出雲空港から1時間ちょっとの三瓶山の南麓に湧く三瓶温泉。大規模な温泉街はないけど、旅館、元かんぽの宿と国民宿舎に、高原リゾートなのでペンションもある。
大山隠岐国立公園の三瓶山は、中国地方の名山として古くは「出雲風土記」の国引き神話にも記されている。島根県の中央に位置する6つの峰からなる活火山で、三瓶温泉は噴火がもたらした1300年の歴史がある名湯。
そんな三瓶山麓の裾野の洞窟より自噴する源泉を満喫できる国民宿舎さんべ荘へ。
2019年4月から全館改修工事のため休館していて、この2020年3月にリニューアルオープンしたばかり。
中国地方最大の湧出量といわれる毎分3000ℓを超える湯量を贅沢に活かした露天風呂は合わせて17種類もある。全制覇せずにはいられない。
内5つの湯船が加温もせずの源泉かけ流し。上図の水色の湯船。
使用している4本の源泉の混合泉は36.6度で、この時期だと源泉湯船の30度ちょいと、結構冷ため。
大浴場は男女入れ替え制で、夜は23時まで朝は6時から9時まで。
図を見て整理しないと分かりづらいほど湯船があるのだけど、内風呂は循環してて岩の露天風呂は濾過してるみたいなので、入らないでいいかな。
普段は日帰り入浴もしてるけど、宿泊客が多い日は制限しているのか、今日は宿泊客だけ。
加温湯船に入っちゃうと、源泉風呂に入れなくなるかもと懸念して、真っ先に源泉風呂へ。
こちらの大浴場の源泉風呂は2つで、樽と釜が並んでる。
かつて実際に使われていた酒樽や羽釜を湯船にしてる。
樽風呂は30.8度。3月の曇り空の下ではかなり寒い。さすがの勢いで湯が注がれていて、しぶきがまた冷たい。甘みのある鉄味。
大きな酒樽で、途中人が入ってきて2人だったけど、2人なら平気な広さ。
隣の釜風呂は小さめで、湯温は30.3度。酒樽を介して湯がやってくるので、その分湯温が低い。
源泉風呂のエリアの奥に階段があり、数段下がったところが代官の湯というエリア。湯船が2つある。
右手に長方形のひのき風呂、
左手に樽風呂。
鉄分を含む茶褐色の濁り湯で、源泉を加温だけしてる。湯温は40.6度。
ひのき風呂は39度。絶妙なぬる湯で気持ちいい。たまらない温度。
2人入れなくはないけど、そんなに混んでるわけじゃないので、人が入っていなければ入る感じ。
ゆっくり湯が注がれる湯船なので、湯の花や析出物がよく分かる。
オレンジ色の湯の花がたくさん。鉄分が多いので酸化した鉄の湯の花が多い。
鉄分を含む湯は体がよく温まり、塩分も多く保湿や保温効能がある。
向かいの樽風呂と温度差があるので、この2つだけでもエンドレスで行ったり来たりできる。
この代官の湯が1番奥に位置していて、その手前に最初に入った源泉風呂2つ。そしてさらにその手前、大浴場側に次の3種の湯船がある。
右の羽釜風呂は41.5度と熱め。
左の陶器風呂はさらに熱い42.5度。ちょっとも入ってられない。
どちらも1人で入りたい大きさ。
箱風呂は同じ湯船が2つ並んでる。
2つの間に湯口。40.4度とほどよくぬるくて気持ちいい。すっぽり身体が収まる深めの箱。背中が緩やかな斜めになってる。
大きな岩の露天風呂は管理上、鉄分などの付着物を濾過しているのだそう。循環はしてない。
内風呂は循環濾過。サウナに水風呂まである。洗い場は仕切りがあるタイプ。
何時間も過ごせるすごい大浴場から部屋に帰還。浴衣はサイズが揃えられてるし、さらに色浴衣も選べる。
今回泊まった別館の「松虫草」は、将棋の試合が行われたりしてる部屋みたいで、お茶室も付いてた。畳の部屋は床暖房。
大浴場の入浴可能時間が短めなので、檜風呂が付いた別館のこの部屋に。
檜風呂は両面が窓で狭さを感じない造り。
