戸倉上山田温泉 湯元 上山田ホテル(長野)

長野駅からしなの鉄道に乗り換え30分弱の戸倉駅。そこから送迎車で10分足らずの戸倉上山田温泉は、開湯120 年を超える温泉地。

千曲川沿いの旧戸倉町の戸倉温泉・新戸倉温泉と、旧上山田町の上山田温泉の総称が戸倉上山田温泉。

前回は老舗旅館 戸倉上山田温泉 笹屋ホテル 豊年虫(長野)-温泉手帖♨︎ に。今回の湯元 上山田ホテルも大正8年創業と100年を超える老舗。名称を“ホテル”として歴史は古く、当時はモダンで洒落た名前だったのだろうな。地元では屋号を付けず「ホテルさん」と呼ばれてる。

大浴場は2箇所。1階に露天風呂、6階に内風呂。

“ふろや”のレトロな暖簾のある自動ドアから外へ。室内スリッパのまま。

男女入れ替えはなく、翌朝の9時半まで一晩中利用できる。

脱衣所はゴザの下にホットカーペットが敷いてあり、足裏が少し温かい。両端に脱衣籠のある棚がある。

あると思わなかった洗い場。しかも室内。

これは露天風呂に嬉しい。しかも総木造り。湯治場みたいな風情がある。

女湯の露天風呂は湯船が2つ。湯船の上には屋根もある。

湯口のある上の湯船から、下の湯船にお湯が注ぎ込むようになっていて、湯温に差を作ってる。

両方とも石の湯船だけど、下は縁だけ木。

縁を越えて気持ちよくかけ流されてる。

竹の湯口からは飲泉もできる源泉が注がれてる。湯口の石の部分は濃いグレーにねっとり染まってる。

湯口で44.5度ちょい、上の湯船が42.5度と熱く、下の湯船が40度割れのぬる湯。いい具合の温度差。

白い硫黄泉らしい湯の花が舞ってる。

季節限定で薔薇を浮かべた香り湯になるそうで、夜も朝もかなり立派な薔薇が浮いてた。もったいないな。温泉も薔薇も。

大浴場は6階。

チェックイン時に全く説明されなかったのだけど、大浴場に行ったら横に貸切露天風呂が2つあった。

予約不要で空いていたら入れるみたい。2つとも空いてたので、行ってみる。緑のランプが空き。

予想外に外を歩く。屋上にあるのだそう。

この鍵を閉めると、センサーで入ってますの赤い灯りが付く。

板張りの真ん中にこじんまりした檜の湯船。夜に初見で見たら驚きそうなラッコみたいな座った動物みたいな木の湯口。

縁から溢れ出すのではなく、サイフォン式になってた。

利用時間は16時から24時まで。冬季以外は朝時間もあるみたい。

もう片方は、外を歩かないでいい。赤いランプが入ってます。

屋根もあるし、湯船が倍近い広さ。大きい分ぬるめなんじゃないかと、こっちに入ってみる。

シャワーも付いてる。

湯に入るとざばぁっと縁から溢れ出る。

でも湯底近くに穴があるので、おそらくこの湯船もサイフォン式でお湯を排出してるのかと。

39.5度の適温。木屑みたいな、檜の湯船の繊維かなと思うような湯の花がたくさん。

とろりとしたお湯でふわつるの肌触り。硫黄の香りがしっかり。

pH 8.7のアルカリ性の硫黄泉。香ばしい硫黄臭がたまらない。

木造りの白髭の湯口は44度ちょい。12月から3月は、湯温調整に熱い湯を投入するそうだけど、この日の入浴中には湯口から急に熱いのが出たりしなかった。

ぬるくていつまででも入っていられる心地よさだけど、顔から汗が出てくる。でもずっと入ってたい。

貸切風呂に挟まれた数段の階段の上に大浴場の入り口。

1階の露天風呂同様、翌朝の9時半までずっと入れる。

ほとんど人と会わなかったけど、その割に広めの脱衣所。洗面台もあり、化粧水などのアメニティもあり。

クラシカルな浴室。

