湯之元温泉 旅館 湯之元温泉(宮崎)

夏に最高のぬる湯、湯之元温泉を再訪。

ここから500mほど先に、同じような泉質の極楽温泉がある。今回の2泊目はそちらに。

湯之元温泉は、ちょうど一年前の7月に来たので、一年ぶり。

この鉱泉おにぎりが食べたかった。今日のは前より色が濃い気がする。日によって色が違うと聞いていたけど、前回よりも明らかに緑色。もっちもちで美味しいー。

一年前に結構しっかり備忘録つけてるので、今回はもう何も考えずに、ただただお湯を満喫しようと。

あ、前回、右手側のシャワーがいくつあるかあやふやだったけど、4つ。なので、全部で7つ。

ぬる湯の露天風呂しか入る気がなくて、とりあえず露天風呂の様子伺い。

3人サイズの湯船に34人入ってたら、出直そうとするけど、常連さんたちがすかさず声をかける。

「入れるよ」「6人は入れるよ」「ここに入りな」と、スペースを指示される。

『露天風呂は皆さんが入れるように譲り合って入ってね』と一年前にはなかった張り紙。

きっちり6人入ることにより、譲って出なきゃいけないことを回避する手段をとってるみたい。別に悪い意味ではなく。順番に入るではなく、みんな入る方式。

奈良田温泉の共同浴場の女帝の湯とか、霧島の湯之谷温泉の湯之谷山荘と同じ。

あぁ、やっぱりいい。泡付きがすごい。身体がほんの少し動くだけで、泡がぷちぷちしゅわしゃわ弾けながら離れていく。

鉄の香りを感じながら、ただただひたすらじっと泡に包まれる。すぐに爪が黒くなる。

湯面は35度前後だけど、底のあたりに流れてくる30度割れの冷たい源泉で、湯船全体が暖かくなることはない。

真夏なのに、ちょっと冷えるな、暖かいのが早く出てきたらいいのにと思うことが極楽。

じゅーぼごぼごじゅわ〜と音を立てて、42度ちょいの加温源泉が投入される。

7分くらいで始まって7分くらいで終わったり、10分以上出てなくて、20分以上熱いの続いたり。朝は7分くらいで始まって30分近く出てたり。法則が全く分からなかった。

加温源泉が出てくると、泡付きが加速し、身体中を覆った泡が至る所で弾ける刺激を感じるほど。

翌朝は独泉の時間も長かったので、ちょっとだけ、他の湯船の様子見。

加温湯船の真ん中41.2度で、

じゅわじゅわぼこぼこと加温湯が投入されてるあたりは42度。

冷たい源泉の湯口は22度。前回は、甘みがないと記録してたけど、ほんのり甘かった。

源泉湯船にはつからなかったけど、21.8度。相変わらず、澄んだ美しい源泉。

やっぱりこの温泉だいすき。また来年の夏も来たいな。

湯之元温泉 旅館 湯之元温泉
★★★★★
2022.7.16 宿泊

♨︎ ♨︎ ♨︎

湯之元温泉のある宮崎県西諸県郡高原町は、霧島連山の高千穂峰の裾野に広がる町。宮崎空港からは高速使って50分、鹿児島空港からだと1時間弱の霧島東山麓の温泉地。

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江戸時代の天明4(1784)年に発見された200年以上の歴史を誇る古湯で、薩摩藩島津家の家老も湯治に来てる。

明治35年創業の旅館 湯之元温泉は、町内で最も古い歴史を持つ一軒宿。

目と鼻の先に同じ泉質の極楽温泉がある。湯之元温泉と極楽温泉、もうひとつ皇子原温泉という3つの温泉をたかはる温泉郷と呼び、それぞれ一軒ずつ施設がある。

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部屋数はわずか11室だけど、日帰りの個室休憩や大広間などがある入浴施設で、毎日のように入りに来てる人がたくさんいる。

日帰り入浴時間は朝の10時から22時まで。その時間は常に顔見知りのおばちゃん、おばあちゃんたちで大賑わい。

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なんと宿泊者専用の時間は朝7時から10時までしかなく、夜は日帰りの人と同じ22時で終わり。しかも、その7時からのたった3時間の間に朝ごはんも食べなきゃいけない。

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大浴場は別棟で、日帰り客は靴を下駄箱へ、宿泊者はスリッパで。

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広い脱衣所は木造りで清潔。洗面台は2つあり、ドライヤーも2つあった。

