秘湯を守る会のスタンプがいっぱいになったので、沓掛温泉の満山荘を再訪。土曜日だけど、気持ちよく予約を受けてくれた。
夏に最高のぬる湯。それに、女将の明子さんのお料理も楽しみ。
大浴場は玄関の一つ下の階にあり、22時に男女入れ替え。一晩中ずっと入ることができる。
着いた日は左奥が女湯。それぞれ内風呂と露天風呂が一つずつ。
内風呂は34.7度のアルカリ性単純泉を、加温してかけ流し。この日は39.5度くらい。縁から気持ちよく溢れ出てた。
ぬるめのアルカリ硫黄泉がすきなので、すぐに露天風呂へ。こちらの浴場の露天風呂は「万葉の湯」。
L字型の湯船の真ん中の角の部分に湯口がある。塩ビ管の先が湯の中に入ってる。前回はそのままだったけど、先っちょがガーゼみたいなので覆われてる。
湯の花が詰まらないようにかなと思ったけど、白い湯の花、めっちゃふわふわ舞ってる。
39度ちょっとの源泉が出ていて、湯船は37.3度。硫黄の匂いに包まれながらのぬる湯最高。夏に涼しい土地で37度は極楽。何時間でも入っていられる。来て良かったー。
pH 9.3のアルカリ性。ぬるぬるというよりは、つべつべな肌触り。
夜の22時の入れ替え後は、右側の浴室が女湯。
脱衣所にアメニティはなく、ドライヤーだけある。
翌朝の内風呂の湯口からは52.5度の熱めの加温源泉が注がれていたけど、湯船は40度ほどだった。
内風呂は単純泉なので、やっぱりすぐに露天風呂へ。
こちらは野天風呂の「沓掛の湯」。この階段と露天過ぎる環境が、夜は怖いので入れず、朝に。
大きい方の湯船、前は竹筒から湯が出てたけど、竹なくなってた。湯口からは34.8度の源泉が注がれているので、おそらく単純温泉。湯船は37度。
小さい方が硫黄泉だったので、初めからそちらに。
前は、この瓦の後ろの湯口が2つあり、加温された単純泉と、硫黄泉の源泉が注がれてたと思うのだけど、今朝は1本だけ。
湯口から出てるのは39度の硫黄泉。しっかり硫黄の匂いがする。ん〜。心地いい。
湯船の中のパイプからは46度くらいの湯が滲み出てきてる。多分、加温した単純泉。これ入れなきゃ、湯温維持できないのかな?硫黄泉だけのかけ流しだといいのに。湯船は38度弱。
かなりの湯の花が漂ってた。白い湯の花だけど、つかまえると半透明のぷるんとしたゼリーみたいにぬるりとしたやつ。
長湯する気満々で湯を楽しんでたけど、大きな虻に襲われて、漫画みたいにお湯の中に潜ってかわした。でも、潜り続けるわけにも行かず、ずぶ濡れでダッシュで逃げた。虻めっちゃ怖い。すっごい残念だった。内風呂が硫黄のぬる湯だったらいいのに。
沓掛温泉 満山荘
★★★★
2022.7.23 宿泊
♨︎ ♨︎ ♨︎
上田駅から車で30分ほどの上田市の西に位置する青木村。田園風景が広がる長閑な山間に湧く沓掛温泉。
沓掛は、旅人が草鞋や沓を神に捧げて、旅の平穏を祈ったことに由来する地名で、日本各地にその名が残ってる。
青木村の沓掛温泉は、今は旅館2件の小さな温泉地だけど、開湯は平安時代で1200年の歴史がある。
滋野親王が眼の病を治したと言い伝えられる名湯で「万の病症に効顕著しきこと他に比いなし」といわれた薬湯。
満山荘は、4年前に後継者不在で閉館したおもとや旅館を再オープンした宿。
同県上高井郡高山村の信州高山温泉郷のひとつ奥山田温泉に、1964年に創業した満山荘。共同源泉の施設老朽化のために2016年にやむなく閉館。同じ時期に閉館予定だったおもとや旅館を引き継いだ。ふた宿とも日本秘湯を守る会の会員。
おもとや旅館は昭和31年の建物だそうで、結構年季が入ってるけど、出来る限りの手を加えながら利用している感じ。古くても清潔でさえあれば問題ない。
玄関ロビーが1階で、大浴場は階段を少し降りた地下1階にある。地下といっても斜面に建っているので、暗さはない。
22時に男女入れ替えで、一晩中ずっと入ることができる。
まずは左奥の浴室から。想像よりゆったりした脱衣所。ドライヤーもある。
内風呂と露天風呂が1つずつあり、それぞれにシャワーが2つずつある。
こじんまりした内風呂。湯底には簀子が引いてある。湯船の中の段差には陶器みたいなタイルみたいなのが敷いてある。滑り止めかな。
内風呂はアルカリ性単純泉。源泉温度が34度と低いので、加温してかけ流し。40度ちょっとの湯温。
pH9.2と結構なアルカリ泉なのだけど、あまりぬるぬるではない。
2本の源泉を使い分けていて、露天風呂がぬるめだと分かってるので、内風呂は確認もそこそこに外へ出る。
こちらの浴場の露天風呂は万葉の湯。
広めの湯船。シャワーがあり、シャンプーなどもある。完全に屋根があるので、半露天風呂かな。
