鹿児島空港から高速で45分、宮崎空港からだと1時間。小林市にある北霧島温泉の神の郷(かんのごう)温泉。
北霧島の杉木立に囲まれた静かな立地だけど、日帰り入浴施設を兼ねているため、地元の外来入浴客で朝から晩まで賑わっている。道の駅的な役割もあるようで、地元産の野菜やお弁当などの販売も集客に拍車をかけている。
宮崎県の南西部に位置する小林市は霧島連山の山麓にあるため、名水や温泉が湧く土地柄。
玄関横には無料の飲泉場があり、地元の皆さんが持参した大量の容器に温泉を汲んでいる。源泉かけ流しの温泉水。
飲用では糖尿病、肝臓病、痛風などに効くそう。
宿の隣、同じ敷地といってもいいくらいの隣にミネラルウォーターの工場があり、そこのお水が冷蔵庫にサービスで入ってた。まさに霧島の名水と名泉。
泊まったのはこんな感じの離れ。離れには露天風呂付きの部屋がある。
日帰り客で大混雑の本館大浴場に行かなくても、気兼ねなくゆったり温泉を楽しめる。
思った以上に大きな露天風呂で、足を伸ばして入っても3人いけるくらい。てか、大浴場の湯船がこれより小さい宿たくさんある。
屋根もついてるので雨でも平気。シャワーもシャンプーとかも全部揃ってる。
何よりこの豪快なかけ流しに、すごい析出物。カルシウムイオン143mgだけど、こんなにすごいことになるんだ‥。炭酸とカルシウムで大理石や鍾乳石の成分になる。湯の花でいえば石灰華。
もう見てるだけで期待が高まる。
これは椅子⁈化石みたくなってる。
このもったいないほどのかけ流し。2本の源泉から湧き出すお湯は毎分2tもあるそう。九州はレベルが違うな。日本有数の湯量ってパンフに書いてある。
赤いコックで湯量の調整ができる。45〜48度の源泉かけ流しを好きに調整したら、それはもう気持ちのいいぬる湯を楽しめるに違いない。
宿泊者は本館の大浴場以外に、離れの宿泊者専用ひのき風呂まである。時間は15時から24時までと、朝6時から9時まで。宿泊者ファースト最高。
離れが結構たくさんあって、宿泊者専用ひのき風呂は離れの1番奥のちょっと上がったところにあるので、なかなか遠い。
男女入れ替えはない。女湯は防犯上、宿泊者に鍵を渡され、自分で鍵を開けて入り中から閉めて入浴する。
脱衣所も木で出来ていて雰囲気がいい。たくさん脱衣棚も籠もあるけど、ほぼ独泉。
きゃー。もうドアを開けた瞬間にテンションが上がる素敵な浴室。窓が多く、心地いい光が入ってる。
洗い場はL字型でシャワーは12個くらい、充分な数。しかも、全部が檜造りですごい。
そしてこのかけ流しと析出物。
浴室に足を踏み入れると、目の前の湯船から溢れ出るお湯が川のように足元に流れてくる。
縁の析出物をこの部分だけ取り除いてるのかな。
析出物がない分、他より低いここから湯が流れ出てる。
湯船も縁も手前の床も檜。
湯船は大きな内湯がひとつと、水風呂。
薄緑色に濁ったお湯は鉄の匂い。42度前後でちょっと熱く、長湯はできない。大きめの泡が肌に付く。一度肌をさすって泡をとると、次の泡が付くかどうか熱くてじっと待ってられない。
しっとりぬるつるの湯感触。重曹泉のぬるつる。
コップも置いてあって(使わないけど)、飲泉できる。
甘みがあるしゅわ感のある炭酸味。それほど鉄くさくはない、かすかな鉄風味。全く飲みにくくない。
もう一方の縁からもざばざばとかけ流されてる。
端っこに少しだけ床の檜が見えていて、分厚い析出物で覆われてる様子がよく分かる。
湯船の角の部分。
千枚田のような析出物。
高濃度炭酸泉と謳ってるけど、高濃度炭酸泉って遊離二酸化炭素が1,000mg以上含まれてる温泉で、泉質として二酸化炭素泉と言えるのも同じく1,000mg。(250mg以上で炭酸を含む温泉、とは定義はされるのかも)