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朝フライング気味に行ったけど、同じくフライング気味の人も多く、ひとりの時間は一瞬。

でも、朝ごはんの時間に、潮が引くようにさぁっと誰もいなくなった。やっぱりこの時間かぁ。自分も朝ごはん行かなきゃいけないのが恨めしい。

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脱衣所のガラス戸を開けると、立派な浴室。目の前に黄土色のいかにも濃いそうな温泉。

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その奥の透き通った湯船は水風呂。

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向かいにサウナがある。覗いただけだけど、なんとテレビ付き。スペースも広め。

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見上げれば木で出来た高い天井。男湯と繋がっていて、吹き抜けになってる。

朝、サッカー部の合宿の学生たちが大騒ぎしてた。女湯に誰も居なくなった時間に。きっと男湯も僕たち以外誰も居なくなってはしゃいじゃったんだろうな。

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水風呂の横の壁際に洗い場があり、シャワーが3つ。シャンプーはリンスイン。

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逆側の、脱衣所から入って右手にも洗い場があった。同じくらいの数だったかな。

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右手にある湯船も透き通ってるけど、これは水風呂じゃなく、源泉湯船。

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浴室に掲示してある分析表。泉質は含二酸化炭素-マグネシウム・ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩冷鉱泉。

貴重な二酸化炭素泉だけど、冷鉱泉なので加温してる。

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正面の黄土色に濁った湯船が加温湯船。鉄分が酸化してこんなにも濃い黄土色になってる。

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縁も元の素材が何なのか分からないほどの形相。

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左側の湯口から注がれているのは、源泉。冷たいまま。源泉温度は21.6度。とはいえ、昭和63年調べだけど。

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しかも、外の飲泉所に貼ってあったやつ。これか、浴室の中のしか見当たらなかった。どちらも同じ年のもの。

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勢いよく泡立つ源泉を手で受けると、手に泡がつき、顔を洗うとぴりぴりする。目に入るとしみる。鉄の香る飲みやすい甘みのない炭酸水。

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加温した源泉は逆側から出ていて、こちらも音がするほどあわあわ。あまり匂いはしない。

夕方の湯温は40.5度ちょっとだったけど、翌朝の朝一は42度。

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湯口の周りはこの析出物。

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加温といえどかけ流しで、窓側の縁からざばざばと湯が溢れ出ていくので、気持ちいい。

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しっとりじっとりした肌触り。

ほとんどの人が、この加温湯船と源泉湯船をひたすら行ったり来たりしてる。温冷交互浴は血行が促進され、老廃物を排出しやすくなる。

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こちらが源泉湯船。高濃度炭酸泉とある。すっきり透明。

この小さな湯船に8人ぎっしり詰まって浸かり、大声で喋って笑って。まさに関西でいう花山温泉 薬師の湯(和歌山) – 温泉手帖♨︎が、九州の湯之元温泉か。

夕方や夜は全く近づけず、翌朝に初入湯。

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壁から降りてきてる黒いパイプから、源泉が直接湯の中に注がれている。

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底に湯口のある湯面は、花火みたいに激しく炭酸が弾けてる。

霧島連山の地中深くより自然湧出している天然の炭酸泉。遊離二酸化炭素が1,314mgも含まれる源泉そのままを味わえる高濃度炭酸泉の湯船。

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2辺に段差があるのだけど、とりあえずその段差に座るのが精一杯の冷たさ。朝ひとりの時は21.5度。人の出入りがある時間帯だと22度ちょっとだった。

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これにおばあちゃんたちが、ざばざばすとんと躊躇なく肩まで平気で浸かってるのがこわい。

絶対、段差に座るしかできないと分かってたので、人がたくさん出入りしてる時はあえて近付かず、翌朝ひとりの時にゆっくりゆっくりチャレンジした。

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入った瞬間から全身にものすごい泡が付き、あっという間に泡まみれになる。

時間をかけて慣らして入ってしまえば、寒さを感じるわけでもなく、泡を楽しめる。湯船に浸かってると、鉄の匂いがしっかりする。

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縁は檜。源泉はしっかり透明。

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透明な湯の中に、いや、水の中に、茶褐色の湯の花と気泡が大量に舞ってる。

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もちろん源泉かけ流しで、窓際の縁からどんどん溢れ出ていく。

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で、どうやらこの溢れた源泉が、窓の向こうにある露天風呂に流れ込んでいるみたい。

