北陸新幹線の長岡駅から車で15分の寺宝温泉。
ボーリング(削井)業の経営をしていたご主人が癌を患い、全国の温泉や湯治場を巡ったけど満足できる温泉がなく、人生最後の仕事と奮起して自宅の空地に自分のために掘った温泉。
3種類の源泉の湧出に成功し、十数年間でさまざまな体調の改善を体験したそう。
1999年に日帰り入浴施設として温泉場を開放、2007年から宿泊施設の提供を始めている。
2階と3階が客室で、基本は素泊まり。湯治宿的な設備で、レンジや冷蔵庫があり持ち込み可。仕出しを頼むこともできる。
日帰り利用時間は8時から21時、宿泊者の利用時間は7時半から21時と、宿泊のメリットは朝の僅か30分しかない。切ない時間設定。
それでも、温泉が出るお風呂付きの部屋があったので、宿泊することに。
ほんとに普通の綺麗なお風呂。赤い方のカランをひねると温泉が出る。
が!チェックイン時に「温泉が出るのは夜は21時までです」とな。きょえー。朝は5時くらいから出るとのことだったけど、ショック。
とりあえず21時ギリギリに溜めとくことにしたけど、加温された48度くらいの熱いお湯だったので、早朝まで足し湯しなくても大丈夫だったみたい。
大浴場は2つあり、毎日男女入れ替え。ほぼ線対称の配置で、内湯が2つずつ、露天風呂が2つずつ。真ん中の巨石風呂だけが1日交代。
着いた日は手前が女湯だった。
以前は脱衣所がかなり狭かったらしく、その心づもりで行ってみたら、2部屋もあり洗面台やドライヤーもあり綺麗で広々。利用者が多いので髪の毛は結構落ちてたけど。
湯船は4つ、日により5つで、それぞれの湯船の湯温が異なる。気分や体調に合わせ、好みの温度でゆっくり入ることができる。
脱衣所と浴室のドアは開けっ放し(おそらく現地ルール)で、露天風呂まで見える。
入るとまず、内風呂が左右にある。右が加温湯船で42度弱、左が源泉かけ流しで37度くらい。
洗い場は手前の壁面に左右2つずつ。1つずつ間仕切りがある。少なくてびっくりしたけど、露天風呂エリアにも2つあった。それでも、入浴客の多さに対して少ない。
湯船と洗い場の間には半透明の仕切り板があり、シャワーの湯が飛び散ったりしないようになってる。
シャワーとカランはpH 7.5の単純泉。湯船に使われているのとは別の源泉。
加温湯船には入らなかったけど、露天風呂と交互浴してる人や、上がり湯で暖まる人は多くいた。この湯船だけが唯一、かけ流しではなく、おそらく消毒もされてる湯船なんだと思う。
もう一方の源泉かけ流し湯船が初日のお気に入り。
湯口から出てくるのは39度の源泉。鉄の匂いがする薄い琥珀色で、少し塩気がある。
飲泉もできるみたいだけど、どこかに飲泉所があったのかな。
お湯の中に泡がすんごい舞っていて、それが身体に付くのであっという間に泡だらけになる。
ふわぬるの湯感触で、さすると泡がしゅわしゅわ。ん〜、たまらん。
遊離二酸化炭素11mgでこんなになる⁈ 炭酸水素イオンが689mg含まれてるからとの説明だけど‥。大量のガスとともに湧き出ている源泉をうまく湯船に運んでるからなのかな。新鮮さを表す泡か。
湯口で39度の源泉をかけ流し、湯船の湯温は37度くらいの極上のぬる湯。
あ、かけ流しではなく‘かけ捨て’が、ここのこだわり。全ての湯船が源泉かけ捨て。捨てるほどに十分な温泉が湧いている。
翌朝、男女入れ替え後の奥の大浴場の内湯は、昨日と線対称で右が源泉かけ流しのぬる湯、左が加温湯船。
今朝もたっぷりかけ流し、じゃなくて、100%かけ捨て。
2つの内湯の間の狭い通路から露天風呂へ出る。
手前に岩風呂があり、右手にシャワーが2つ。奥に檜風呂。
露天風呂といっても屋根があり、雨がかかる部分はほんの少し。でも、屋外と言えば屋外で、雨蛙とかいる。
日中はこの岩風呂に入ってる人が多かった。大きな声で喋り散らす3人組のおばちゃんズがやっと出たと思ったら、6人組のおばあちゃんズ。ここだけめっちゃ蜜だった。黙ってくれてたらいいけど、喋り倒してた。
37.5度ほどの湯船。永遠に入っていられる湯温だから、みんな長湯。
湯口からは35度くらいの無臭の湯が注がれてる。
この源泉は従来の自噴泉で、源泉温度30.4度の単純泉なんだそう。(pH7.8、湧出量は毎分110ℓ)透明だけどほんのり黄色がかってる。モール泉みたい。