右の壁際には7つのシャワー。きちんと整列した椅子が、長く伸びる湯船と平行で美しい。

左の壁際にも4つのシャワー。床は木のタイルなのかな。シャワーが取り付けられてる部分も動物などを彫った細工がしてある、お洒落なこだわりのタイル。

大きな湯船の真ん中に丸太があるけと、手すりが設置されてるだけで、湯船は区切られてない。

窓の取り付けもこんなの今ではなかなか見ない。

下の部分はサンルームのように外に出っ張っていて、天窓まである。

上の部分にはまた開閉できる窓が。光がしっかり入る明るい空間。男湯との境も上は抜けてる。

クラシカルな空間をさらにクラシカルに演出している湯口。水瓶を持つ女神かな。

あ、湯口ではないわ。湯口の上に立つ女神。女神の足元の石の隙間から源泉が注がれていて、飲泉もできる。

上山田温泉の開湯は明治36年。現在38本の源泉がある。自家源泉の宿もあるし、上山田温泉株式会社の混合泉を引いてる宿もある。ここは上山田温泉株式会社の混合泉を利用してる。

上山田温泉掘削の仲間を募り、資金集めを推進したひとりがホテルの初代創業者のお父さん。上山田温泉株式会社の社長も務めた方。

現在、上山田温泉株式会社は18本の源泉を管理し、今はそのうち9本を混合して配湯してる。最新の分析書の源泉温度が44度。47.3度と書いてあるのもある。厳冬期のみ源泉供給源において12度加温を行う場合があるそうで、この日がどうだったかは聞きそびれた。

湯口は44.7度で湯温は41度。一番端まで離れると40.5度。ぬるめで気持ちいい。

湯口の辺りの湯底のタイルは黒く染まってる。

ほんのり硫黄の香ばしさを感じつつ、肌はアルカリ性のふわつる肌触り。この季節にちょうどいい湯温でずっと入っていたい。

縁から溢れたお湯は配湯口に流れ込んでいく。端の側面に穴があったので、サイフォン式で排出もしてるのだと思う。

この宿への供給湯量は毎分180。すべての浴場のお湯が1日約10回入れ替わるほどの豊富な湯量。

以前、湯口に使われていたのか、ペンギン。私もきっと捨てられない。

客室露天風呂付きの部屋がある。和室の窓の向こうに休憩処的なテラス。寒いから絶対に座らないけど。

左奥に数段の階段があり、

露天風呂。シャワーもあり、シャンプー類も揃ってる。

入り口のところにさし湯ボタンがあり、ぬるかったらボタンを押して熱い沸かし湯を足してねと。6階の貸切露天風呂は、これが冷めたら自動で出る仕組み。客室露天風呂は、自分で押さなければ、ぬる湯の源泉100%のままいられる。

ひとりで広々なサイズ。もちろん2人でも入れます。

湯口が44度ちょいで湯船は41.5度。差し湯は一回もせず。夜から翌朝にかけては、蓋もしてなかったので39.5度。

ぬるめだけど、長く入っていられるギリギリの湯温で、ぬる湯長湯の我が家に適温だった。

入れば縁から溢れるし、湯口のあたりの縁が微妙に低いので、そこから流れ出てたけど、側面に穴もあったので、基本はサイフォン式。

翌朝の湯口に湯の花がねっとり溜まってた。

くぅ〜、いい。黒やグレーの湯の花もたくさん舞ってる。ふわりとした後じっとり肌に馴染む。何度も言ってしまうけど、ほんのり硫黄臭が心地いい。

 

戸倉上山田温泉 湯元 上山田ホテル
★★★★
アルカリ性単純硫黄温泉
44.0度
pH 8.7
180ℓ/分 (給湯量)
露天風呂付き大浴場2 貸切露天風呂2
加温加水循環消毒なし ※冬季のみ加温
2023.12 宿泊

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