『日本最古と云われ、かつて傷ついた白鷺や少彦名命、聖徳太子を癒した伝統ある温泉を、源泉のままいつでも「生湯」を堪能できる』
と、2020年4月にオープンした客室数10室の琴の庭。創業70年の老舗旅館 葛城が手掛けた宿で、道後温泉 道後温泉本館(愛媛) – 温泉手帖♨︎の目の前の坂にある。
松山空港から20分ほどと超好アクセスの道後温泉は、神話の時代から湧く日本最古の温泉。
でも、自然湧出していた道後温泉本館にあった1号泉はすでに枯渇していて、現在は29本ある源泉すべてが掘削で動力揚湯。
源泉は道後温泉旅館協同組合が管理し、4か所の分湯場に集められ、そこから各施設や旅館に配湯されている。1日当たりの湯量は2000t。市が運営する2つの外湯「道後温泉本館」と「椿の湯」に1日500tと350t供給し、さらに足湯にもそれぞれ30tを送ると、残りが1,090t。それを35軒の旅館で分け合っているので、なかなか源泉かけ流しには出会えない温泉地。
琴の庭には大浴場はなく、各客室の半露天風呂のみ。
シャワーブースの奥に広い浴室。
落ち着いた照明。
木の窓を開けると、もう外の空気で木の目隠しがあるだけ。
木と温泉にこだわっていて、愛媛県の檜や杉を中心とした木々を使用している。
湯船は縁と湯口だけが檜。
入らないけど、2人でもゆったりサイズ。
手前だけに段差があり、段の側面に加温の湯口がある。
家の追い焚きと同じだと思うのだけど、ここから熱い湯が出てきて、
湯口の反対側の湯底にある穴から、湯が吸い込まれている。ここにうっかり、手とかお尻とか当たると、ぐわっと吸われてひぃっとなる。
「生湯」の源泉かけ流しと謳っていても、加温してる。湯温調整に水を使わないでそのままの源泉という意味みたい。
ほんのりふわぬるの肌触りだけど、やっぱりそれほど大したことないお湯。
湯温はぴったり40度だったので、フロントに加温を緩められるか尋ねると、1度下げることになり、その後は夜通しぴったり39度。湯温調整機能すごいな。
湯口からは37度の源泉が出ていて、きっとこれが加温してない生の源泉なのだと思う。翌朝は36度だった。
湯口の湯を手で掬うと、少し塩素臭もするけど檜の香りもする。
混合源泉の温度が48度の第2分湯場の源泉。引き湯してくる間にこんなに下がっちゃうのか。だからどこも加温しなくちゃならない。
この宿が利用している第2分湯場は、道後温泉本館と同じ。多くの源泉を混合し48度にしてる。
以前宿泊した道後温泉 別邸 朧月夜(愛媛) – 温泉手帖♨︎は第1分湯場、道後温泉 うめ乃や(愛媛) – 温泉手帖♨︎は第5分湯場だったので、計らずとも4つのうち3つに入ったことに。
はっきり差は分からないけど、11号源泉1本だけの第5分湯場の客室風呂が、かけ流しで1番良かった気がする。
湯は縁を越えて溢れ出るわけじゃなく、縁の下にあるこの排湯口から出ている。
絶えず湯が外へ流れ出ているので、かけ流しはかけ流し。
縁が濡れないので、頭を乗せて寛いだり、本や携帯を置いといても平気なので、これはこれでアリ。
何度再訪してみても、道後温泉の高評価が分からない。日本神話の時代に登場し、聖徳太子を癒し、夏目漱石が坊っちゃんに描いたから、いい温泉?
3階には道後温泉本館を見下ろす景観の足湯。
こんなに高級感出してるのに、食事が姉妹館でだった。予約サイト見直したらもちろんちゃんと明記されてたけど。雨の中、傘をさして古いホテルのレストランへって‥。
道後温泉 琴の庭
★★
アルカリ性単純温泉
47.8度
pH 9.1
客室風呂10
加水循環なし 加温消毒あり
2021.7.17 宿泊
コメント