花敷温泉 来里の時 囲炉裏の御宿 花敷の湯(群馬)

群馬の草津温泉四万温泉 積善館(群馬) – 温泉手帖♨︎の中間に位置している秘境、六合(くに)の里の六合温泉郷花敷温泉尻焼温泉湯の平温泉、応徳温泉の4つの温泉地があり、すべてが源泉かけ流し。

 

この辺り、いくつも温泉あるけどなかなか行きづらい。

 

吾妻線で高崎から長野原草津口駅まで1時間半。駅から花敷温泉まで、バスかレンタカーで30分弱。高崎までは新幹線で1時間弱だけど、その後の在来線の1時間半ってまあまあきつい。

 

今回は高崎駅からレンタカーで1時間45分。

 

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花敷温泉は群馬でも開湯が古く、鎌倉時代の建久3年(1192)。狩りで訪れた源頼朝

 

“山桜夕日に映える花敷て谷間に煙る湯にぞ入る山”

 

と詠んだことから花敷温泉と名が付いている。

 

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昔は4軒の旅館や民宿があったそうだけど今は花敷の湯だけ。たった一軒で、お湯と温泉名を守り続けている花敷の一軒宿。

 

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男女別の大浴場は内風呂のみで、翌朝10時まで一晩中利用できる。男女入れ替えはなし。

 

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整然とした脱衣所。アメニティやドライヤーは撤去し、各部屋に備え付けてある。ここに持ってきて使っても大丈夫。

 

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決して広くはないけど、ゆったりとした浴室。内風呂だけのシンプルな造り。

 

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仕切りのあるシャワーが3つ。このシャワー、ちょっと変わっててレトロな造り。お湯は出るまでかなりの時間がかかる。そして、シャワーの水圧が強くて肌への刺激がすごい。水量の調節をうまくしないと、痛い。

 

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2面がガラス戸で緑が見えてるから、ゆったり感じるのかな。特に翌朝は窓が開いてて気持ちよかった。

 

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湯船の手前側からさらさらと湯がかけ流されていて、ざぶんと浸かると洗い場側にも湯が溢れ出ていく。

 

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壁に面していない2辺に段差があるので、半身浴もできる。

 

夕方の湯船は42度。熱いのかぁとがっかりしたけど、翌朝は40.5度とちょうど気持ちいいぬる湯だった。

 

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湯口からはお湯が出ていなくて、

 

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湯底の穴から投入されてる。お湯を空気に触れさせないで、新鮮な源泉を味わえるようにしてるのかな。

 

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この穴の湯温、夕方は43度で翌朝は42度。湯船が40.5度までぬるまってたので、夜中はもう少しぬるい源泉が出てたのかもしれない。

 

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源泉温度が43度のカルシウム・ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉。白砂川と長笹沢川が合流する河畔に湧いてる。ほんのすぐそばに尻焼温泉の川の大露天風呂があるけど、泉質が違う。

 

毎分200ℓと豊富な湯量を誇る源泉で、館内にあるすべての湯船で源泉かけ流しの湯を堪能できる。

 

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新しい感じの浴室なのだけど、上を見上げると秘湯の湯小屋って趣きの木の天井。創業58年のお宿で、2017年に一部リニューアルしてる。

 

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出ることなかったけど、このテラスもリニューアルされたのかな。

 

湯上がりの肌は、意外なほどねっとりしてる。塩化物泉の塩の効果もあるけど、硫酸塩泉が肌に水分を浸透させる。

 

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大浴場に露天風呂はないけど、予約不要の貸切露天風呂が2つある。

 

帳場の横に鍵があれば空いてる。部屋の木札と交換で露天風呂の鍵を持って、大浴場の先にある出入り口から外へ。

 

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1回50分までで、何度でも利用できる。全4室の宿なので、よっぽどじゃなければ空いてる。時間は夜23時半までで、朝は6時から10時まで。

 

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外といっても屋根がある。階段の先に「石の湯」と「岩の湯」。

 

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手前にある石の湯の鍵を持って来たので、まずはこちらから。

 

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脱衣場と湯船エリアが一体型のゆったりした造り。手前に流し台もある。

 

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鍵の閉め方が独特で、右側にある木の板を左に180°回転させて、持って来た棒を挿して固定する。

 

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こじんまりした石の湯船。シャワーなどはなく、かけ湯のみ。大浴場に入ってから来るように一言説明があったらいいかも。

 

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ほぼ屋根があるのだけど、

 

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湯船の目の前の部分だけ露天になってる。それでも葉っぱや虫が結構この中に入ってきてる。

 

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段差の部分が広めで、本来の深さの部分が小さい。2人とかで来てしまうと微妙なのでは。

 

