西山温泉 慶雲館(山梨)

山梨県早川町、南アルプスの麓 標高800mの大自然の山峡の宿、慶雲館。創業は飛鳥時代の慶雲2年(705年)で、世界最古の宿としてギネス認定を受けている。

藤原鎌足の長男、真人が開湯した温泉で、孝謙天皇や武田信玄、徳川家康などもここの湯に浸かったと伝えられる、1300年以上の歴史がある。

最寄駅の身延駅から宿の送迎バスで1時間弱。全35室(現在は22室で営業中)の宿だけど、この日は送迎バスに6組も乗ってた。

身延駅までは、あずさで1時間半かけて甲府へ行き、身延線に乗り換えて1時間弱。かなりアクセスしづらい温泉地。

あと3kmほど先に進んだところが奈良田温泉 白根館(山梨)- 温泉手帖♨︎ 。すごく良かったからまた行きたいなと思っていてもなかなか行けない。

自然湧出の源泉を4本もち、飲泉もできる。

最上階の4階に、男女別の展望大浴場「桧香の湯」と「石風の湯」がある。夜の20時と朝の8時に2回男女入れ替え。

広々した脱衣所。奥には別に洗面スペース(パウダールームか)もある。

桧香の湯は、床にまで木が敷き詰められた浴室。

仕切りのある洗い場で、シャワーが10個。

湯船には、樹齢2000年以上の古代檜が生木のまま倒木したものを利用。木の香り漂う檜風呂。美しい湯船。

縁からさらさらと湯が溢れ続けてるかけ流し。

湯口からは泡を伴ってざばざばと源泉が注がれてる。身体に泡付きがあり、ふわぬるの肌触り。

湯口で45.5度くらい。この辺りは42度超えだけど、離れた場所だと41.7度ほど。湯口からの湯を受けると、ほんのり硫黄の香り。

開湯1300年を記念して温泉を掘ったところ、毎分1630の自噴泉を掘り当てることに成功。従来からの慶雲2年(西暦705年)に発見された温泉と合わせると2000を超える湯量。

毎分1630の湧出量は掘削自噴泉の湯量としては日本一なのだそう。ん?単独湧出口の自然湧出量の日本一は中ノ沢温泉 御宿 万葉亭(福島)- 温泉手帖♨︎の毎分13,400ℓ。次いで玉川温泉(秋田)- 温泉手帖♨︎の9,000ℓかと。これは自然湧出だから、掘削自噴だと、ってことかな。

大浴場や客室のお風呂はもちろん、給湯やシャワーに至るまですべて源泉かけ流し。

シャワーを顔にかけると、湯に浸かってる時よりも硫黄の匂いがする。

従来からの4本の自然湧出泉は、pH 9.1のアルカリ性単純温泉。本当にほんのわずかのところで単純温泉になってるけど、ほぼナトリウム・カルシウム硫酸塩・塩化物泉。新しい源泉の泉質と同じ。新源泉はpH 9.2のアルカリ性で源泉温度50.9度。

