紀伊半島西南部の南紀。西側の空港周辺は好アクセスだけど、東側はとにかく時間がかかる。名古屋から紀伊勝浦駅まで特急で4時間。今回は南紀白浜空港まで飛び、レンタカーで2時間かけて。
南紀勝浦温泉は3回目。こんなに行きづらいにも関わらず。前回は南紀勝浦温泉 ホテル中の島(和歌山) – 温泉手帖♨︎、初めて来た時は南紀勝浦温泉 陽いずる紅の宿 勝浦観光ホテル(和歌山) – 温泉手帖♨︎。
今回は、景勝地である狼煙半島の広大な敷地に建つホテル浦島。
ホテル中の島(現在は碧き島の宿 熊野別邸 中の島)と同じ船着場から船が出てるけど、陸続きの半島なので宿の送迎バスでも行ける。
泊まるのを熟慮するほどの超大型ホテル。でも来てしまった。
「山上館」「日昇館」「なぎさ館」「本館」の4つの客室棟からなり、収容人数は1,300人超え。この日も800人以上の人が宿泊してた。
平安時代、熊野詣に来た貴族が入っていたという、昔から湧いている温泉。
利用している源泉だけで18本だか12本だかあって、実際はその倍ほどあるのだそう。館内だけで様々な源泉の湯巡りができる。
大浴場は5ヶ所で、マップの紺色の箇所。プラス、山上館に宿泊者専用の大浴場「遙峰の湯」があるので、全部で6つ。
山上館の遙峰の湯は33階にあり、専用のカードキーで入る。
奥が女湯で、男女の入れ替えはない。夜は24時まで。朝は6時から10時まで利用できる。
広い脱衣所に、洗面台もいくつかあり、アメニティも揃ってる。ロッカーは間引き利用。
海に面した奥側がガラス窓になっている、眺望のいい浴室。
仕切りのある洗い場で、シャワーは8つ。
窓際に少し大きさの違う湯船が2つ。ほんのり青みがかった乳白色のお湯で満たされてる。
滔々と縁から溢れ出るお湯が洗い場の方へ流れてる。
縁には白い湯の花がうっすら溜まり、足形が残る。
右側の湯船は42.5度と少し熱め。翌朝は41.5度だった。
湯口は49度。源泉温度は51.5度で加水なしのかけ流し。
翌朝は1度弱ほどぬるかったので、その分湯船もぬるめになってた。
湯口には、いかにも硫黄泉の白い湯の花がびっちり溜まってる。
6本の源泉の混合泉で、含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉。pH 7.3の中性だけど、しっとりしたお湯で、ふわつるの肌触り。
2つの湯船に境はあるけど、ざばっと溢れるお湯は縁の上で行き来がある。
左の湯船の方が大きい。こちらも午後は42度超えで熱かったけど、翌朝は41度で少しゆっくりできた。
香ばしく、少し塩気のある出汁味。
湯口にも縁にも湯の花が積もり、
粒のような塊になった白い湯の花が浮いてる。
窓の向こうには勝浦湾が見渡せ、那智の滝まで臨める。
仲居さんが教えてくれてたから、見つけられた。
勝浦の夜景もこの向きに見える。
山上館から本館に行くにはまず、エレベーターかエスカレーターで30階分下へ降りなきゃいけない。それから、横移動で長い通路を歩いて行く。
最初に右手に現れる大浴場が大洞窟風呂の「忘帰洞」。これが一番有名な大浴場。
夜は23時までで、朝は5時から10時まで。
23時になる10分前に脱衣所に行ったら、すでに清掃が始まっていて、今から入るなんて許されない空気だったので、1日目はこのメインの湯を見ることもできず、不覚にも翌朝に持ち越し。
脱衣所の出入り口の天井も、すでに洞窟。
この時点でもうアトラクションのよう。
翌朝には男女入れ替え。このことに気付いてなくて、翌朝暖簾を見てショックを受けた。なんで昨日入らなかったかな。
おそらく1番広い脱衣所。洗面台は4つで、ドライヤーや化粧水などもある。
