恵山温泉 恵山温泉旅館(北海道)

函館空港から車で真東へ50分。函館市街からは50km足らず。津軽海峡を見下ろす海抜200m恵山登山口中腹に建つ秘湯の一軒宿。

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恵山道立自然公園に囲まれ、国民保養温泉に指定されている恵山温泉は、今だに噴煙をあげる恵山を背に、眼下には遠く下北半島も望む。

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下北半島も‥望まない。あいにくのお天気で、下北半島は見えず津軽海峡もぼんやりの部屋からの眺め。

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昭和7年に開湯した恵山温泉旅館。函館市に合併されるよりずっと前は原田温泉といっていたそう。

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浴衣には原田温泉の名前が。ちなみに羽織を着ていないといられないほど寒い。

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12時からチェックインできる。なんともありがたい。

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鹿の頭や熊の写真。帳場や廊下は雑然としている。

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浴場は玄関入って右手奥。洗面台はここだけなので、二階の部屋に泊まってるけどここに降りてくる。

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お風呂は男女別の内湯のみ。チェックアウトまで一晩中好きな時に入ることができる。ありがたや。ご主人が夜は早く寝ちゃうから電気消えてるかもしれないけど、自分で付けて入ってって。

女湯の出入口にはついたてがあるけど、男湯の脱衣所はゆる〜く丸見え。多分誰も気にしない。

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脱衣所にはベンチが一つ。壁には窓と鏡。女湯の窓は終始閉まってた。真夏だけど、気温20度以下とかなり寒い日。

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看板にも『道南唯一 酸性明礬緑礬泉』とあったように、現在の泉質名でいうと酸性・含鉄(II)・アルミニウム-硫酸塩泉。鉄とアルミニウムを含む酸性泉。先月訪れた福島の微温湯温泉 旅館 二階堂(福島) – 温泉手帖♨︎とほぼ同じ泉質。

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酸性泉なので石鹸は使えないと張り紙。アルカリ性の石鹸が全く泡立たないほどの強酸性。

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10円玉をお湯に浸すと、数十秒で金属酸化物が溶け出し表面がピカピカになるそう。銀やアルミはすぐに酸化し黒ずむため、シャワーや鏡などはない。

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シンプルな木造りの湯船だけがある。奥の壁は一面が窓で裏山の笹や緑が深く落ち着く。

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湯船は足を伸ばしてゆったり入るなら3、4人くらいの大きさ。

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薄く黄色、黄緑がかった透明の湯。鉄を含むけど、酸化すると茶褐色になる鉄泉ではなく、緑色に変色する緑礬泉。

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黄緑がかったクリーム色の湯の花がふわふわ舞ってる。大きいのもある。

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鉄の匂いはあまりなく、湯口に鼻を近づけると時間によってほんのりアンモニア臭がする時があった。

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味はレモンほど酸っぱくない、きぶいオレンジみたいな味。強烈過ぎて飲めないお湯ではない。消化器系や貧血に効く。

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湯口にはかなりの析出物がこびりついている。鉄とアルミニウムを含む硫酸塩泉。皮膚や粘膜を引き締める作用がある。

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湯船に対して十分な湯量が投入されていて、新鮮なかけ流しを味わえる。湯口の近くいると身体にかなりの泡が付く。

酸性のきしきし浴感は弱くまろやかな湯。意外になめらかなつるつる感もある。湯の中で肌をさするのも、湯から出してさするのも同じような感触。天然の保湿成分メタケイ酸が263mgも含まれていて、美肌効果もある。

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湯温は38.5度前後と絶妙な適温。気温20度以下では少し寒いくらい。ぬるいので熱さは感じないけど、20分ほど浸かっているとぽかぽかと温まり、顔から汗が出てくる。

源泉の湧出地は恵山の火口、地獄谷。パイプで2km離れた旅館まで湯を引いているので、46.5度の源泉が程よく湯もみされ40度以下の適温に。

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湯船の縁からオーバーフローしているわけではなく、湯底のここから排出されてるみたいだった。手前が湯船、向こうが洗い場。

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湯に身体を沈めて静かにじぃーっと過ごす。ほんとに静かで湯の音だけしか聞こえない。あぁ。秘湯にいる。

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湯口から湯が流れ落ちる音と、排水口に湯が吸い込まれていく音、男湯から聞こえてくる川の流れのような湯が溢れ出る音、いろんな湯の音が響き渡ってる。

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酸性泉じゃなかったら、もっともっと浸かっていたいけど。マイルールで1回1時間以内に。それを3回。もはや手遅れだとは思うけど。

入るとすぐに手足がしわしわになる。間違いなく足裏の皮が剥けるやつ。

先々週の酸性泉で皮がぼろぼろになって、先週の強アルカリ泉で見事に皮が全部取れてつるつるになってたんだけど、ここで酸性泉でさらに剥けたらどうなるんだろう。かなり心配。

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洗い場には水のカランが二つと、左側にホース。これがシャワー代わり。いや、これかなり便利で助かる。洗顔、シャンプー、ボディーソープは持参した。

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男湯と女湯の仕切りは上が開いてるので、湯の音も声もよく響く。

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酸性の硫酸塩泉は高い殺菌作用があり、傷や皮膚病に効果がある。切り傷などの治りも早い。虫に刺されたところを掻きむしりながらやってきたけど、お湯に浸かったら面白いほど痒さが消えた。

また、皮膚や粘膜を引き締める作用もあるので、湯上り後は汗が引きやすく肌はさらさら。

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夕食は新鮮な魚介すごかった。8000円台の宿とは思えない。イカめしとカレイの煮付け、過去一の美味しさだった。

函館行くなら頑張って足を伸ばして泊まりたい宿。秘湯風情が大丈夫なら。もちろん部屋にトイレなどないよ。

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歩くの嫌いな秋田犬のナナちゃん。吠えるのもめんどくさいみたい。まだ3歳だって。可愛い。

 

恵山温泉 恵山温泉旅館
★★★★★
酸性・含鉄(II)・アルミニウム-硫酸塩泉
41.5度
pH 2.2
120ℓ/分(自然湧出)
内風呂(男1女1)
加水加温循環消毒なし
2019.8.11 宿泊

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