甲府駅から徒歩8分ほどのホテル談露館。向かいが市役所という市街地にある温泉。新宿から特急で1時間半と好アクセス。
談露館の創業は明治20年と130年以上の歴史がある。元はこの地で金融業を営んでいたが、有栖川宮殿下の宿泊先になったことを契機に旅館へ。皇族や伊藤博文など歴代総理が宿泊した老舗旅館だけど、現在はシティホテルのような佇まい。

一階の玄関ロビー近くにある大浴場。コロナ対策で3人か4人までの人数制限があり、フロントに一度寄ってロッカーの鍵を受け取ってから。

暖簾をくぐったところで、男女に分かれる。女湯は暗証番号で開ける鍵がかかってる。

男女入れ替えはなし。
夜は2時までとかなり遅くまで入らせてくれる。さらに朝は5時から10時まで。毎日深夜に完全換水し清掃してる。シティホテルなんて言ったら失礼な、温泉宿。

入り口の扉の雰囲気とは一転し、いきなり温泉感が出てくる。“ゆ”の暖簾がかかる細長い脱衣所。手前に洗面台があり、

暖簾の奥にロッカー。でもこのスペース狭すぎるので、湯上がりには、荷物を持って洗面台の前のベンチに出てくるしかない。

ロッカーの向かいが浴室入り口。
一歩足を踏み入れると、つるんと滑る。危なかった。気をつけて歩かないとかなり滑る。

湯船は目の前に檜造りの内風呂がひとつ。男湯は大理石風呂なのだそう。ラッキー、檜の方でよかった。
右手前のスペースに洗い場があり、シャワーが3つ。決して広くないけど、無駄なく活用された空間。

透明だけど黒く濁りがあるように見える。
昭和40年に3代目が掘削し掘り当てた源泉は、敷地内で湧いている自家源泉。泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉。

檜造り最高。縁からお湯が溢れ出てる。

奥の縁の向こうには排湯口があり、ざばざばとお湯が吸い込まれるようにかけ流されてる。

とろりとした湯感触で、ふわつるの肌触り。pH 8.3の弱アルカリ性。重曹泉のつるつる感もある。

とろみが気持ちよくて、もうちょっともうちょっとと浸かっていたいお湯。

かなり勢いよく注がれてる。湯口で44度ちょい。源泉温度は44.8度。加温も何もせずの源泉かけ流し。わずかにヒ素を含むので飲泉には適さないのだそう。
湯船は41.5度弱。それほど熱くない気がするのだけど、短時間で汗だくになり、へろへろになる。
木屑のような匂いがすると思ったけど、湯船の檜の香りかな。油臭もする。硫黄が含まれてるって書いてあったけど、硫黄臭は分からなかった。

段差にも溜まるほどの湯の花。足を踏み入れると、底に溜まった湯の花が舞い上がる。

硫黄分と鉄分が反応してできる黒い湯の花が名物だけど、今日の湯の花は薄茶色。白い消しカスみたいな硫黄泉にありがちなのもたくさん。

翌朝は40.8度と気持ちのいい適温。超気持ちいい。
湯口のそばから、ふわりと硫黄の香り。油臭に混じって、しっかり硫黄の匂いがする。違う時間にはいってみるもんだな。

露天風呂が付いてる部屋。

普通の縁側に出るような窓から、下駄を履いて行くという、ちょっと嫌なタイプ。
だって濡れた足で、またこの下駄を履いて戻ってこなきゃいけない。

どーんとしっかりした湯船に、洗い場もあるけど、

シャワーはなく、カランのみ。シャワーは室内に普通のお風呂場がある。

やっぱり黒く濁って見える。

湯船が黒く染まってるのか。

湯口からは大浴場と同じ44度ちょいの源泉が注がれていて、湯船は41.5度ちょっとある。

でも、この日はとても寒くて、熱すぎると感じるほどではない。
庭側からすごい風が吹くので、葦簀とロールカーテンを降ろして防ぐ。風がひどい時はばったばた音を立ててた。
夜はもっと冷え込んでたので、湯温も下がってちょうど適温だったみたい。

排湯口は湯船の中のここ。ごごごーっと絶えずかけ流し。
重曹泉は余分な角質を落としてくれる美肌の湯。天然の保湿成分のメタケイ酸が147mgも含まれてるし、塩化物泉は保温効果もある。
44度の源泉をそのまま適温で味わえた。やっぱり冬に来て正解。いいお湯だったな。また来よ。
甲府温泉 ホテル談露館
★★★★★
ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉
44.8度
pH 8.3
内風呂(男1女1)
加水加温循環消毒なし
2021.12.25 宿泊



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