本当に洞窟。間口25m、奥行50m、高さ15mの巨大な天然洞窟。洞窟の中の大浴場。想像以上に広く、湯船は4つもあり、シャワーも3ヶ所に計20個以上ある。
露天風呂ではあるけど、全く寒くない。露天風呂というか、まさに洞窟風呂。しっかり囲まれていて、室内空間みたい。
右手前にあるこの湯船が1番ぬるく、湯口で50.5度、湯船が40.5度。
源泉は遙峰の湯と同じ含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉。6本の源泉の混合泉で51.5度。
毎分574ℓの湯量があり、山上館と本館にある3つの大浴場で利用されている。
しっとりしたお湯はpH 7.3の中性。
洞窟の中に自然に温泉が湧出してできた熱い湯溜りに古くから沐浴していたようで、平安末期には熊野詣の際、この温泉で旅の疲れを癒したと伝えられている。
4つの湯船は同じ源泉だけど、広さがそれぞれ違い、湯温も微妙に調整してある。
脱衣所から入って左正面にあるこの湯船が1番大きい。
湯口が51.5度。直接ざばざば投入してるっぽい。
湯船の温度は41.3度。
もうひとつ海側にある湯船も41.3度だった。どれも熱すぎなくて、すごくいい。
50度超えの源泉だから寒くなってからと、この時期に来たけど、夏場の湯温はどうなんだろ。うまく調整してもう少しぬるめにするのかしら。
すべての湯船は、加水加温なしの源泉かけ流し。塩素消毒はしてるみたいだけど、硫黄泉なので全く分からない。
数段の階段があり、洞窟から抜け出たところに4つ目の湯船。
ざばーんと波が打ちつける音が響く。
忘帰洞の名は、ここで旅館営業が始められた大正時代、紀州藩主の徳川頼倫公が「帰るのを忘れさせるほど心地よい」と誉めたことからついたのだそう。
湯口が左側にあるので左端で41.3度、右端が40.7度と湯温に差があり、右側につかり海を眺めた。
空も海も湯も同じブルー。
本館にあと2つ「滝の湯」と「ハマユウの湯」があり、午前と午後で男女が入れ替わる。
着いた日つまり午後は滝の湯が女湯、翌朝の午前はハマユウの湯が女湯。
滝の湯はゆったりした大浴場に、大きな内風呂。
2面にシャワーがあり、ガラス戸の奥には半露天風呂のような浴室。
自然光がないからか、グレーに見えるお湯。湯船の奥の壁は天然の岩肌で、上からお湯が流れ落ちてくる。
那智の滝をイメージしてるらしい。
含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉で、忘帰洞や遙峰の湯と同じ混合泉。大浴場の雰囲気や湯船の形が全く違うので、不思議と違うお湯に入っている気分になる。
縁から溢れるかけ流しが気持ちいい。
ガラス戸の向こうは露天風呂のような空間、だけど露天とも違う。屋根がある。壁が岩肌だから、露天みたいに感じる。
脱衣所から直接こちらに入る出入り口もある。
内風呂に比べて、ブルーがかった乳白色に見えるけど、同じ源泉。
2つ湯船があり、手前の方が少し広く、深さが膝のあたりまでで浅い。
灰色に染まった湯口。周りには白い水晶みたいな析出物。
湯口は49.5度で、湯船は41度ちょいだったような。
奥の湯船は深め。
湯口は50度あるけど、湯船の中は40度とぬるめ。深さがあるからかな。
湯口も湯の色もねっとりグレー。
縁だけが木で中はタイル。
翌朝は入れ替わってハマユウの湯が女湯。
どこの脱衣所もゆったりした作り。
広い浴室の奥に内風呂がひとつ。壁際にシャワーが並んでる。
真ん中にある石で囲まれた湯口はダミーで、右端の湯口から注がれてる。
滝の湯と同じく、灰色に染まった湯口。49.5度の源泉が出ていて、湯船の温度は41度。
縁からはざばざばとかけ流されてる。
どこの大浴場も熱すぎず、かつ湯温に微妙な差があって、有り難く感心する。