湯船の温度が37.5度ということは、別の湯が注がれているということ。
湯面がぼこぼこと音を立てて盛り上がっているところが2、3箇所ある。
この湯底から投入されている源泉は、寺宝温泉あわの湯という40.7度のナトリウム-塩化物泉でpH8.0の弱アルカリ性。
ミネラル豊富な源泉を1,200mの深さから直接湯船に入れるので、体中にたくさんの気泡が付き、体に悪い活性酸素を体外に出してくれるとの説明。
ぼこぼこ音がそれほど心地よくなく、泡付きも内湯ほど気持ち良さを感じなかったので、あまり長湯はせず、奥の檜風呂へ。
大きな長方形の湯船。こちらもぼこぼこと波立ってる。
湯底の端っこに穴の開いた塩ビ管が端から端まであって、そこから泡を伴いながら源泉が注がれている。
湯に浸かっていても、ぼっこんぼっこんいってて、私的には心安らかにいられない。湯温は38度ちょっとあって、岩風呂より少し暖かめ。
もちろん泡付きもあるけど、それを愉しめない激しさの水流。奥側の方が泡の放流が激しく、手前側はほとんど泡のないお湯が出てる。
翌朝は、ぼこぼこしてない手前側に浸かった。細かい泡が湯の花みたいにたくさん舞ってて、身体に引っ付いてくる。
よく見ると三片に湯の出るパイプ(塩ビ管?)が配置されてた。ざっばざばと豪快にかけ流されてる。
ひとつだけの巨石風呂は、初日の手前の大浴場の時に入れた。囲いがあって、露天風呂エリアだけど、小部屋みたいな感じ。
水戸から運んだ20トンの巨石をくり抜いて造った湯船。
湯船は深めで、塩ビ管で作った椅子が置いてある。これは使わずに、手前の入り口のところの岩に座り半身浴してる人が多い。たまに肩まで浸かっての繰り返し。
2人入ってると、もう入りづらい。38度割れのぬる湯なのでみんな長湯、なかなか入れ替わらず入るチャンスがやってこない。
檜風呂と同じようにこのパイプから湯船の中に直接源泉が投入されていて、ぼこぼこと音を立ててる。泉質劣化しないように、空気に触れることなく注がれているので泡を伴うのかな。
細かい泡がたくさん舞っていて、泡が付きふわふわの肌触り。
溢れる湯は入り口のくぼみからかけ流されている。
翌朝、7時半から宿泊メリットの30分を味わうため、意気込んで15分前に1階に降りたら、6人組のばあちゃんズがもうスタンバりつつ座談会してた。
時間のほんの少し前にどうぞ〜と声がかかり、ばあちゃんズに混じって奥の大浴場へ。
線対称で巨石風呂がないだけ。なんだけど、岩風呂のぼこぼこがちょっと違う。昨日の岩風呂はぼこぼこが気になりあまり好みじゃなかったけど、こちらのはぼこぼこじゃなく、しゅわ〜っと泡が噴出してる感じ。
3箇所から噴出する泡で、湯口から離れていても身体があわあわになる。ものすごい泡付き。ふわっふわのしゅわっしゅわの肌触り。湯面に泡がぷちぷち弾けてる。朝はこの湯船の虜だった。
自噴式と謳っている、直接源泉を湯底から投入するのがいいのかな。すごい泡。
炭酸の泡は血行促進の効果があるので、老廃物を流してくれ、むくみなどに効き美肌効果もある。むくみに関係あるのか分からないけど、ほっぺたの肌の細胞が満ちた感じで、肌に凹凸がなくなった。すんごいきめ細かくなる感じ。
成分総計4122mgのナトリウム-塩化物温泉。細かく見ても、それほど珍しい成分ではない。何がどう作用して、泡が凄かったり、肌がきめ細かくなったりするのかさっぱり分からない。本来、塩化物泉が苦手なのに何故か肌に合った。結局、自分自身で確かめるしかないのかも。
新幹線の駅から15分の近さでこの泉質。21時までしか入れないのが痛いけど、規則正しく生活すると思えば。
ただ、21時からは外出もできないので(施設の出入り口が施錠される)、夕食を外に食べに出る場合、入浴可能時間に行くわけで、その時間が惜しい。
でも長岡名物を食べたい。生姜醤油系ラーメンのパイオニアという青島食堂の青島チャーシュー頂きました。
寺宝温泉 純生の湯 寺宝温泉
★★★★★
ナトリウム-塩化物温泉
40.7度
pH 8.0
330ℓ/分 内190ℓ利用
内風呂4(東2西2)露天風呂5(東2西2巨石1)
加水加温循環消毒なし※内風呂の片方は加温消毒あり
2020.7.11 宿泊
コメント