大正12年創業、100周年を迎えた那須温泉の老舗旅館、山楽。 皇太子時代の昭和天皇が立ち寄られたのを始め、与謝野晶子など多くの文人たちにも愛された宿。
東北新幹線の那須塩原駅から車で35分。時間が合えば送迎もある。
創業まもない山楽に来館された昭和天皇が、宿から望む雄大な那須野ヶ原の景観を気に入られ、御用邸建立を計画したのだそう。
泊まった部屋から、早朝の雲海。
大浴場は東館にあり、泊まったのは西館だったので、毎回よし行くぞという距離。
内風呂の入浴時間は翌朝10時まで一晩中利用できるけど、併設の露天風呂は夜24時まで。翌朝の5時に男女入れ替え。
2つの大浴場は露天風呂付き。露天風呂の大きさが違い、朝5時に男女入れ替えが行われる。
まずは大露天風呂の方の大浴場。脱衣所も広い。バスタオルもフェイスタオルも備え付け。
浴室へ入ると、むわっと硫黄の匂いがする。大きなL字型の湯船から、さらさらと湯が溢れ出てる。
シャワーは7つ。かなり仕切りが深い洗い場。洗い場の方へ流れ出るお湯で、湯船も洗い場も綺麗な気がして好ましい。寒い時期だと足が暖かいの気持ちいいし。
勢いよくお湯が投入されていて、ざっばざっば外へ溢れ出てる。人が入ると奥の縁からも溢れる。
湯口の温度は47.5度。できるだけ湯口から離れた脱衣所側の端っこで41.5度。
源泉温度は68度もあるけど、5.4kmもの距離を自然流下で引湯していて、徐々に冷まされ宿に着くころには約49.7度まで下がってると、かなり細かい説明がある。
気温の高い時期は、内風呂のみ加水することがあるようだけど、47.5度ってことは、加水してないのかな。
きゅうきゅうときしむように肌に吸い付くような肌触りは、pH 6.4の中性の単純温泉。
全39室で、日帰り入浴はしてないので、お風呂が混まなくていい。しかも平日だったのでほぼ貸し切り。いや、平日なのにこんなに泊まってる人がいるんだとも思った。
30畳あるという大きな露天風呂。グレーがかった青いお湯。
これが泉質上、単純温泉というから不思議。
奥の湯口の辺りはかなり熱い。手が届く範囲で湯口から注がれてる湯温は51.5度。だとしたら、内風呂は少し加水してるのかもしれない。露天の湯温は42度ちょい。
湯口の周りの岩にはぶつぶつの魚の真子みたいな析出物。手すりにも。
お湯の中には薄茶色の湯の花が舞ってる。
露天風呂もかけ流し。消毒もなしの完全かけ流しで、毎日換水して掃除をしているのだそう。こんなに広い露天風呂も⁉︎すごすぎる。
翌朝は男女入れ替えで、小露天風呂の方の大浴場が女湯に。
暖簾から脱衣所に入ると、左右に脱衣籠のある棚がある。タオルだけじゃなく、化粧水などのアメニティも揃ってる。
浴室へのドアを開けると沼のような硫黄のような匂いがする。
ガラス張りの開放的な明るい浴室だけど、むわっと空気がこもってる。
シャワーは右の壁際に5つ、左手に2つ。しっかり深い仕切りのついた洗い場。
庭園が眺められる内風呂。
湯船の中は小さなタイル。
誰もいない大浴場で、さらさらと湯だけがかけ流されてた。
湯口が43度で、湯船は42度。
湯口にはオレンジがかった茶褐色の湯の花が溜まっていて、
指でなぞるとオレンジ色に。
那須の御用邸の源泉と隣接した、大丸の沢にある数か所の岩間から自然湧出している自家源泉で、御用邸と同じ泉質なのだそう。
御用邸のお風呂ってどんなんだろ。露天風呂とかあるのかな。
こちらの大浴場には小露天風呂がある。
全然小さくないけど。
朝の光に照らされて、ブルーの湯に。
半割の木をくり抜いた湯口。
湯口が52度超えで、湯船は42度ちょい。どの湯船も湯温調整が完璧にされてるすごさ。好みとしてはもう少しぬるい湯船にしてほしいけれど。
ざばざばかけ流し。
ブルーの湯に白い湯の花が舞ってるように見えるけど、薄茶色の湯の花。
天然の保湿成分メタケイ酸が200mg以上含まれてる。しかも、溶存物質の総量はほんと惜しくて、次回の計測では単純温泉じゃなくなるのでは?
ふと思い出したけど、熱い源泉に溶けてるメタケイ酸が冷めてく段階で、青い光を反射するシリカっていうのになるから、青く見える‥みたいなのを読んだことある。よく分からないけど、温泉の不思議。
那須温泉 山楽
★★★★
単純温泉
68度
pH 6.4
817ℓ/分(自然湧出)
露天風呂付き大浴場2(男女入れ替え)
加水加温循環消毒なし
2024.4 宿泊
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