西伊豆の中心 松崎町には、那賀川沿いに松崎温泉、桜田温泉、大沢温泉があり、海岸沿いに岩地温泉、石部温泉、雲見温泉がある。
桜田温泉は、松崎の街中から下田方面に2kmほどの長閑な山里に湧く一軒宿。
宿の目の前の田んぼが、田んぼをつかった花畑。
外観に松崎ちっくなナマコ壁をあしらい、贅沢な木材をふんだんに使った建物。
昭和55年 (1980) 開業の山芳園は、自家源泉を持ち100%源泉かけ流し、飲むこともできる。秘湯を守る会の宿。
部屋は本館に8室、蔵造りの離れが2棟の計10室。内3室が専用温泉風呂付き。
館内湯めぐりができる温泉自慢の宿で、檜風呂(男湯・女湯)、室岩風呂(女湯のみ)、家族風呂(貸切制)、大露天風呂(貸切制)がある。
かつて混浴だった大露天風呂が、2018年から貸切制に変わったそう。夜は22時まで、翌朝は日の出から9時まで。1回30分を目安に無料で利用できる。
扉が開いていたら、空きで、
閉まっていたら、使用中。
この扉と、階段の先にある同じような扉を閉めて貸切利用する。
階段の先に現れる巨大な露天風呂。貸切の広さではない。うん、確かに混浴の広さ。
こざっぱりとした脱衣所があり、ひとりここで浴衣を脱ぐ。大露天風呂の独泉。
20帖の広さ。誰もいないので、温浴ウォーキングもできる。
シャワーも付いてる。
ここが入り口だよ、みたいな感じはなく、どこからでも出入り出来るのだけど、深さが1mもあるので、用心深く足を踏み入れる。
段差が少し見えづらいので、暗くなると注意が必要かも。
腰骨くらいまでの深さ。
1番奥の岩場の上から源泉が流れ出ていて、ご主人たちの手造り感を感じる岩の道を通り、湯船にお湯が到達する。
上から降りてきたお湯は57度超え。
岩の隙間から湯船の中へ熱いお湯が染み出してくる。この辺りで42.8度。
湯船は全体的に42度ちょっと。冬はちょうどいい。ちょっと熱いくらいだけど、貸切で長湯したら困るし、そういう意味ではちょうどいいくらい。
源泉温度が72.8度もある高温泉。加水も循環もせず適温にしている。レジオネラ菌も全部死滅するから、塩素消毒もしなくて大丈夫。源泉をそのまま味わさせてもらえる。
湯が投入されてる場所の少し先に、一段段差があるのでびっくりする。気をつけないと。
排湯口は湯口の向かい辺りにあり、ざばざばとかけ流されている。岩肌には白い析出物。
毎分600ℓ以上の温泉が自噴していて、湯量を調節しながら250ℓ前後を利用しているそう。超豊富な湯量があっての、この広さ。
一部、屋根付きなので、雨天でも入浴できる。
この大露天風呂以外に貸切できるお風呂が、もう一つある。大露天風呂の階段下、女湯との間にある家族風呂。
清潔でゆったりした脱衣室に、洗面台もある。歯ブラシまで置いてある。
透明のガラス戸の向こうにはしっかりした広さの洗い場に、大きな湯船。壁は石積み。
湯船の向こうのガラス戸が開いていて、冷たい空気が入ってくる。顔が涼しくて気持ちいい。
右側半分が浅く、左側が深い湯船。
湯口からは60.5度の源泉が注がれていて、湯船の温度は41.8度前後でちょっと熱め。
女湯の岩風呂より少し深い。
浅いところは41.5度弱。くるぶしと膝の真ん中あたりの深さ。足を伸ばして座るとおへそくらい。下半身しか浸かってないのに顔から汗がめっちゃ出る。
当たると痛い、立派な析出物。肌触りはきゅっきゅする感じ。
しっかりかけ流されていて気持ちいい。
泊まった時は、4室に絞って営業しているとのことで、貸切風呂は自由に入れるし、大浴場でも誰にも会わなかった。
しかもどこも翌朝9時まで、一晩中入れる。誰かと会う方が難しいような状態。
男湯と女湯の入れ替えはなし。
