3年ぶりに高湯温泉 吾妻屋。秘湯を守る会のスタンプがいっぱいになってたやつで再訪。なんだかタダで申し訳ない気持ちになる。でも気持ち良く受け入れてくれる素敵な女将さん。
高湯温泉には穴を掘ってはいけない掟があり、自然湧出の源泉だけで現在は9本、総湧出量は毎分3258ℓ。かなりの湯量。これを9軒の宿と1軒の共同浴場で利用していて、吾妻屋は4割の権利をもつ湯元の一軒。
江戸時代からあった宿だけど、戊辰戦争で焼かれてしまい、その後今の遠藤家が継いだそう。
吾妻屋は10室しかないのに、内湯と露天風呂は8ヶ所もあり、日帰り入浴もしてないので、いつどの浴室に行っても混んでない。ありがたや。
裏にこんな素敵な全体図が描かれている館内説明図。
宿の外にある露天風呂は5つ。手前の3つは以前は男女貸切に分かれていたけど、今はどれも空いていたら中から鍵して入る貸切形式に変わった「風楽」。
外履きに替えて少し歩いた分岐。右に行くと男女別の岩の露天風呂「山翠」。
左手の正面にあるのが「風楽」の3つの貸切風呂「雪」「月」「花」。
夜の10時まで入れる。出入り口に靴がなければ空いてる。
シンプルな脱衣室。寒くて足裏が冷たい。早く湯に入らなければ。
1番右奥の「花」。
真ん中の「月」。ここが若干広めかな。
手前の「雪」。1番開放感がある。
前回女湯だったので入ったことのある、ここにまた入ってしまった。
3つとも綺麗なミルキーブルーの乳白色。乳白色の湯は、透明な源泉が空気に触れて酸化したものだけど、この温泉は釘を入れても錆びない酸化しにくいお湯なのだそう。不思議。
湯の花が底にも溜まってるし
大量に舞ってる。小さな細かい白い湯の花に、粒の大きめのものが混ざってる。
pH2.6の酸性泉。温かいレモン水。まずくて飲めないことはなく、ごくりといける。
湯温は42.5度前後で、寒い雪の中の露天風呂としては適温。気持ちいい。
肌の老化を抑え、細胞を再生する美肌の湯。
最近の研究では、ガン細胞と戦ってくれるナチュラルキラー細胞の活性化作用もあるのだそう。
たっぷりかけ流しで、どんどん排水口に吸い込まれていく。
きりっというより、じっとりきっちり肌に馴染む感じ。保湿のメタケイ酸も多く含まれてる。
岩風呂「山翠」は結構遠い。灯りがないので、利用時間は日没まで。
外は雪の白さや湯の青白さで明るく見えるのだけど、脱衣所がかなり暗い。
前回気づかなかったのか、新設されたのか、右奥に浅い寝湯が!
