日本三美人の湯、川中温泉を再訪。6年近く前なので、どんなお湯だったっけ?と常々気になっていて、ぬる湯シーズンの真夏に。
ご時世がら、できるだけ在来線を避けているので、新幹線の上毛高原駅からレンタカーで1時間弱。
1km足らずの5分もかからないところに松の湯温泉がある。ぬる湯エリアなのかな。
これは覚えてる、大きな石に“日本三大美人湯 川中温泉”。
日本三美人の湯、龍神温泉は遠過ぎるから厳しいけど、空港アクセスのいい湯の川温泉も、ぜひ再訪したい。
川中温泉は雁ヶ沢川沿いに位置する閑静な温泉で、一軒宿のかど半旅館のみ。日帰り入浴はやってないので、宿泊しないと入れない美人の湯。
玄関入ってすぐの左手の階段を降りて行ったところに大浴場がある。それはつまり、この玄関の下をくぐって向かいの建物に行ってるってこと。
今回この別館の2階に泊まったので、大浴場の上で、かつ川沿い。
部屋から川の向こうに湯前神社の鳥居が見える。あ、朝ベランダにクワガタがいた。
この吾妻川支流雁ケ沢川の川底から源泉が自然湧出してるから、川中温泉。
鎌倉時代以前に発見されてたとも言われていて、水害などで流されては再建しを繰り返してきた。かど半旅館の創業は1947年。全10室で営業してる。
大浴場は、男湯と女湯、そして混浴の3つに分かれていて、一晩中入ることができる。
暖簾が4枚。手前から女湯、男湯、大湯・露天、大湯・露天女性用。3、4枚目の大湯・露天は同じ混浴の大浴場に繋がっていて、男性用入り口と女性用入り口というすみ分け。
女湯はしっかり覚えてる。こじんまりした脱衣場に、流し台がついてる。ドライヤーは部屋に置いてあり、ここには何もない。
男湯と女湯は、それぞれ内風呂が一つずつ。
脱衣場から2段下がったところに浴室。
ガラス窓が3段階になってる、かなり天井が高い。というか、湯船が下に作られてるということなのかな。
シャワーはひとつだけなので、シャンプーで誰かとかぶらないように、朝の時間はちょっと気を遣った。
ボディソープとリンスインシャンプー、メイク落としもあった。
シャワーもカランも源泉が出る。蛇口が硫黄泉みたいに黒くなってる。
湯船は4人入ろうと思えば入れるけど、じっと長湯するには2人までで入りたいサイズ。密を避けて上限2人って張り紙がある。
右側に手摺りと段差があるけど、他のところからも出入りできる深さ。
湯船の温度は35度。ふんわりと硫黄の香るぬる湯。いつまででも入っていられる。誰も来なかったので、ひたすら2時間。
湯口は38度弱。湯口のそばにいるとしっかり硫化水素臭がする。ほんのり甘みのある源泉。
源泉は34.7度ともっとぬるく、加温してる。循環も消毒もなく、加温した源泉のかけ流し。
42.2度に加温した源泉の分析書まである。白骨温泉の笹屋と、ここでしか見たことない。
pH 8.6のカルシウム–硫酸塩泉。皮膚細胞を再生し、肌の弾力を回復して引き締めてくれる石膏泉。しっとりした肌触りで、湯上がりに少しねっとり感もある。
少しずつだけど、縁から湯が溢れていく。男湯と女湯は毎分6ℓの湯量が注がれてる。
お湯の中には白い湯の花がたくさん。硫黄の成分なのかな。源泉には、硫化水素イオンが1mg含まれてるけど、加温源泉には含まれてないみたいで、謎。
この壁の析出物は、前もあったなぁと眺めながら浸かった。これはきっとカルシウムの成分。
混浴の露天風呂と大湯は時間により女性専用になる。夜の20時から22時と、朝6時から7時の2回。
混浴大浴場の女性用脱衣所。新しくてすごく綺麗。
棚や籠もぴかぴか。ドライヤーやアメニティなどはなし。
まず、この内風呂が大湯。壁際に鏡が3つ、シャワーは2箇所。
女性用脱衣所があった辺りに、源泉かけ流しの薬湯があったのだと思う。現在の男性用脱衣所を使った記憶が蘇ってきた。
女性専用時間も、男性用脱衣所の出入り口が開いていて、ひょいっと覗く人がいたら、ここ丸見え。気にする人は、あのドアを閉めてから入ってきた方がいいかも。