清潔でゆったりした脱衣所。アメニティは完璧な品揃え。
チェックイン時に好きな色のフェイスタオルを選べた。とても肌触りの優しいガーゼのような生地。
女湯には2つの浴室があり、どちらもこの脱衣所から。
男女共通の大浴場は唐傘天井の桧風呂。唐傘天井の存在感すごい。男女が真ん中で仕切られてる。
蔵っぽい雰囲気。奥にシャワーが3つ。
総檜造りの湯船。檜の香りに木の温もりもしっかり。
夕方は42度ちょっとあって熱めだったけど、夜に暖まりに行った時は41.8度と、ちょうどよかった。朝は42.4度。熱い源泉を調整しながらのかけ流しなので、湯守は大変だろうな。
館主こだわりの“源泉脈かけ流し”。加水せず空気に触れさせずに源泉を湯船へ届けるために、独自の冷却装置を開発。
地下920mから自噴する源泉は熱交換器を経て、空気に触れることなく湯船へ注がれるので、地中直結の新鮮な源泉を味わえる。
湯船の底に注がれる源泉は49.4度。湯船は42度前後。
しっかり深めで、座ると顎が浸かるくらい。ちょっと背を伸ばし気味に座る。
全面から湯が溢れ出ていく。
総檜風呂の内風呂、男湯は湯船が2つあるらしい。
女湯は湯船1つだけど、もうひとつ洞窟風の室岩風呂というのがある。
脱衣所からすぐの、もうひとつの浴室。こちらはうってかわって薄暗い。
壁も全面が石積み。1箇所だけ外からの明かりが入るようになってる。とても凝った空間。
シャワーはひとつだけ。
湯船は少し段差がある2つ。
上の湯船の湯口。
53度の源泉が一旦岩で囲まれた部分に注がれ、岩の隙間から少しずつ浸み出してきてるよう。
47.5度くらい。でも少しずつなので、湯船はかなりぬるめで、湯口付近でも39度ちょい。離れると38.5度割れ。
ぬる湯最高。なんだけど、膝下くらいの深さしかない浅い湯船。座ると胸下くらいの深さで肩が出る。肩が浸かるようにいい具合の岩に首をもたれようとするけど、白い析出物がぎっしりで、肌に擦れると痛い。
ぬる湯に半身浴でもしっかり汗が出てくる。
泉質はカルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉。分析書以上にパワーのあるお湯。肌触りはきゅっきゅと、肌に浸み込んでいく感じ。
下の湯船は股下ほどの深さがあり、しかも44度前後とすごく熱い。
湯口の温度は56度超えだった。
飲泉できる湯口もある。52.4度と熱いので、手で受けて飲もうとするとあちち。手のひらに溜まったお湯をさっと飲むくらい。ほぼ無味無臭のまろやかな源泉。
温泉付きの3室のひとつ、専用露天風呂付きの「川蝉」。“源泉かけ流しをプライベート空間で何度でも好きな時間に”とのことだけど、大浴場も毎回プライベート空間で、何度でも好きな時間に入れたよ。
ということで、いつも通り旦那さん専用の部屋風呂。
シャワーもあり。
湯船の向こうにもうひとつ湯船らしきものがあるけど、あれは池。
湯口からは50.5度の源泉。真っ白の析出物がびっちり。
しっかりかけ流し。
夕方の湯温は40.5度、朝は38.5度と絶妙な好みのぬる湯だったみたい。
宿の目の前の自家農園でご主人が、アイガモ農法米をつくってる。地物にこだわる食事も美味。
桜田温泉 山芳園
★★★★
カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉
72.8度
pH 8.4
600ℓ/分
内風呂(男1女2)貸切大露天風呂1 貸切風呂1
加温加水循環消毒なし
2021.3.6 宿泊
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