岡山道の賀陽インターから15分の鷺の巣温泉。昭和9年より80年以上守り続けられ、昔から“湯場”として地元の人々に愛されてきた冷泉。
人皇7代孝霊天皇の代に発見されたと言い伝えられている。孝霊天皇、誰?って思ったけど、この人の皇女が卑弥呼で、第3皇子が吉備津彦命(きびつひこのみこと)だって!
古代大和政権と吉備国との対立を描いた「桃太郎伝説」では、鬼が戦いの傷をこの温泉で癒しては戦っていたそう。だからすぐに鬼が元気に復活してくる。吉備津彦命がそれに気付いて、神力で湯を封じたことで鬼退治ができたけど、その時から湯場の温泉が冷泉になったといわれてる。鷺の巣温泉の湯温は14.5度。
昔は栄えていたことが想像される旧商店街に面して建つ一軒宿の湯本屋旅館。裏には旭川の支流、宇甘川が流れる長閑な風景が広がる。
備中松山藩の財政を立て直した山田方谷が180年ほど前にここに来て、田植え後の吉備高原竹荘の美しさを詠んだ漢詩が残ってる。ここから見える景色かな。
チェックインが17時からと遅め。温泉は17時から22時までで朝は入れない。いい湯であれば尚更残念。13時から日帰り入浴をしていて(要予約)、大人700円。
庭の井戸から湧き出しているという冷泉はpHが9.8と高く、とろみのあるぬるぬるのアルカリ泉。
湯上がりの肌はしっとりとなめらかな美肌の湯。
浴室は建物の1番奥にある。突き当たりの襖を左に行くと鯉のいる庭。
庭の逆、右に曲がったところに2つの浴室が並んである。
男湯、女湯、貸切と札があるみたいだけど特に決まってなさそうで、その時のお客さんの状況に応じて使い分けているみたい。
2つの浴室は同じような造りだけど、大きさが違う。手前の浴室が広めで、奥は小さい。
まずは手前の広い方。窓や湯船の縁にある緑の蔦は作り物だったけど、緑あるのっていいかも。
3人くらいなら足を伸ばしてストレスなく入れる大きさ。
シャワーは2つ。
源泉かけ流しで、浴室内のカランやシャワーも源泉。ぬるぬるのアルカリ泉なので、シャンプーが洗い流せていない感じが続く。贅沢で気持ちいい。
湯口はこのいかにも湯口と、この下の湯船の中に金属っぽいパイプがあってそこからも出てる。
人が入った時には溢れ出るけど、湯の縁からざばぁーっかけ流しって状況ではなかった。
清潔で、少し天井の高い脱衣所。籠はなくて、ベンチと丸椅子2つ。鍵付きの大きめのロッカーが6つか8つあった。洗面台の鏡の中にドライヤーあり。この浴室にはトイレもついてる。
もうひとつの奥の浴室は小さい。18時から夕飯まで我が家4人で好きなように使っていい、という状態だったけど、こちらには入らなかった。
湯船は1人サイズかな。家族なら2人‥。シャワーもひとつ。
湯船は無色透明無味無臭。加温してるわりにはぬるぬる感がかなりある。薄茶色の小さくない湯の花がまあまあ舞ってる。
湯温が39.7度前後と、ぬるめなのが気持ちいい。でも、入れる時間が短かすぎる‥。
そうそう、洗面所で手を洗うのが何より気持ちいい。水を出せば源泉って水道がいくつもある。
冷たくて、ほんのり硫黄の香りがして、手も顔も何度も洗いたくなる。
鷺の巣温泉 湯本屋旅館
★★
14.5度
pH 9.8
内湯2
加温あり 加水循環消毒なし
2019.8.8 宿泊
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