41度弱と結構なぬる湯。そしてかなり浅い。
寝転がっておしゃべりしてたおばちゃん2人が、私が入ってからは5分くらいであがっていったのだけど「あら!ごめんなさいね。誰もいないと思って長い時間占領しちゃって!」と。
相当長湯できる寝湯。
手前側の湯温は43度くらい。肩まで浸かってるとじんわり汗が出てくる。
酸性の硫黄泉。肌にひりっときりっとしてもいいはずだけど、そんなでもない。硫酸塩泉だから肌にじっとり馴染むのかな。
カルシウム-硫酸塩泉はニキビや乾燥肌のかゆみを鎮静し、皮膚細胞を再生する美肌の湯。
白い析出物もしっかり。
露天風呂からの帰り道、向こうに福島市街の夜景がちらり。
内湯は貸切と男女別の3つがあり、貸切はチェックイン時に希望時間を予約。時間になったら受け付けに鍵をもらいに行くしくみ。
1番手前が貸切風呂。この素敵な絵。そうそうこれこれ。
翌朝に貸切風呂。窓が少し開けてあったからか、湯温41.5度くらいでちょうどよかった。硫黄の香りだけでなく、アンモニアのような匂いもする。
4、5人は入れる、普通に大浴場でもおかしくない広さ。
左側はゆるい階段になってる。
湯船は石なのでつるんとしてて、湯の花がざらりと溜まってる。
私ひとりのために、こんなにかけ流し。てか、四六時中かけ流し。自然湧出の源泉。湯船に引かない湯はそのままかけ流されてるのだから、もったいないわけじゃないんだな。贅沢なことだな。
内湯の廊下、露天風呂への出入り口に、タオルと浴衣置き場があり、自由に替えていい。素晴らしい!夕食時に着ていた浴衣を脱ぎたいので、2枚浴衣を用意してくれてる宿(もしくは作務衣やパジャマ)がすごく嬉しいのだけど、これは有難い。
男女別の内湯は桜の奥にあり、入れ替えはなく一晩中入ることができる。はぁ。これも有難い。
清潔でシンプルな脱衣所。化粧水系のアメニティはないけど、別になくていい。ドライヤーはある。
内湯は床と壁が木造りで、落ち着く。心地いい。
シャワーもあって、真水で身体を洗える。酸性硫黄泉の秘湯で、普通のお湯が出ないところもあるので。
前回はなんとも思わなかったけど、この岩。湯に浸かってる時に洗い場の視界を遮ってくれる。すごい気遣いの岩なのかも。
湯口は巨木から。
42.5度弱でぬるくはないけど、この時期だと熱すぎることなく入れる。露天風呂から帰ってくると手足が冷えちゃうので、何度も入った。
遊離二酸化炭素が423mgも含まれてる。泡付きは確認し忘れたけど、身体がすぐに暖まる。
お尻がざらりとするほどの湯の花。
前回、夕食が少ししょっぱかったけど、今夜はそうでもなかった。
仲居さんが夜景が綺麗なスポットを教えてくれたので、夕食後に散歩。iPhoneで無修正でこれ!綺麗。
雪は降ってないけどめちゃくちゃ寒かった。
速攻、内湯へ。凍えた手足を解凍。極楽〜。また寒い時期に来たいな。硫黄の香りをたっぷりまとって帰る。
女将さん、3年前は「お嬢さまいらっしゃい」って言ってくれたのに、今回は「奥さま」だった‥。
高湯温泉 吾妻屋
★★★★★
2020.1.25 宿泊
♨︎ ♨︎ ♨︎
開湯400年の高湯は一切の鳴り物を禁じてきた古くからの湯治場。福島駅からバスで40分、タクシーだと30分。
ロビーには斉藤茂吉や勝海舟などの作品がある。湯治に訪れていたらしい。茂吉さんとは全国で会う気がする。
福島駅では全く雪の気配がなかったけど、高湯はすっかり雪深い。
雪が舞う露天風呂。岩風呂「山翠」。雪道の階段を長靴で登って行く。
湯の花が底にぼっろぼろ溜まってる。
夕飯間近だったからか、どちらの露天風呂も貸切状態。こちらは「風楽」。寒い雪の気候にぴったりのいい湯加減。
外の家族風呂は鍵や予約制ではなく長靴などの履物が使用中のサイン。入浴時間は夜明けから日没まで。
硫黄かおる酸性泉。目にしみる。メタケイ酸が多く、湯上がりの肌はするする。いかにも、な酸性硫黄泉。そのままだけど。
内湯は24時間。いい湯温で長湯できる。貸切も広くて綺麗で快適。窓を開けると、ものすごい勢いで雪が入りこんでくる。貸切だと好きに室温調整できていい。
「三日一廻り、三廻り十日」と言う高湯湯治。 酸性湯、硫黄泉が肌に合うなら湯治にいいかも。あ、お食事は心のこもったもてなしだけど、少ししょっぱい。
高湯温泉 吾妻屋
★★★★
酸性-含硫黄-カルシウム・アルミニウム-硫酸塩泉
49.1度
pH 2.6
内湯(男1女1家族1)露天風呂(男2女2家族1)
内湯24時間入浴可
2016.12.10宿泊
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