しっとりじっとりした肌触り。粉っぽい硫黄の匂いが心地よく、もう一泊したいと思う朝風呂。
さらに、日照館という建物に「磯の湯」と「玄武洞」の2つの大浴場があるのだけど、山上館からとてつもなく遠い。
本館から一度2階に上がり、日照館に入ってから階段を降りたところにある。と、表現すると近そうだけど、本当に遠い。
まず磯の湯が通路沿いに、男女分かれてある。入れ替えはなし。夜は24時までで、朝は6時から9時まで。
壁が木だからか、湯治場のような風情がある。着替えてると、磯に打ち寄せる波の音がざっばーと聞こえる。方向音痴でどこにいるのか分からないけど、海がかなり間近にある。
ゆったりした浴室で、右の壁にシャワーが並んでる。左手前にも少し、全部で11個。
湯船は2つで、色が全く違う。
手前の小さい方がぬるめで、青みがかった乳白色。
気候や天候によって色が全く違うらしい。
湯口は間欠泉みたいに、しゅぼしゅぼ音を立てて、大量に吹き出したり、少なくなったり。
源泉から近い湯船らしいので、引き湯距離が短い。
湯口で41度ちょい、湯船は40度と適温。長湯するには熱いけど、本当に気持ちのいい湯加減。
この大浴場の源泉は、磯ノ湯1号と5号泉の2本。
どちらもpH 7.8の含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉で、源泉温度が44.2度と41度。
ぬるめのこちらが5号泉で、奥のあつめの湯船が44度の1号泉なんだと思う。
縁からざばざば溢れるお湯。タイルの溝に白い湯の花が溜まってる。
明らかに本館の源泉とは違い、ぬるぬるの湯感触で、硫黄の匂いがかなり強い。
ほんのり甘い硫黄泉で、しょっぱさはほとんどない。
ふわつるの肌触りが心地よく、ずっと入っていたい。この大浴場の近くの部屋がよかったな。あまりにも遠くて残念。
あつめ湯船はちょっと大きい。すごい勢いで、ものすごい量がざばざば投入されてる。新鮮過ぎて透明なのかな。
湯口の温度が44度。あ、やっぱりこれが1号泉なのでは。
湯船は42度。ふわつるの肌触りで、湯からあがるとじっとりねっとり塩化物泉感がある。乾くと指先はするするに。
透明だけどしっかり硫黄の匂いがし、ほんのり塩気がある。
木造りの縁からは絶えず湯が溢れてて、酸性の硫黄泉みたいな色に染まってる。弱アルカリ性だけど。
最後の5つ目の大浴場、玄武洞は天然洞窟風呂。山上館から来ると、端から端。何分くらいかかってるんだろう。何度も言うけどめちゃくちゃ遠い。
利用時間は16時から23時、朝は5時から正午まで。
たくさんある大浴場、毎日換水して清掃するので、それぞれ掃除時間が決まっていて、利用時間が微妙に違う。
マップの裏に時間が載ってるのでチェックしてからまわらないと。スタンプためると、帰りに温泉の素をくれる。
ここは男女の入れ替えはなし。
脱衣所にたどり着く前からすでに洞窟。
忘帰洞が大洞窟温泉、ここ玄武洞が洞窟温泉と記載されてる。
磯の湯と似た、少し木が混じった湯小屋みたいな脱衣所。ガラス戸の向こうに洞窟が広がっていて、すでに洞窟の中にいるのを感じる。
左右に洗い場があり、シャワーは11個。
自然が作り出した洞窟そのものなのに、シャワーがある違和感。たくさんの人が出入りするから、もちろん無いと困るのだけど。
洞窟の中に波が打寄せる音が響いてる。手前には細長く大きな湯船。
目に見える湯口はこれで、間欠泉みたいにしゅぼしゅぼ音を立てて、吹き出してる。
湯口で41.5度。あまりに大きな湯船なので、他にも湯口はあるのかもしれない。
湯船はぬるいところで39.5度、湯口近くで40.7度と、心地のいい湯温。
縁からはざっばざっばと湯が溢れ出ていて、やっぱり湯口、他にもありそうな気がする。
