20210527173617j:image

 

大きな湯船は御影石なのかな。洗い場側に、溢れたお湯が流れ出ている。

 

f:id:ayumu27:20210527210727j:image

 

湯につかると、目の前に新緑が眩しく、内風呂だけでも充分楽しめる。

 

f:id:ayumu27:20210527173746j:image

 

湯口からざばざばと投入されてるお湯は45度。

 

f:id:ayumu27:20210527173719j:image

 

源泉温度が67.3度と熱い源泉なので、加水してる。殺菌のために加温もし、消毒、循環濾過もしてる。

 

だけど、塩素臭も気にならないし、湯船からざばざばかけ流してるので、さほど嫌な気はしない。窓側からもどんどん湯が溢れ出ていく。

 

f:id:ayumu27:20210527173655j:image

 

湯船の温度は41.2度とややぬるめに設定されてる。加温循環させてて熱すぎると本当に嫌だけど、熱すぎなくてなにより。

 

湯底の端にざらりとするものはあったけど、湯の花がふわふわ舞うことはなく、土っぽい匂いが残ってるだけ。肌をさすると、きゅうっと吸い付くような肌触り。天然の保湿成分メタケイ酸が119mgも含まれてるけど、循環消毒してたら効く気がしない。

 

f:id:ayumu27:20210527173520j:image

 

露天風呂は少し小さめ。先客が2人いたら遠慮するくらいだけど、友人3人ならゆったりといったサイズ。

 

f:id:ayumu27:20210527173531j:image

 

手前側に気持ちよく湯がかけ流されてる。

 

f:id:ayumu27:20210527173542j:image
こんなにお湯が投入されてるんだと驚くほどのざばざばかけ流し。

 

f:id:ayumu27:20210527173702j:image
湯底から43度のお湯が投入されていて、湯船は42.5度と熱め。

 

f:id:ayumu27:20210527173549j:image

 

循環濾過していても、手すりにこれだけ析出物が付いてる。溶存物質が4,700mgの濃い温泉。

 

f:id:ayumu27:20210527173545j:image

 

平成17年の分析書だと含硫黄がついてたけど、翌年のだとナトリウム・カルシウム-塩化物泉。硫黄の香りは感じとれない。

 

f:id:ayumu27:20210527213030j:image
pH 7.3の中性。消毒、洗浄効果のあるホウ酸が171mgとかなりたくさん含まれてる。

 

f:id:ayumu27:20210527173538j:image

 

古くから“心を癒す温泉”と親しまれているそうだけど、それは松川渓谷のことかな。渓谷を眺めながら入る温泉が、心を癒してくれそう。

 

f:id:ayumu27:20210527173534j:image

 

朝、宿の散策路をさんぽ。

 

f:id:ayumu27:20210528135002j:image

 

裏口から渓谷へ降りることができる。

 

f:id:ayumu27:20210528135005j:image

 

緑に包まれた散策路。秋の紅葉が綺麗らしいけど、予約も取りづらいらしいけど、絶対新緑でしょう。

 

f:id:ayumu27:20210528135009j:image

 

宿泊者は2つの共同浴場にも入れる。藤井荘の目の前にある「滝の湯」は地元の方専用だけど、利用させてもらえる。

 

f:id:ayumu27:20210528132424j:image

 

ただ、残念なことに、今はコロナで地元民のみ。残念だなぁとうらめしく眺めてたら、屋根に猿。暖をとってたみたい。

 

f:id:ayumu27:20210528132419j:image

 

すぐそばにある、もうひとつの「山田温泉 大湯(長野) – 温泉手帖♨︎」。部屋から大浴場まで、これくらい距離ある宿もあるので、外だけど超近い。

 

f:id:ayumu27:20210528132413j:image

 

桃山風建築の風格ある佇まい。鄙びた感じもたまらない。

 

宿の大浴場がかけ流しじゃないと分かっていたので、最初からこの共同浴場に行く気満々だった。

 

浴衣のまま、フロントでタオル(バスタオルもフェイスタオルも持たせてくれる)と入浴券をもらって、クロックスで歩いてく。夕方と早朝の2回行ったけど、ほんとは夜も(夕食後間に合わなかった)朝食後も(シャンプーするから大浴場で我慢)行きたかった。

 

f:id:ayumu27:20210528134433j:image

 

ぽんぽん鍋という特製オイルフォンデュ。高山村の恵みをシンプルにオイル揚げしてくれる。稚鮎が最強に美味しかった。

 

加水加温循環消毒ありにも関わらず、ひとにお勧めできる宿。

 

 

山田温泉 緑霞山宿 藤井荘
★★
ナトリウム・カルシウム-塩化物泉
67.3度
pH 7.3
内風呂(男1女1)露天風呂(男1女1)
加水加温循環消毒あり

 

コメント

error: Content is protected !!