岐阜の奥飛騨温泉郷、なかなかアクセスしづらい。
4年前に福地温泉 山里のいおり 草円(岐阜) – 温泉手帖♨︎に来て以来2度目の福地温泉。前回は名古屋経由。名古屋からワイドビューひだで2時間20分かけ高山へ。そこからバスで75分。
今年の春に奥飛騨温泉郷の新穂高温泉 槍見館(岐阜) – 温泉手帖♨︎に来た時は、松本経由。平湯温泉までバスで1時間半。そこから路線バスに乗り換えて30分。
今回はなんと3本目のルート、富山周りで。北陸新幹線で2時間10分の富山まで行き、ワイドビューひだに乗り換え1時間半で高山、そこからはバスで75分。が正規ルートだけど、神岡町に用があったので飛騨古川駅で途中下車。
ちなみに帰りはバスで松本まで出て(平湯で乗り換えるから2時間以上かかる)、ワイドビューしなので長野へ行き、新幹線に乗り継ぎ。
よし行くぞ!と決心しないと行けない。松本からだとさわんど、白骨温泉を超えたところが平湯温泉。白骨温泉 白船荘 新宅旅館(長野) – 温泉手帖♨︎よりさらにハードル高い。
国道から1本それた静かな山間にある福地温泉は、端から端までがおよそ3Kmの小さな山里の集落で、11軒の宿がある。
平安時代には村上天皇が湯治に訪れていたという伝説があり「天皇泉」とも呼ばれている。他にも平家の落人伝説や民話が数多く伝えられている温泉地。
夜になると全宿おそろいの看板だけが灯り、より秘湯情緒溢れる。
4千坪の木々に囲まれた敷地に静かに佇むいろりの宿かつら木の郷は、1日10組限定ですべての部屋が離れの造り。
約150年前の豪農の館を改装した懐かしい雰囲気の漂う母屋。
母屋から渡り廊下のような階段で温泉棟へ。突き当たりに貸切風呂がふたつ。
貸切風呂はふたつとも檜の内湯と露天風呂。予約は必要なく、空いていればいつでも利用できる。
「入浴可」か
「入浴できます」になっていれば鍵が空いてるので入れる。
中から鍵を閉めれば「入浴中」に。
ゆったりとして清潔な脱衣所。アメニティも大浴場と同じように揃ってる。ドライヤーは待ち時間を考慮して置いていない。
貸切風呂は『木船』と『石船』という名前で、まずは右手の『木船』へ。
木船の露天風呂はここでは唯一の檜の露天風呂。木の湯船好きなので迷わずこちらに。
贅沢な造り。これくらいの大浴場の温泉宿あるよ。
2面がガラスなので全く閉塞感のない貸切風呂。
内湯はちょっと熱めの42.5度。さらりとした湯感触。
薄茶色の湯の花が少し舞ってる。湯口から熱い湯をすくって飲んでみてもほとんど無味無臭。
奥に枕木があり、湯底も浅くしてある。これがちょうど良い枕木で、髪が絶対濡れないのに、肩まで浸かれる優れもの。でも熱いのよ。
露天風呂は内湯より熱く43度ほど。寒くて冷たくて、しびれてた指先が解凍されていく。
外気が超冷たいので(多分一桁前半の気温)熱くても入れた。
泡付きが結構あって、ぬるぬるの肌触り。内湯とは全然違う感じがする。とろりとした湯感触。
とろとろが気持ち良くて長湯してると、湯から出ている顔から汗がだらだらと流れてくる。
内湯と露天風呂の間に湯が排出されるようになっていて、足裏が冷たくないようになってる。上手いことするなぁ。
貸切風呂も大浴場と同じで、チェックインの15時から翌朝10時まで一晩中入ることができる。
もう一つの貸切風呂『石船』。
内湯は木船とほぼ同じ造り。あれ、奥に枕木がないかな。大きさはほぼ同じ。
正面がガラス窓だけど、木の仕切りがあり、露天風呂側だけしか外がのぞめない。ので、木船の浴室の方が明るい。
注がれたお湯は、手前のここからかけ流されていく。
木が温泉と闘ってる。いや、調和してる。木の湯船、ほんとに好き。あ、これ、枕木かも。
こちらも浴室のドアを開けると、すぐ足元からお湯。こういうのすごいなぁ。細かい心遣いというか、温泉のこと考え続けてるから出来ることな気がする。
仙仁温泉 花仙庵 岩の湯(長野) – 温泉手帖♨︎の湯が流れてる石段もそう。
こちらの露天風呂は岩風呂。ちょこっと足をつけただけだけど、熱かった。
結構広い。贅沢な貸切風呂。
大浴場は男女の入れ替えはなく、一晩中入れる。
綺麗で清潔な脱衣所。籠も清潔。アメニティも揃ってる。
シャワーは5つ。1日10組限定の宿なので大浴場もゆったり。洗い場で誰かと一緒になることは一度もなかった。
大きめの檜の湯船。
天井も高く、全て木造り。檜なのかな。ほんのり木の香りがする。
湯船は両端が浅くなっていて、奥には枕木。
湯温は42度弱。ぬるぬる浴感は少しだけど、泡付きはある。
ガラス張りの向こうに大きな岩の露天風呂が見える。
秋には紅葉、冬には雪景色を眺めながら。ちょうど今は寒々としてるけど、これも悪くない。
おぉ、大浴場も!浴室のドア開けたところから露天風呂が始まってる。いいなぁ。
一足つけると、これはかなりぬるそう。ぬるぬる感は少し。
出入口のそばに灯りとかぶり笠。これから雪の季節がくる。奥飛騨の壮大な自然を味わいながら湯に浸かることができる。
湯口からは熱めの湯が流れ出てくるけど、広い露天風呂に低い気温。湯温は41度割れ。ぬるめでちょうどいい。それでも汗は出てくる。
他にも二箇所熱い湯口があった。もっとあったのかもしれない。
茶色の湯の花がたくさん。岩も析出物が付いてる。
敷地内から湧き出る源泉は2本。単純温泉とナトリウム-炭酸水素塩泉。どういう棲み分けかは分からないけど、湯の花がたくさんの湯船や、とろとろ感が強い湯船など、違いがある。
通常は源泉の量で適温調整しているけど、季節によっては熱交換器による加温や清水による加水などもあるみたい。
今日は加温加水一切ない状態だった。
男性露天風呂注ぎ口から湧いている源泉が、53度のナトリウム-炭酸水素塩泉。
露天風呂めちゃぬるかったよとお勧めしたら、男湯の方はめちゃ熱かったと言っていたのはこれか。
重曹泉なので、皮膚の脂肪や分泌物を乳化して洗い流すからぬるぬる。メタケイ酸がたっぷりなので保湿効果もある。
もう1本は単純温泉だけど似たような成分。少し成分薄いけど、鉄味があるって記載がある。茶色の湯の花の正体なのかな。
囲炉裏で頂いた飛騨牛、珍しい飛騨牛の牛タンも美味。フレンチ出身だという料理長の夕食、美味しかった。温泉も一晩中好きな時に入れるし、リピーターばかりなんだろうなぁというお宿。
現在、日本秘湯を守る会を休会中。宿都合ではなく、運営側からのお達しだそう。秘湯を守る会、闇だなぁ。
福地温泉 いろりの宿 かつら木の郷
★★★★
〔単純温泉〕
46.3度
pH 6.9
206ℓ/分
〔ナトリウム-炭酸水素塩泉〕
53.1度
pH 6.8
男女別露天風呂付き内湯 貸切風呂2
加水加温循環消毒なし
2019.12.7 宿泊
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