岩肌には白い湯の花がこびり付いていて、粒のような湯の花がたくさん舞ってる。
源泉は磯ノ湯1号、2号、3号泉の3本。
磯ノ湯1号泉は磯の湯でも利用されている源泉のひとつ。pH 7.8の含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉で、源泉温度が44.2度。
2号と3号泉は含硫黄-ナトリウム-塩化物泉で、pH 8.1と8.2の弱アルカリ性。源泉温度は46度と42度。
溶存物質が7,000mg、8,000mg超えとかなり成分が濃い。
少ししょっぱくて、ぬるつるの肌触り。
大きな湯船から一旦あがり、一段高さのあるもうひとつの湯船へ。
こちらは小さめの4、5人サイズ。深さがあり、段差に腰掛けるか、中腰だったような。
湯口は41度ちょっとで、湯船は40度割れ。ほんのりしょっぱくて、ぬるつるの肌触り。
こちらも気持ちよくかけ流されてる。
絶景を眺めることができるみたいだけど、日の入り後なので真っ暗。波の打ちつける音だけが間近に迫ってくる。
柵の所まで行って見ると、真下が海。
明るい時間にも来たら良かったな。
山上館には露天風呂付きの部屋があり、太平洋側か勝浦湾側か選べる。
朝日が見えると思って太平洋側に
したけど、雲に隠れた朝日。
源泉は忘帰洞や山上館の大浴場と同じで、含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉。6本の源泉の混合泉で51.5度。
すごい湯量が投入されていて、湯船の縁からざばざばかけ流し。
湯口はパイプが2つあり、源泉と水みたい。
壁には蛇口があり、水を投入できるようになってるけど、赤いコックで源泉の湯量も調節できるので、湯量を絞ればぬるめになり、水で埋める必要はなし。なんて至れり尽くせり。
白い湯の花が大量に舞ってる。
太平洋が見渡せる絶景だけど、冬でも太陽光がきついかも。
外風呂が多過ぎるので、ここには結局入らず、旦那さん専用風呂となるいつものパターン。
部屋にはバスタオルもフェイスタオルもたくさん用意してあって、濡れたタオルを乾かしながら何度も使う必要がない。有り難や。
めちゃくちゃ遠いけど、また来たい。今度は磯の湯と玄武洞に入り浸ろ。
南紀勝浦温泉 ホテル浦島
★★★★★
[ホテル浦島 温泉集中タンク(6本の混合泉)]
含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉
51.5度
pH 7.3
574ℓ/分
[磯の湯1号泉]
含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉
44.2度
pH 7.8
203ℓ/分
[磯の湯2号泉]
含硫黄-ナトリウム-塩化物泉
46.0度
pH 8.1
162ℓ/分
[磯の湯3号泉]
含硫黄-ナトリウム-塩化物泉
42.0度
pH 8.2
149ℓ/分
[磯の湯5号泉]
含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉
41.0度
pH 7.8
72ℓ/分
忘帰洞(男女入れ替え2) 滝の湯1 ハマユウの湯1 磯の湯(男1女1)玄武洞(男1女1)遙峰の湯(男1女1)
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コメント
なのかめのきゅうきゅうばこさん、コメントありがとうございます。
忘帰洞のもう一方、入らなきゃですね!
なかなか遠いので、いつ実現できるか分からないけど、行ける日を楽しみにしてます。
リピートされてるなんて、羨ましいです。
磯の湯がいいお湯なのでぜひ入ってみてください。