残念だけど源泉かけ流しではなく、大浴場の岩の露天風呂と同様、管理上、鉄分などの付着物を濾過し、加温消毒してる。
でも水で薄めなくても、温泉だけ入れて好きな湯温でいつでも入れる。
綺麗な黄金色のお湯。
大浴場にある露天風呂のたくさんの湯船が、加温しかしてない源泉であることがめちゃくちゃすごいし、有り難い。加温さえしていない源泉風呂は言うまでもなく。
成分に影響を与える項目として、循環濾過加温消毒について、細かくクリアにしてあって、何より分かりやすいし好感を持つ。
翌朝は男女入れ替えで、さらに違う湯船に。
内風呂は循環、岩の露天風呂は濾過してるのでスルー。というか、源泉を味わえる素晴らしい湯船があり過ぎるからスルー。
まずは3つの湯船。
左にあるのが樽風呂で、2つ並んだ湯船は羽釜風呂と五右衛門風呂。
五右衛門風呂は全部の湯船の中で1番小さいと思う。湯温は42.8度とかなり熱い。
羽釜風呂は40度前後。
樽風呂は38度とぬるめ。
源泉風呂以外も、湯船の温度をこれほどぬるめにできるなんてすごい。しかも、みんな絶妙に調整されてて、ぬる湯の段階がそれぞれ。有り難すぎる。
加温だけで濾過もしてないので、部屋風呂みたいな透明感はない濁り湯。
奥のエリアに進むと、丸い湯船が3つあり、1番奥に舟の形の湯船。ベンチもあり休めるようにもなってる。
右の2つが源泉風呂で、湯口がある方が31.5度、次のが31度。湯口のそばにいると、しゅわざらっとした湯感触で、じっとりした肌触り。
酒樽は広島市の老舗造り酒屋から杉の酒樽を譲り受け、風呂に改造したもの。
釜風呂は41.1度なので、隣の源泉風呂との温冷交互浴にちょうどいい。春から夏にかけてはもっとゆっくり堪能できそう。
舟の形の湯船は3つに分かれてる。
左側のだけ独立した湯船で、源泉風呂。31度。源泉の方が鉄味が濃い気がする。
舟の右側に湯口があり、龍から出てきてて38度くらい。
真ん中の湯船に湯口はなく、龍の湯船との間に穴が開いてて、そこから湯が流れ込むしくみ。36.3度とぬるかった。
湯船の底には湯の花が溜まってるから、お尻がオレンジになる。長湯するから手の指がしわしわ。ぬる湯にじっくりゆっくり浸かり、身体がほぐれる。メタケイ酸が191mgも含まれてる。どおりで湯上がりのお肌はしっとり。
最強の国民宿舎かも。長野の松代町の松代温泉 国民宿舎 松代荘(長野) – 温泉手帖♨︎もすんごいいいお湯だけど、この湯船のバラエティと絶妙な湯温にはかなわない。
★★★★★
ナトリウム-塩化物泉
36.6度
pH 5.8
3044.8ℓ/分
露天風呂14
加温あり 加水循環消毒なし(源泉風呂は加温もなし)
内風呂、露天岩風呂、別館風呂は32.6度の源泉で加温消毒濾過あり
内風呂は循環あり
2020.3.21 宿泊
コメント
お邪魔します、よく拝見させてもらってます。
6年前に一度だけ三瓶温泉に宿泊したのですが、強烈な印象でしたので忘れられません。
今は営業されてなさそうですが、湯元温泉さんに平日宿泊で他に客はいませんでした。
夕方に入浴すると息苦しくて脱衣所に避難しました、窓を開放すると大丈夫やったので炭酸ガスの影響かと思いましたが、女将さんに聞いても苦しくならないとのこと、慣れでしょうか・・・
翌朝に宿の上流にある源泉場所まで散歩しましたが、目の前の小川に大量に茶褐色温泉が放流されてるのを見て勿体ないなと思いました。
さんべ荘さんには、たくさんの湯船があって温泉好きにはたまらないでしょうね。
遠方の温泉が多いのですが、また参考にさせて頂こうと思います。
ありがとうございます!
三瓶温泉はめちゃくちゃ濃いわけでも、ガスが多いわけでもないので、何に反応しちゃったのでしょうか。鉄が苦手とか‥。でも露天風呂だと快適に入れるかもですね。