奥に小さな湯船があり、ジェットバス。こちらは38度と思いきったぬる湯で、かけ流しではない。

白いふわふわした塊になった湯の花が少し。

湯船の中も、外の木の床もかなり滑る。特に湯口近くの湯底はぬるっぬる。湯口側は膝下までしかない浅さで、離れた3分の2くらいの部分は膝上と、浅めの湯船。

もう一方の石風の湯は、脱衣所も洗い場もほぼ同じ作り。窓からは大自然を眺められる。

こちらは石造りの湯船。

右側の大きな湯船は源泉かけ流しで、

縁から溢れたお湯が段差の部分をつたってく。

湯口には白い湯の花がこびり付いてる。45度で、手のひらですくって飲むのも余裕な温度。硫黄の香りが香ばしい。

湯口の近くにいると、ものすごい泡付きでふわぬるのあわあわが気持ちいいけど、42度超えで熱い。端っこまで逃げると41.7度。

小さい方はかけ流しではなく、38度ちょいのお湯が溜まってるという感じ。

明るくなり始めた頃、ジェットバスが動き出してたので、もしかしたらもっと湯温も上がったのかも

大浴場と同じ階にもう一つ展望野天風呂の「望渓の湯」がある。

ひとつしかなくて、時間で男女交代制。夜の8時から朝の8時までが女湯だった。

大浴場と比べるとこじんまりした脱衣所。洗面台はひとつ。

外へ出ると、左手にシャワーが2つ。

右手に扉があり、展望サウナ。朝行ったので時間外みたいだけど、灯りは付いてた。

東屋風の屋根が手前だけ。

楕円形の大きな湯船。

振り返るとサウナ室、大きな窓になってる。

美しい高野槙の湯船。

浅めの作りで、細い木の縁を越えて、ざばざばかけ流されてる。

湯口から出る源泉は、45.5度から46.5度くらいを行ったり来たり。2本の源泉の湯量で湯温を調節してるのかな。

ほんのり塩気があり、硫化水素臭がしっかりする。

湯船は湯口に近いところだと42度超えるけど、端っこは41.6度。

雪の舞う早川の渓谷美を望むことができる野天風呂。

この展望野天風呂の望渓の湯と、時間制で男女が替わる野天風呂「白鳳の湯」が1階にある。

1階に降り、野天風呂入口から外に出る。左手にこの白鳳の湯があり、右手に進むと貸切風呂。

かなり間引かれた脱衣棚。洗面台にはドライヤーもある。

大きな屋根が付いてる。湯船の向こうは渓流。

左手にシャワーが2つあり、

またもやサウナ付き。

地元の白鳳石を使った湯船。白鳳石は早川流域で産出される石で、硯山五色石の一つ。儗灰石で赤、黄、青、白、黒のまだらのあるものが多くあるのが特徴なのだそう。

かなりの大きさ。さすが毎分2000を超える湯量。贅沢な源泉かけ流し。

ざばざばと渓流側へかけ流されてる。

奥の岩の間から51.5度の源泉が投入されてる。

この辺りは43度近くあり、湯船は42.5度から、一番ぬるくても42度。真ん中あたりからも投入されてたかも。

湯口に張り付いてる茶色の湯の花。ふわふわ舞ってるものも茶色。

真冬の渓流沿いの野天風呂だから、ちょうど適温なのかもだけど、私的にはちょっと熱い。

同じ階にある2つの貸切野天風呂は予約制。チェックイン後にフロントに電話して予約。ぼやぼやしてたら空きがなくなるのでは。

手前にあるのが「瀬音」、希望の時間に借りられたのは奥の「川音」。

中から鍵をかけるのが難しくて、結局内鍵かけられないまま入浴。

脱衣所は寒いけど、十分な棚と流しもある。

全部の浴室の入口に書いてたと思うけど、“●この温泉は源泉かけながし、飲用可能です。”と。

広い。大きな石造りの野天風呂。シャワーもひとつある。

湯船から溢れるお湯は、小さな川のように渓流に向かって流れ出ている。

湯口は一番奥の岩の上部に。湯口の近くは43度あり、離れたところで41.5度とちょうどいい。一番ぬるめの湯船だった。

熱くて手のひらで受けるには一瞬少量しか無理なんだけど、硫黄の香りがほんのりする香ばしい味。じっとり肌に張り付くような湯感触。

周りの岩には白い析出物がたくさん。湯の中の岩には、白くて透明な湯の花がふわふわと引っ付いてる。大きめの湯の花がふわふわ舞ってる。

昔からの自然湧出の源泉4本の湧出量は毎分180ℓほどで、源泉温度は40.3度。おそらく加温しないとダメだっただろうし、こんなに大きな湯船を6つもかけ流しにすることは到底出来ない。新源泉が50度もあり、毎分1630ℓもの湯量が出たから、加温なしのかけ流しが可能に。ほんと奇跡みたい。開湯1300年記念に掘ることにしたのがすごい。

そんな豊富な湯量で、すべてのお部屋に源泉かけ流しのお風呂がある。

露天風呂付きの部屋。

雪がちらつくすごい寒い日で、外でシャワー浴びるのが辛いけど、一応屋根付きで、シャワーがありシャンプーなども備え付いてる。

かなり大きな檜造りの湯船。紫尾温泉くすのき荘(鹿児島)- 温泉手帖♨︎を彷彿させる。

眼下に早川の渓谷。

大きな湯船はたっぷりの源泉で満たされ、ざばざばと溢れる湯がかけ流されてる。

湯口で44.5度。チェックイン時には42.7 度ありちょっと熱いなと懸念してたけど、外が真っ暗になった頃には42度ほどに。きっと夜中は外気がもっと冷えて、湯温も下がりちょうどよくなりそう。

泡付きがすごくて、ふわぬるのぬるぬる。気持ちいい。なんじゃこりゃ、この泡は新鮮だから?湯の出し方?檜風呂効果?遊離二酸化炭素は全く含まれてないのに。ふわぬる、ほんと気持ち良かった。

 

西山温泉 慶雲館
★★★★
[慶雲館(目湯、穴湯、御座湯、御殿湯)]
アルカリ性単純温泉
40.3度
pH 9.1
183ℓ/分(自然湧出)
[慶雲の湯]
ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉
50.9度
pH 6.4
1630ℓ/分(掘削自噴)
内風呂2 露天風呂2 貸切露天風呂2
加温加水循環消毒なし
2022.12 宿泊

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