斜面側が完全にオープンで、緑の木々が間近にせまる。
田山花袋が『信州には著名な温泉が数多いが、沓掛温泉ほど四季とりどりの美しさに恵まれた処は無い』と讃えたそう。
L字型の湯船で、入り口には一段段差。
源泉が空気に触れないように、湯船の底まで延びた塩ビ管から投入されている。
38.5度の硫黄泉が源泉のままかけ流し。硫黄の香りがほんのりで心地いい。
湯船の湯温は37.5度前後の超気持ちのいいぬる湯。
出入り口側にも塩ビ管があり、そこからも湯が投入されてるっぽい。
白いふわりとした湯の花がちらほら。
壁側は縁の部分を越えて湯が行き来していて
洗い場側にかけ流されている。
これも排湯口なのかな。
こういうの何度か見たけど、それはゴーゴー湯が吸い込まれていってた気がする。
寝湯用の枕あり。使わないけど。
こちらの硫黄泉もpH9.3のアルカリ泉だけど、それほどぬるぬる感はない。じっとり肌に馴染む硫酸塩泉みたいな肌触り。
pH値が高く肌にもいいと、1200年も薬湯として親しまれてきた沓掛温泉。薬湯って、松之山温泉 ひなの宿千歳(新潟) – 温泉手帖♨︎や松之山温泉 玉城屋旅館(新潟) – 温泉手帖♨︎、草津温泉 大滝乃湯(群馬) – 温泉手帖♨︎や有馬温泉 御所坊(兵庫) – 温泉手帖♨︎みたいなすごく濃いお湯を思い浮かべるので、単純温泉と優しい硫黄泉ではちょっと薬湯感はない。むしろ美肌の湯。
季節ごとに花や紅葉など、四季折々の自然を感じられる露天風呂。ちょうどピンクの百日紅が咲いてる。
もうひとつの浴場は、少し脱衣所が狭め。
内風呂は同じような造りで、シャワーは4つ。こちらは露天風呂にはシャワーはない。
湯船の向こうに見えてるのが露天風呂へ続く階段。
湯口からは47度弱くらいに加温された単純泉が投入され、湯船の湯温は40度ちょっと。
脱衣所と浴室の間の戸は、露天風呂への出入り口でもあり、こんな開けっ放しの状態のまま。
引き戸の奥に扉があり、そこから階段で降っていく。
一応、屋根と手摺りはあるけど、明るい時間じゃないと、少し心細い階段。虫とか怖い。
野天風呂の沓掛の湯。
湯船がふたつ。大きいのと小さいの。源泉かけ流しで36度くらいとの事前情報。夏にぴったり。
シャワーはない。
2つの湯船の間にパイプが3本通ってたけど、蓋が塞がれていて湯の行き来はなく、
縁がやや低くなっていて、ここを越えて大きい湯船に湯が流れている。
大きい湯船は、硫黄の香りはほんとにほんのりしかしないので、大半が単純泉なのかな。
湯口から出ているのは、34.7度の単純泉。源泉そのままかけ流し。顔を洗うとつるんつるんする。
湯口の近くにいると泡付きがある。真夏にはこのぬるさがちょうどいい。
湯船全体の湯温は38度弱。湯口からは34.7度の源泉が注がれているけど、パイプから加温湯が投入されているんだと思う。
細かめの白い湯の花。ふわりとしたのは少しだけ。
縁の外側へかけ流されている。
もう一つの小さい湯船は2人は入れるけど、誰か入ってたら入りにくい広さ。
一段段差があり、ピンクのパイプも見えてる。
こちらはしっかり硫黄の香り。
硫黄泉はメラニンの生成を防ぐ美白効果があるし、アルカリ泉も古い角質を溶かしてくれる。湯上がりの肌がするするで、気持ちいい。
立派な沓掛の瓦。
掛瓦から湯が投入されているのだけど、横から見ると2つの湯の流れ。
46度くらいに加温された単純泉と、38.5度の硫黄泉の源泉かけ流し。湯船は38度弱。長湯に最適な湯温で何時間でも入っていられる。
白い大きめの湯の花がふわりと舞ってる。硫黄の香りが心地いい。
パイプからは加温湯が出てる。真夏だからそんなに加温しなくても、硫黄泉の方は源泉そのままでよさそうだけどな。
カニ!蟹、カニがいた。こんなぬる湯でも茹で上がっちゃうのかな。オレンジ色だった。
野天風呂の沓掛の湯の上に、露天風呂の万葉の湯があり、ざばざばとかけ流されているのが見える。
アルカリの硫黄泉が好きなので、万葉の湯が1番ぬるくて硫黄感があっていいかな。でも、湯口が湯底なので、新鮮な源泉で顔を洗ったりはできない。そうなると、沓掛の湯の小さい湯船か。
評判は聞いていたけど、想像を遥かに上回るお料理だった。
女将の明子さん、フレンチの修行とかしてないらしい。驚き。
沓掛温泉 満山荘
★★★★
[沓掛温泉1号泉]
アルカリ性単純温泉
34.7度
pH 9.2
[沓掛温泉3号泉]
アルカリ性単純硫黄温泉
38.5度
pH 9.3
内風呂2 露天風呂2
加水循環消毒なし 加温あり
2020.8.22 宿泊
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