名古屋から特急しなので30分前後の多治見駅。そこから車で20分ほどの土岐市の山神温泉。土岐市駅からだと15分なんだけど、特急がとまらない。
土岐市は焼き物で栄えた町。全国から買い付けに来る商社をもてなしてきた山神温泉の湯乃元館は、現在4代目。
大正時代に温泉の申請をした貴重な書類が展示されてる。
薬師如来碑イコール薬師堂だと思い込んでたので、碑を探さなかったのだけど。
鎌倉時代に、美濃の山奥に逃れ込んだ傷を負った落武者の夢枕に薬師如来が現われ、谷川で傷を洗いなさいと告げられ、傷が直ったのが始まり。その武士が川のほとりに薬師碑を建て、それ以来、地元の人たちの湯治場だったそう。開湯700年の歴史ある山神温泉。
勝手な位置関係でこれが源泉なのかな。中からてぃんてぃんって音がしてた。今も自噴してる源泉。一つ前の分析書だと毎分60ℓの湧出量だけど、最新のだと10ℓに減ってて心配。
大浴場は客室のすぐそばにあり、翌朝8時半まで一晩中入ることができる。
男女の入れ替えはなし。
脱衣所には洗面台が4つもあり、アメニティも揃ってる。脱衣籠の中にある、この黒い籠は何用なんだろう。
ガラス窓が気持ちよく開放的な浴室。
洗い場にシャワーが5つ。浴室の壁には、陶器の里である美濃焼の織部・志野のタイルが使用されてる。
外の庭が綺麗に整備されてるからか、心地よく湯浴みできる。
全5室の宿なのに、随分大きな湯船だなと思ったら、お昼のお食事や宴会、披露宴などができ、その際も温泉に入れるようになってる。
大正時代、ここに大衆浴場ができ、昭和の初めに、休憩所や食堂を加えて旅館にしたのが湯乃元館。
源泉温度が20度の冷鉱泉だから加温してて、湧出量も毎分10ℓしかないので循環だからあまり期待してなかったけど、清潔で気持ちいい。塩素臭もほとんど気にならない。
pH 9.2のアルカリ性。ぬめりのあるぬるふわの肌触りで、見た目にもとろりとしたお湯。
湯口から注がれる湯の泡立ちが、とろり感を思わせるような。
湯口は42.5度で湯船は40.5度とぬるめの適温だった。
お湯は縁から溢れそうで溢れなかったと思う。独りで入っても溢れなくて、一度だけ2人組と一緒になったとき、チャンス!溢れるかどうか体感できると思って、湯船の中で心待ちにしてたんだけど、めっちゃ身体を丁寧に洗う人たちで、なかなか入ってきてくれない。
結局、のぼせそうで耐えきれず断念。
5室のうち3室に温泉が付いてる。
これがかけ流しとあったので楽しみにしてたのだけど、縁から溢れない循環だった。
どう見ても溢れる要素ないような。
大浴場と同じく熱くしない湯加減がよかった。40.5度から41度くらい。湯口は最初測ったときは、46度の熱めの湯が出てたけど、その都度変わる。
夜に入ったとき、湯船が少し熱くなりすぎてるなと思ってたら、入ってる間に冷たいのがかなりの量注がれた。もしかしたら源泉なのかなとも思って有り難く触ると、ぬめりを感じてしまう、この思い込み感覚。
ふわふわつるつるの肌触りで、循環特有の感じもあるけど、アルカリ感もある。
若旦那も仲居さんもおもてなしが素晴らしく、食事も飛騨牛も美味しく、美濃焼も素敵。循環なのに一晩中たった5組のために入らせてくれる大浴場も、思ってたより心地よく、とても好印象なお宿。
山神温泉 湯乃元館
★★
アルカリ性単純弱放射能冷鉱泉
20.6度
pH 9.2
10ℓ/分(自噴)
内風呂(男1女1)
加水なし 加温循環消毒あり
2024.11 宿泊
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