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湯温は42度なので、さっきの内風呂と同じ。湯底の穴からは42.6度の源泉。ふと気付く。どこも大体同じ湯温の源泉が湯底の穴から出てるのなら、湯船が大きい方がぬるいはず。石じゃなくて岩だったかー。

 

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溢れ出たお湯はこの小さな穴から排湯されてく。ざばーっとつかると、穴が若干のパニックに。

 

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湯底から投入する方式だからか、泡付きが結構あって、ふわりとした肌触り。泡がなくなるまでさすると、つるつる浴感。

 

半身浴でも汗がだらだら。さすがに42度は熱い。真冬に来るといいな。

 

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もうひとつの岩の湯は、押し戸を入ってから、数段石段を上がる。自分で電気を付けて、消してから出る。虫がくるから。

 

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かなり広めの脱衣場と浴室。これくらいの大きさの大浴場、あるくらい。

 

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湯船も大きい。予想通り、夕方の湯温は41.3度で、1番ぬるめの湯船だった。石の湯で汗だくだったので、入る気力はなく測っただけ。悔しい。

 

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正面の木枠以外はほぼ覆われてるので、露天感がなく、虫とか葉っぱとかも心配しなくていい。

 

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でも朝陽が差し込み、新緑が眩しいほど目に入る。

 

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翌朝、意気揚々と岩の湯を選択してやってきたら、湯温は42度と想定外に熱くてがっかり。それでも、湯船が広めで湯口が手前寄りにあるので、奥は42度割れ。

 

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この湯船も他と同じく湯底に湯口があり、穴付近で42.7度。ここが硫黄が1番匂う気がした。消毒臭は全然分からない。保健所からの強制はないのだけど、一応、塩素消毒してるそう。

 

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排湯口から溢れる湯量がざばざばすごい。これだけの量を投入すれば、もちろん新鮮で気持ちいいけど、熱くもなるか。

 

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4室のうち1室、花の壱番客室には、テラスに専用露天風呂がある。

 

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2人ゆったりくらいの大きさの湯船。

 

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チェアがあるけど、葉っぱや小さな虫がすでにぱらぱらといて、近づけない。

 

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湯船の手前にはシャワーもある。

 

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枠は木で、底は石造りだったような。

 

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唯一、湯口が外にある湯船だ。

 

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チェックイン直後の湯船は42度超え。湯量の調整ができるとのことだったので、ぬる湯がいいので湯量を絞ってほしいとお願い。

 

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ぬるくなり過ぎるかもと言われたけど、全然かまいませんと。

 

しばらくして湯温が40.5度と適温に。

 

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湯口は43度だけど、湯底の穴から出てくるお湯が41度だったので、そっか湯底の方で調整してるのかと。

 

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木の縁の削られた部分から湯が溢れ出るようになっていて、テラスの木が床暖房みたくほんのり暖かくて、歩き心地がいい。計算して作ってるのかな。特に寒い季節に重宝しそう。

 

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夜、ぬる湯を楽しみに入ったら41.3度。夜中に冷えないように湯量を増やしてくれたのかな。

 

湯口からは42.3度のお湯。硫黄がふわりと香る。気持ちよくてこれで顔を洗う。じっとりした湯感触。カルシウム・硫酸塩泉は皮膚細胞を再生し、肌の弾力を回復し引き締めてくれる。

 

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この時の湯底から出てくるお湯がかなり熱くて、49.3度もあったので、加温してるのかぁと残念に思った。

 

翌朝、女将さんらしき方に聞いてみたら、全く加温せずの源泉かけ流しだと。疑ってごめんなさい。湯量を増やすと一時的に熱くなるとのこと。ちょうどそのタイミングだったのか。

 

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朝は、穴が40.8度の湯船が40度ちょいの適温に。今思えば、大浴場の内風呂も朝はこれくらいの湯温だった。時間や湯量によって、かなり湯温が変わるのかな。

 

朝食後、大浴場から部屋に戻ると、部屋のお風呂に入っていない旦那さん。めずらしいな。聞いてみたら、

 

「アブが出た」と。

 

のぞいてみると、2匹うろうろしてる。

 

広河原温泉 間欠泉 湯の華(山形) – 温泉手帖♨︎のアブまみれを、奥津温泉 奥津荘(岡山) – 温泉手帖♨︎の胸に噛み付いていたアブを思い出して恐怖がよみがえる。

 

清流沿いの温泉は初夏から夏は気をつけなきゃいけない。

 

 

花敷温泉 囲炉裏の御宿 花敷の湯
★★★
カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉
43.0度
pH 7.9
内風呂(男1女1)貸切露天風呂2 客室露天風呂1
加水加温循環なし 消毒あり

 

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