縁も湯の花で黄土色に染り、指でなぞると色が付く。

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この源泉湯船の窓の外に隣接してある露天風呂が中濃度炭酸泉。

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3人サイズの湯船だけど、常連さんたちは4人ぎっちり入る。

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少し加温してるので、ほんの少し濁ってる。

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庭の眺望。湯船の上には屋根がある。

蚊取り線香が焚かれていて、場所と風向きによっては、鼻がやられる。

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向こう側にかけ流されていて、床がべっとり黄土色に染まってる。

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結構激しい流れ。ざっばざっばかけ流し。

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いくつかのパイプがあるのだけど

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向かって左の加温した源泉が出るパイプ以外は、はっきり分からない。

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内風呂側のこの太いパイプの方から、冷たい源泉が滲み出てくる気がするけど

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パイプからなのか、岩の割れ目からなのか分からない。

この狭間の穴が、内風呂の源泉が流れ出てた穴なんだと思う。

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この辺りはかなり冷たくて、29度くらい。

加温湯船ではあるけれど、冷たい源泉も入れてるからか、しっかり泡付きがある。

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すぐに泡だらけになり、じっとしてると泡がどんどん成長し、動かなくてもさわさわふわふわ肌から離れていくほど。

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肌を触ると、湯面で泡が弾ける。ふわふわの泡がなくなった部分をさすると、掌が肌に吸い付きしっとりした肌触り。

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湯の中には、オレンジ色の湯の花と目に見える気泡がたくさん。

じっとりと肌に馴染むお湯で、しっかり鉄の匂いがする。すぐに指の先がしわしわになる。

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竹でカバーされているパイプが、加温源泉の湯口で、12分おきくらいに暖かいお湯が出てくる。

冷たい源泉が下から上に広がってきて、全体が28度くらいの湯温になり、寒いなと鳥肌が立ち始めると、加温湯が出始める感じ。

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ごーっと音がして、じょわじょわこぽこぽと放流が始まる。

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この時の湯口付近の泡がすごい。

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岩の縁に頭を預けていると、ばちばちぷちぷちじゅじゅじゅじゅと泡の弾ける音が響く。

じゅわじゅわっと天ぷらを油からあげた時のような、砂浜から海水が引いた後のじゅわじゅわっのような。

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それはもうとにかくすごい泡。

二酸化炭素泉は血行を促進するので、冷え性はもちろん、高血圧や心臓病などにいい。

15分間くらい出続けて、湯温は34度くらいまで上がる。

加温源泉の放流がぴたっと止まると、また10分ちょっとかけて、少しずつ冷たい源泉が浸食してくる。

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湯の中には大量の気泡が残ってるのが見える。泡ってこんなに見えるものだっけ。

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身体に付く泡のすごさはもちろん、周りに浮遊する泡にも驚く。

泡と遊んでるとあっという間に時間が過ぎていき、身体の様々な箇所がじわぁと暖かく感じだす。

だいたいみんな2時間はいるんだとか。回数券で一回300円ちょっとなんだって。安すぎる。

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すぐに爪が黒くなった。入るたびにどんどん黒くなる。

結局、チェックアウト後も個室をお願いし、飛行機の時間まで、出たり入ったり。1回に1〜2時間、6回は入った。

顔がもっちり。時間が経つとしっとりすべすべに。炭酸は汚れを落とす作用があるので、お肌のくすみが改善され透明感が出るとか。

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冷鉱泉の水汲み場があり、ここからペットボトルに入れてぜひ飲んでねと言われてたけど、結局入れも飲みもしなかった。なんでだろう。入浴することに夢中だったのかな。

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この鉱泉で炊いたご飯で作る“鉱泉おにぎり”も楽しみにしていたもの。

炭酸鉱泉で炊いたお米は緑がかってる。もち米のようなもちもちした食感でほんのり塩気。美味しい。

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翌日は、炭酸泉入り豆腐ドーナツにも飛びつく。これももちもちで美味。

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湯之元温泉 旅館 湯之元温泉
★★★★★
含二酸化炭素-マグネシウム・ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩冷鉱泉
21.6度
pH 5.8
8.7ℓ/分(自噴)
男女各 内風呂2(加温1源泉1)露天風呂1(加温+源泉)
加水加温循環消毒なし ※加温湯船は加温循環消毒あり
2021.7.31 宿泊

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