この源泉も遊離二酸化炭素をたくさん含んではいるけど519mg。泉質名として二酸化炭素泉ではない。かつては二酸化炭素泉だったあの千原温泉 千原湯谷湯治場(島根) – 温泉手帖♨︎でさえ、現在の遊離二酸化炭素は262mgだから、千原温泉の倍も含まれてる。
2本の源泉のうちひとつしか温泉分析書がなかったから、もう1本の泉質は分からない。もっと遊離二酸化炭素含まれてるのかもしれない。
出入口の隅に小さなかけ湯。
析出物が芸術の域。湯桶が小さいので43度超えてる。
湯がしゃわしゃわぷちぷち。43度でもこんなに二酸化炭素が残ってるものなんだー。すごいな。
本館大浴場には内風呂、露天風呂、サウナ、水風呂まであり、日帰り入浴が8時から22時まで。宿泊者は6時から22時なので、朝の6時から8時だけが宿泊者専用。
入らなくてもいいかなと思ってたけど、朝の時間にとりあえず調査に。
広い脱衣所、鍵付きロッカーは10円。奥に籠だけの棚も少し。
洗い場も広く、シャワーもたくさんあるけど、多分日帰り入浴の時間は激混みだろうな。
左奥にサウナと水風呂。
天井はかなり高くて、窓からの光がよく入る開放的な浴室。
内湯はこの2つ。
迫力ある大きな内風呂。
右の小さい方の湯船が42度、左の大きな方が40度くらい。
1つの湯口から2つの湯船に湯が流れ込み、大きさの違う湯船は湯温が異なるようになってる。
すんごい勢いよく投入され、
がんがん湯船から外に溢れ、かけ流されてく。
縁や湯口にはもちろん析出物ががっつり。湯面にはカルシウムの膜が浮いてる。
大きな方の湯船は40度とかなりぬるい湯加減にしてあるけど、入ってると41度くらいに感じる。5分も浸かってたら汗が出てくる。成分の効果ってすごい。
手すりにこびりつく成分。濃さが分かる。
露天風呂の出入口のドアもすごい。掃除めちゃくちゃ大変だろうな。
露天風呂の湯船も2つ。手前の大きな丸い岩風呂は屋根付き。
奥の長方形の湯船は露天だけどタープがかかってる。
湯口の周りにはこってりと茶色い析出物。二股らじうむ温泉 二股らじうむ温泉旅館(北海道) – 温泉手帖♨︎の石灰華ドームを思い出させる。
湯温は40.5度ちょいで絶妙なぬる湯加減。入らないでいいなんてとんでもない。大浴場、絶対入った方がいい。ぬる湯気持ちいい。
湯の排出口辺りはオレンジ色になっていて、色が付くよと注意書きがある。
奥の湯船は深いブルーのような色。36.5度前後のかなりのぬる湯。
手前の段差は斜めに作られていて、寝湯ができるようになってる。
湯船の縁に身体が触れると、肌が焦げ茶色になる。
なんとも豊富な湯量。
平成9年にこの施設が出来たのだけど、住宅地で井戸を掘ったら温泉が出そうだったので、この地をボーリングしたら湧き出たそう。48度と45度の2本の源泉があり、季節によってブレンドを変えてかけ流している。
日帰り入浴はこの本館大浴場以外に、露天付貸切風呂が6室。テレビまである休憩スペースが付いてる。時間貸しで60分から300分。
九州価格にはいつも頭が下がるけど、ここは驚きの安さだった。休前日なのに、食事グレードアップして宮崎牛食べたのに、部屋にかけ流しの露天風呂付いてるのに、ひとり13,950円って‥。しかもチェックアウト11時。
朝食の温泉湯豆腐と温泉粥、美味だったなぁ。
北霧島温泉 恵の湯 神の郷温泉
★★★★★
マグネシウム・ナトリウム-炭酸水素塩泉
45.4度
pH 7.6
728ℓ/分
加温加水循環消毒なし
男女別大浴場(各 内湯2 露天風呂2)宿泊者専用ひのき風呂(男1女1)露天付貸切風呂6
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