下部温泉 古湯坊 源泉舘(山梨)

武田信玄公かくし湯大岩風呂』という足元湧出の湯を目指して山梨へ。

 

山梨はぬる湯の名湯が多い。武田信玄の頃からぬる湯に入浴してきた文化を受け継いでいる。傷だらけの武士は熱い湯に入れないし、ぬる湯に長く浸かり治療効果を高めたのかしら。

 

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新宿から特急あずさかかいじに乗り1時間20分程で甲府駅身延線に乗り換えさらに1時間20分で下部温泉駅。甲府下部温泉間は、時間が合えば特急のワイドビューふじかわで50分で行ける。

 

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駅からは車で5分。送迎してもらえる。身延線、かなり長く感じた。途中、雨ぱらついたり、虹が見えたり。

 

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源泉舘は約1300年前の奈良時代中期からの歴史を誇る、岩盤の下から自然湧出する温泉を持つ宿。江戸期より約250年続き、現当主は湯守としては58代目、宿としては8代目。傷病に特に良いと言われ戦国時代には武田信玄のかくし湯として利用されていた。

 

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下部温泉の中で最も歴史の古い温泉がこの源泉舘のかくし湯大岩風呂。

 

一度玄関から出て数歩降った別館の一階にある。

 

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かくし湯大岩風呂は、約15畳程の大岩盤から自然湧出している上に浴槽を作っている国内でも数少ない源泉に浸かることができる温泉。

 

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季節により違うそうだけど、毎分200~400ℓものお湯が湧出していて、循環、加温、加水を一切行なっていない掛け流し。

 

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入口はレトロ。左右に分かれて男女別の脱衣所がある。

 

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脱衣所から出ると、目の前が男性の脱衣所の出入口。向かい合ってる作り。
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左下に大岩風呂、右側に洗い場と加温湯。洗い場にはシャワーもある。とにかくまずは体を洗ってからと仲居さんに念を押された。
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混浴でタオル可。というか、タオルが必須。男性でタオル使ってない人がいたら注意されるとか。

 

女性の宿泊者には、ガーゼバスタオルを貸してくれる。男性は宿名が入った1枚ずつもらえる小さいタオルか、売店で別に買うか。

 

時間は朝6時から夜10時までで、夕方5時から6時半が女性専用時間。とりあえず女性時間に。

 

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数段の石段を降りると広い湯船が。湯床は木張り、栗の板が敷かれている。無色透明、透き通った湯に木の湯底が気持ちいい。

 

湯の深さがちょうどよくて、お尻つけて足投げ出して座ると肩がすっかり浸かって、顎がぎりぎりの深さ。f:id:ayumu27:20180908210400j:image

 

奥に1箇所だけ湯底が岩むき出しのエリアがあり、みなさんそこに集中していた。

 

朝入りに行った時も、同じ人たちがそこを陣取ってる。明らかに常連。

 

夜は思わなかったけど、朝1時間眺めてて、これって湯口を占領し続けてる不埒者よね、と思った。普通の温泉ではあまり見かけない。譲り合い精神が全くない。あまりいい感じしない。
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みなさんが夕ごはん時間に上がった後、その場所に行ってみると。

 

なるほど岩。ぷくぷくと泡が上がってくる。温泉が沸いてくるのが分かる。
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振り返るとこんな感じ。広い。

 

朝6時から混浴時間に入ると、ここに20人以上が。それでも中央部にはまだゆとりがあり、すごい広さだと実感。
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さて、女性時間の終わり頃、夕食時間になると誰もいなくなった。岩むき出しエリアの木の淵に腰掛けると、岩側に足を降ろせる。足の合間からぷくぷくしてきて、これはいい。

 

湯底の木の板の下はすべて大きな岩で、深いところは2m以上あるそう。むき出しになっている岩は浅い部分。f:id:ayumu27:20180908210410j:image

 

湯温は31度。冷たいけど、すぐに体の暖かさを感じるようになる。でも、この時期が限界かな。夏に来ないとダメかも。今ならギリ大丈夫。

 

20分くらい浸かり、上の加温湯で温まる。めっちゃ暖かくて気持ちいい。

 

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42度に加温されたお湯。飲泉口がある。全く癖がない。ほぼ無味無臭で飲みやすい。軽い胃腸炎に効果がある。

 

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5分くらい温まると、また下の冷泉へ。でも言うほど苦痛じゃなく入れる。

 

冷泉の方はすごい泡付き。あっという間に泡が付く。湯感触はカルシウムイオンのせいなのか、つるつるではない。香ばしい匂い。

 

白や灰色のふわふわの湯の華がちょいちょい浮いてる。

 

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でも、30度の単純泉に頑張って入る意味が分からない。せっかく交互浴したり、長湯して身体に効かせるなら、成分が濃い温泉や好みの泉質、めっちゃ身体にいい泉質の温泉がいいや。と言いつつ、しっかり1時間交互浴した。朝もたっぷり1時間以上。

 

ゆるめの単純泉で、傷や皮膚にいい硫酸イオンが含まれてる、このお湯がいいんだな。うん。

 

湯上がりの肌はじっとり、乾くとさらさらに。

 

内湯は女性風呂が2階に、男性風呂は3階からさらに階段を上がったところに。

 

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そういえば、各部屋の名前も戦国武将。
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本館の男女別内湯は、自然湧出の大岩風呂とは違い、身廷町で掘削した高温源泉で、1.2キロ引いてきてる。

 

‘しもべ奥の湯’という高温源泉の掘削に2006年に成功。低温泉源の湯の里に49度の源泉が毎分445ℓもの量で湧き始めたそう。

 

24時間入浴できる。
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体が1番リラックスでき健康によい38~40度です、との貼り紙が。実際40度で熱すぎずいい感じ。

 

2本湯口があって、岩からのは循環なのかぬるいお湯。パイプから出てるのが熱めで、ぬるぬる、硫黄臭もかなりある。

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加水加温、循環は残念だけど、アルカリ泉のつるつる感は確かにあり、硫酸塩泉の香ばしさもある。

成分みても、ほぼ硫酸塩泉。

 

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22時まではみんな大岩風呂に行くからか、夕食後に行くとゆったり貸切。誰も来そうにない。

8枚の窓のうち、4枚にヤモリがいて狩りしてた。がんばれ。

湯上りの肌はしっとりさらっさら。夜中ずっと体の中が暖かだった。

 

下部温泉 古湯坊 源泉舘

★★★★★

アルカリ性単純泉

30.2度

pH 8.4

415ℓ/分

混浴大岩風呂1

加温加水循環消毒なし

[内湯]

アルカリ性硫黄泉

49.4度

pH 9.4

200ℓ/分

内湯2(男1女1)

加温加水循環消毒あり

2018.9.8宿泊

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