広島空港から車で15分、安芸の小京都 竹原に湧く湯坂温泉。広島は温泉ない県。本当にない。そんな広島県で探した宿。
古くは菅原道真が筑紫に下る途中に寄り、参勤交代の諸大名が江戸への往来の際に疲れを癒した場所。冷鉱泉なんだけど、沸かして入ってたのかしら。
その当時の温泉は村の井戸として、賀茂川荘の玄関横から湧き出ていたそう。井戸っていうくらいだから、冷たい温泉だったのか。
湯坂温泉郷 賀茂川荘は、1,500坪の日本庭園に囲まれた部屋数45室の宿。もっと数がありそうな造りで、本館と東館は結構遠いし、大浴場もめちゃくちゃ遠い。
この館内図には載ってない東館の端の部屋だったので、本館を経由して、西館端の大浴場まで行ってたってことか。
長い廊下を歩いて、西館にある大浴場へ。
利用時間は夜24時まで。朝は6時から9時まで。翌朝は男女入れ替え。
まずは左側の赤い暖簾のかかっている大浴場。
浴室に入ると、右手に洗い場、左側の窓沿いに内風呂が2つ。
手前(写真では左)の大きな方にはジェットバスがあり、端の方で41度。湯口からは43.5度くらいのお湯が出てた。
ほんの少し縁の割れ目からお湯が染み出してはいたけど、かけ流しではない。加温湯の循環。
右側の小さな方は檜造りで、いい感じの湯船だけど、41.5度と熱め。排湯口はあったけど、これも循環でそこから溢れ出ることはない。
洗い場の奥にサウナがあり、隣の扉から外へ出ると、1人用の五右衛門風呂が3つ。
それぞれその瞬間は違う温度だけど、大体41.8度に落ち着くよう設定されてるっぽい。湯口から出るお湯は32度から45度弱くらいを行ったり来たり。
塩素臭が強くて、あまり気持ちよさがない。湯船の内側には少し茶色の析出がある。
pH 6.3の単純弱放射能冷鉱泉。ラドン含有量の見方はよく分からない。成分総量が160mgの薄い温泉。
源泉温度が17.7度なので加温してる。HPには毎分150ℓ湧き出ていると書いてあるけど、分析書だと毎分36ℓの動力揚湯。36ℓしかないのに、これだけの大浴場が2つもあるのだから、当たり前に循環。加水してないだけマシか。
と、大浴場ががっかりなのは最初から分かっていたので、お風呂に天然温泉が出るロイヤルスイートルームを予約。
本当に普通のお風呂なんだけど、カランからは温泉が出る。48.5度の加温源泉。勢いよくお湯を溜めると湯船は48度弱‥。まぁ、冷まして入ればいいやと、溜めておく。
部屋用のタオルが一枚もなかったので、フロントにもらいに行くついでに、あれって温泉ですよね?と再確認。どこにも何も記載がないし、タオルさえないから。
その時、冷たい蛇口は源泉だと教えてくれた。え?本当に?と疑って聞き返してしまったけど、間違いなく源泉とのこと。
源泉そのもので温度調節できるなんて最高。
夕食後、溜めてから4時間くらいで37度とぬるくなってたけど、すごい勢いでお湯を出せるのであっという間に適温になる。
ナイロンというかパイプっぽい匂いがするけど、塩素の匂いは分からない。
じっとり馴染むお湯で、あがると肌がねっとりする。
せっかくの放射能泉。入るも吸うも、源泉そのままじゃないと意味ないと思う。ありがたい部屋風呂。奮発して正解。
翌朝は、入れ替え後の右手の大浴場に行ってみる。
細長くて広い脱衣所。広さがもう一方と全然違う。両端のどちらからでも、浴室に入れる。
足を一歩踏み入れると、脱衣所の出入り口の辺りまで、溢れ出たお湯が流れてきてることに驚く。昨夜の大浴場とは全然違う。
目の前の細長い湯船の、左端は激しく泡立つジェットバス。
泡が弾けるとともに、湯が溢れ出てる。
湯船の温度が42.5度とかなり熱いので、泡をゆっくり味わうことはできない。
この湯船は1人しか通れない細さの部分がほとんどだけど、細長く続いてる。
泡のところだけじゃなく、他の縁からも湯が溢れてる。
右端は岩場。
滝のように湯が流れてる。それでこのエリアは靄ってるのか。
石には析出物が付いてるように見える。成分がすごく薄くても、循環でも付くのかな。
浴室はものすごく広く、奥に続いてる。
左手に洗い場。仕切りがあり、シャワーは12個だったかな。
右側はガラス窓で、先に進むと露天風呂の出入り口。突き当たりは、椅子のある休憩スペースともう一つ内風呂。
振り返って見るとこんな感じ。
内風呂の左奥にはサウナがあるけど、朝の時間はやってないみたい。
さらにシャワーがもう2つ。こちら側にも脱衣所への出入り口があった。
奥にある正方形の湯船には、寝湯になってるジェットバスが2つ。
ふくらはぎ辺りに当たるようになってるのを、膝を曲げて足裏に当てると気持ちいい。
湯船の温度は41.8度。昨夜の五右衛門風呂と同じ。
ちゃんとした温泉に、ジェットバスが付いてると残念な気持ちになるけど、ここはもう、温泉だと思わず、足裏マッサージする分には心穏やか。塩素臭も気にせず。
窓の向こうに露天風呂が見えてる。
3つのうち一番手前は水風呂。
真ん中はひとりだと寝湯ができる大きな信楽焼の湯船。遠赤外線効果で体の芯まで暖まりやすく、湯冷めしにくいのだそう。
やはり湯船は41.8度前後。
循環ではあるけど、湯口から注がれてる湯量や、多少縁から溢れる感じが、一番マシ。
でも、2人組がドアから出てくると、この湯船に独りで入っていづらい。
一番奥の丸い湯船は、もう一方の大浴場の五右衛門風呂よりも大きくて、2人で入ってる人もいるくらいのサイズ。
周りの植え込みや狸が、一般家庭の庭のよう。ここって確か立派な日本庭園のある宿だったような。
湯坂温泉 湯坂温泉郷 賀茂川荘
★★
単純弱放射能冷鉱泉
17.7度
pH 6.3
36ℓ/分
露天風呂付き大浴場2 貸切風呂1
加水なし 加温循環消毒あり
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