女湯の湯船の3倍はある大きな湯船。形は微妙に似てる。
さらさらと縁から溢れてかけ流されてる。大湯と露天風呂は、ともに毎分20ℓの源泉が投入されてるけど、湯船が広いのでやはりぬるめ。
湯口の湯温も湯船も女湯とほとんど同じ。投入されてる量が多いので、新鮮で気持ちいい。
翌朝の湯口は37度と少し低くて、湯温は35度割れだった。
溶岩みたいな岩に囲まれた湯口。暖かいお湯を求めてついつい湯口に近づくのだけど、溶岩は下まであって、近づき過ぎるとごつごつ岩に触れて痛い。
岩のぶつぶつに、白い湯の花がたくさん引っかかって溜まってる。湯船の中にも漂ってる。
周りの岩には、水晶みたいな白い結晶があちこちに出来てる。
加温なのに、超ぬる湯っていうのがにくいな。草津温泉の仕上げ湯として、ぬる湯に長湯する湯治文化が根付いてるみたい。ぬる湯は、副交感神経を優位にすることで、様々な症状が改善されると言われてる。
前回入ったかどうか記憶の薄い露天風呂。しっかり重厚な屋根がついてる。ベンチにハエ叩きがずらりと置いてあったので、きっとヤツが出るのだな。川沿い、すぐ目の前に川が流れてるのだから。
露天風呂は2つあり、奥の方は夏場は源泉風呂だと聞いていたけど、湯が張ってなかった。
薬湯もなくなってたし、源泉風呂はやめて、加温のぬる湯だけにしぼったのかな。
10年新しい平成29年の温泉分析書によると、源泉温度が34.2度まで下がってる。
岩で囲まれた湯船。白い析出物がびっしり付いてる。
露天風呂には一瞬しか入らなかった。朝一瞬入った時の湯温は34.5度割れ。
ざばざばと注がれ、しっかりかけ流し。
夜の女性専用時間の2時間、4名3組が露天風呂で宴会のような大騒ぎ。私は内風呂を2時間独泉。露天風呂に入りたいわけではないので、かえって内風呂独泉ラッキーだったけど、あれは酷かった。翌朝も、同じメンバーがぽつぽつ揃いかけたので、湯温だけ測って慌てて内風呂へ避難。
黙浴文化も根付くといいのにな。
宿名が入った浴衣だと嬉しくなる。
川中温泉 かど半旅館
★★★★
カルシウム-硫酸塩泉
34.2度
pH 8.6
60ℓ/分
内風呂(混浴1 男1 女1)露天風呂(混浴1)※20~22時、6~7時が女性専用
加温あり 加水循環消毒なし
2022.8 宿泊
♨︎ ♨︎ ♨︎
日本三美人の湯の1つ。あとの2つは龍神温泉(和歌山)と湯の川温泉(島根)。
鎌倉時代に源頼朝の家臣が療養したとされる歴史のある温泉。高崎からJRで川原湯温泉駅へ。そこからはタクシーか宿の送迎で15分。
旅館前を流れる雁ケ沢川の川底より自然湧出するところから川中温泉と呼ばれる。写真右手がかど半旅館。 日本秘湯を守る会。
泉質は硫酸塩泉で、皮膚の脂分を洗い流す力があるため美肌効果がある。アルカリ泉も同様の効果。
露天風呂(加温と源泉)・大湯・薬湯・男湯・女湯の6つの湯船。
薬湯と露天の源泉風呂以外はヒートポンプで加温。循環、消毒はしてない。
女湯。加温してあるといえど、かなりのぬる湯。毎回1時間以上入る。寒くて湯口から離れられない。でも長時間入浴することができ、温泉の効果をめいいっぱい吸収。
白い湯の花が少し浮いてる無色透明でつるつるのお湯。
カルシウムが白く結晶してる。注ぎ口から湯をとると、若干硫黄の匂い。
飲泉療養もでき、内からも外からも治療できる湯治の温泉。効用は幅広く、リウマチ、冷え性など。
紅葉の季節を待って訪れた。八ッ場ダム、吾妻峡を散策してから宿へ向かった。
川中温泉 かど半旅館
★★★★
カルシウム-硫酸塩泉
34.7度
pH 8.6
60ℓ/分
内湯(男湯1女湯1)混浴(露天風呂・大湯・薬湯)※20~22時、6~7時が女性専用
薬湯と露天の源泉風呂は加温加水循環消毒なし※その他は加温あり
2016.11.5 宿泊
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